MW (漫画)
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MW(ムウ)は、手塚治虫の漫画作品。 1976年9月~1978年1月「ビッグコミック」(小学館)に連載された。
[編集] 概要
MWと書いて「ムウ」と読む。
この作品は手塚作品としては異例なほど生々しい性描写や猟奇的殺人場面が描き出されているのが特徴である。子どもの目にさらすことの危ぶまれる手塚作品の一つといってよい。なお、MW(ムウ)とは、結城が犯行の際に、得意の女装や男娼的行為をすることに関連づけられているようだ(Man / Woman)。
この話は、1969年7月に沖縄のアメリカ軍基地内の知花弾薬庫で起こったサリン漏洩事故が下敷きになっていると考えられる。この事故では、米軍関係者24人が中毒症状を起こしている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
梨園に生まれたエリート銀行マン・結城美知夫の素顔は、狂気の連続凶悪犯罪者だった……。
犯行を次々に重ねては、その後に教会を訪れ、旧知の賀来(からい)神父のもとで懺悔をする結城。しかし二人は、同性愛者として、肉体関係を結んでいたのである。かつて結城は、少年時代に南国の沖ノ真船島(おきのまふねじま)を訪れ、この地にたまたま来ていた不良少年グループにかどわかされた経験をもつ。その際、同島に駐留する某外国軍の秘密化学兵器『MW(ムウ)』が漏れた。島民が相次いで変死する地獄絵を目の当たりにしたトラウマと、自らも毒ガスを吸ったショックとから、結城は心身を蝕まれる。そして、不良グループの一員だった賀来の手で、凄惨な場面から逃げおおせたのもつかの間、避難先で賀来に強引に犯される結城少年。主従関係は変わっても、二人の奇妙な関係はその後も続いていたのだった。
一方、沖ノ真船島の犠牲者たちは外国軍および彼らと結託した政治家らの手によって跡形もなく処分され、島の秘密を知っているのは結城と賀来だけとなってしまう。
自分の心身の健康を奪われた結城は、当事者への復讐として、数々の誘拐事件と猟奇殺人を繰り返した末に、MWを奪い、全世界を自分の最期の道連れにしようとたくらむに至る。それを阻止し、結城を救済すべく動き回る賀来神父の苦悩と、救済と改悛を拒否しながら加速度的に愉快犯を重ねていく結城の姿が描き出された、一大ピカレスク・ロマンである。
[編集] 登場人物
- 結城美知夫
- 賀来神父
- 中田英覚
- 目黒警部
- 澄子
- 中田美香
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