NHK衛星第2テレビジョン
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NHK衛星第2テレビジョン(略称:BS2、ビーエス・ツー、デジタル放送の受信機表示アイコン:NHK2)は、NHKに所属するテレビジョン放送衛星局の一つである。
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[編集] 概要
NHK衛星第1テレビジョン(BS1)がニュースやスポーツ中継を中心とした編成であるのに対して、BS2は映画やコンサート中継、アニメ、海外ドラマなどエンターテイメント性の高い番組を中心に編成されている。スポーツ中継は大相撲、春と夏の高校野球(開・閉会式、準々決勝、準決勝、決勝)のみに限られる。
また、BS2が「(地上波の)難視聴解消を目的とする放送」と位置付けられているため、『NHKニュースおはよう日本』・『NHKニュース7』・『NHKのど自慢』・『国会中継』・『日曜討論』など、総合テレビとの同時放送、さらに、『連続テレビ小説』の45分先行放送、1週間分再放送など、総合テレビや教育テレビの番組を時差編成で放送している。BSアナログ放送のチャンネルでは唯一字幕放送を行っている。また、衛星波3チャンネル中、「NHKニュース速報」のテロップは表示はなく、地震速報のみの速報テロップ表示(震度3以上ローカルの場合は衛星波3チャンネルとも表示なし。また、衛星波3チャンネルとも交通情報・気象警報のテロップ表示も一切行われていない(総合テレビが担っているため))となっている。
BSデジタル放送では放送時間の大半がハイビジョン同様16:9の画面で放送され、2か国語放送・解説放送もステレオで放送される事があるほか、一部の音楽・映画番組では5.1サラウンド放送もある。またリモコンのdボタンで、気象情報のデータ放送を見る事もできる。なお、16:9の画面で放送されている番組は原則としてハイビジョン制作である。2006年11月20日よりハイビジョン制作の番組(一部の15秒、30秒、1分の番組案内スポットも含む)は原則として16:9の画面で放送されている。
BSデジタル放送とBSアナログ放送にて放送しているが、BSデジタル放送については、NHKは放送免許を持たず、委託放送事業者として放送を行っている。
[編集] 沿革
- 1985年 試験放送開始
- 1987年6月 衛星第1テレビの独自編成移行に伴い、総合・教育の混合時差編成となる。
- 1989年6月1日 本放送開始
- チャンネルの独自性を明確にする為、エンターテインメント(映画、演劇、コンサートなど)を中心にした番組に移行する。地上波の時差編成も継続。
- ※但し、24時間体制での放送であるが、本放送開始時から1991年11月25日のハイビジョン試験放送(BS-9ch 現在のNHKハイビジョン放送)が開局するまでの間は、毎日原則として14時から15時(大相撲本場所期間中は17時から18時)にハイビジョン配信実験が行われた。この当時はハイビジョンコンバーター内蔵テレビが普及していなかったため、主として各地のターミナルなどのモニター会場での上映が中心だった。この為実質的には23時間放送だった。
- 1997年8月のBSAT-1に移行するまでは、毎年2-4月、及び9-11月の一時期は「食」(放送衛星が太陽、月などと重なるため電波が遮られる状態)が発生するため未明の0:30-4:30を放送休止とし、初期は19時間、後に20時間放送となった。
- また1990年代中盤ごろまでは、毎週日曜日深夜(月曜未明)の数時間を衛星放送を活用したデーター放送やファクシミリ放送などのテスト実験(技術実験)を行っていたため、この時間帯も一般向け放送は休止されていた(台風・災害・地震時の緊急報道のときは通常放送)。
- 1997年10月5日 字幕放送開始
- 2000年12月1日 デジタル衛星第2テレビジョン放送開始。
- BSアナログ放送停止までの暫定措置として、BSアナログ放送と同内容の放送を行う。
- 2007年12月以降 アナログBShiの終了に伴う衛星スロット配置の変更に伴い、デジタル放送は従来の8スロットに3スロット追加されて11スロットとなり、画質が改善される予定。
[編集] 放送形態
毎日5:00起点の24時間放送(年1回メンテナンスのためデジタル放送のみ放送休止あり アナログ放送は送出を2系統化しているためメンテナンスがあっても完全無休で放送)。2006年7月2日深夜(7月3日0:55~5:00)にメンテナンスのためアナログ・デジタルとも放送休止となった(デジタル放送はデータ放送・EPGを含めて休止となっているが実際には利用可能である)。BSアナログ放送でのBS2の放送休止は1997年春に「食」による放送休止がなくなってからは1997年、1998年に数回あったが、2000年12月1日のBSデジタル放送開始以降では初めてである(それまでは6年近く放送休止が全く無かった)。また2006年9月3日深夜(9月4日0:55~5:00)も設備保守点検のためアナログ・デジタル共に放送休止になった(デジタル放送は放送休止中もデータ放送・EPGは利用可能。また青ボタンを数秒間押して表示するB-CASカードの番号確認も可能)。デジタル放送の放送休止時の灰色画像は画角16:9となっている。2006年11月20日0:55~5:00(BS1は1:10~5:00)はデジタル放送のみ放送休止でアナログ放送のみで通常放送を行った。
[編集] 時刻出し
- 月~金曜日 05:00~08:15(2006年8月15日は8:30まで延長)
- 土曜日 05:00~08:05
- 日曜日 05:00~10:00(日曜討論終了まで)、12:15~13:00(NHKのど自慢終了まで。ただし、「NHKのど自慢」の放送が休止となる場合は表示なし)
※それ以外の時間帯でも総合テレビと同時放送の場合、時刻出しが行われることがある。
※2006年11月22日より、アナログ放送での時刻表示の縁が地上波と同様に薄くなった(地上波よりもさらに縁が薄い)。しかし位置がやや左上に寄ってるため、一部のテレビでは全て表示できない場合がある。
1998年3月まで平日朝の時刻表示は9:30までだった。
[編集] コールサインの遍歴
- アナログ放送でのコールサインは放送を発信する衛星によって割り当てられたコールが異なっている。
- 1984年(試験放送開始当初 ゆり2号a使用)JO2A-BS-TV
- 1986年(ゆり2号b使用)JO20-BS-TV
- 1990年(ゆり3号a使用)JO32-BS-TV
- 1997年(BSAT-1使用)JO22-BS-TV
- ※チャンネルは一貫してBS-11ch
- デジタル放送は株式会社放送衛星システムが管理・コールサインを保有している関係から、NHKは委託放送事業者として放送を行っているためNHK単体でのコールサインはない。
[編集] オープニング・クロージング
- 現行 2006年7月3日-現在使用中
- オープニング 砂漠の夜明けの映像の中心に、「BS2」のロゴ~ID画面
- クロージング 宇宙から撮影された地球の静止画をバックに、「このあと衛星第2テレビジョンは放送設備の点検・整備のため午前(開始時刻)まで放送を休止します。」「なお、デジタル衛星第2テレビジョンのデータ放送、EPG(番組ガイド)もご利用いただけません。ご了承ください。」というテロップとナレーションが入る。画面比は当初4:3だったが現在は16:9(アナログ放送はレターボックス放送)に変更されている。
- 基本的に、BShiと同じフォーマットである(当然、BShiは同じフォーマットでもハイビジョン画質の16:9である)。また、原則24時間放送のため、オープニングとクロージングはめったに見ることができない(年数回程度である)。
- 1世代前 1995年のロゴマーク変更-2000年
- オープニング 2世代前同様
- クロージング 海岸の景色の映像に載せて以下のアナウンスとテロップが入る。「これで衛星第2テレビジョン(は放送設備の点検・整備のため午前(開始時刻)まで放送を休止します。)の放送を終わらせていただきます。このあと、しばらくの間地球による食のため放送をお休みします。衛星第2テレビジョンの放送は午前5時から再開します。」そしてID画面となる。
- 2世代前 1995年のロゴマーク変更前まで(1994年度まで)
- オープニング 特にオープニング映像はなく、灰色の画面からID画面の映像に切り替わるのみだった
- クロージング ブルーバック(左下にNHKのロゴ)に載せて以下のアナウンスとテロップが入る。「これで衛星第2テレビジョンの放送を終わらせていただきます。このあと、しばらくの間(食の場合は、このあと、しばらくの間地球による食のため放送をお休みします。)技術実験のため放送をお休みします。衛星第2テレビジョンの放送は午前5時から再開します。なお、技術実験は日曜の深夜から月曜の早朝にかけて行っています」そしてID画面となる。
- 通常の24時間放送ではBS1、BS2ともに午前5:00直前に局名ID(アナログはコールサイン付き)が放送されるが、このBS2ではID放送を省略する場合も多々ある。
- 地球や月による放送休止のお知らせでは休止前にその現象となる説明を放送していた。放送再開時には海岸の景色の映像に載せて『地球による食のため休止していた放送をただいまから再開します』というアナウンスがあった(BS1でも同様だった)。
[編集] 放送チャンネル
[編集] 現在の放送チャンネル
- デジタル放送
- BS-102ch(リモコンキーID2)
- アナログ放送
- BS-11ch
- 中継局
- 小笠原父島 VHF10ch(10w)
- 小笠原母島 VHF12ch(1w)
- 南大東 VHF6ch(100w)
- ※小笠原諸島では現在、NHK衛星第2、第1テレビジョンとは別に通信衛星を使い、関東広域圏と東京都域の地上波テレビ放送(総合テレビ、教育テレビ、民放キー局、TOKYO MX)が再送信されている。
- ※大東諸島では現在、NHK衛星第2、第1テレビジョンとは別に通信衛星を使い、関東広域圏の地上波テレビ放送の内、総合テレビ、教育テレビと民放キー局のTBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日が再送信されている(沖縄県域局は今のところ視聴できない)。
[編集] 関連項目
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東北 (宮城県) : 仙台 | 青森 (弘前・八戸) | 盛岡 | 秋田 | 山形 (鶴岡) | 福島 (郡山・いわき)
関東・甲信越 (東京都) : 東京 | 横浜 | 千葉 | さいたま | 水戸 | 宇都宮 | 前橋 | 甲府 | 長野 (松本) | 新潟
東海・北陸 (愛知県) : 名古屋 (豊橋) | 岐阜 (高山) | 津 | 静岡 (浜松) | 金沢 | 富山 | 福井
近畿 (大阪府) : 大阪 | 神戸 (姫路) | 京都 | 大津 | 奈良 | 和歌山
中国 (広島県) : 広島 (福山) | 岡山 | 松江 | 鳥取 (米子) | 山口 (下関)
四国 (愛媛県) : 松山 | 高知 | 徳島 | 高松
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