殺人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
殺人(さつじん、俗に人殺し)とは他人の生命を絶って死に至らしめる行為のこと。
目次 |
[編集] 概要
中でも特に、故意によるもの、不可抗力ながらそれを隠そうとした場合、などを指すことが一般的である。刑罰(死刑)の執行や国際法下での戦闘行為によるもの、妊娠中絶など、法に従って他人を殺すことは、殺人とは呼ばれないことが多い。
特に自殺と区別するため、他殺(たさつ)と呼ばれることもある。
多くの国で法律上もっとも重罪とされている。凶悪性をはらむ場合、裁判所では「死に値する罪」ともされ、場合によっては死刑が課せられる。
法治国家がその誕生と共に厳しく取り締まるようになった人間の反社会的行為の内の重要な一つが、殺人である。同時に、古代には法律以上に社会に深く浸透していた宗教においても、殺人は忌むべきもの、犯してはならない戒律として多くの宗教に規定されている。旧約聖書の創世記第4章でカインがアベルを殺したのが最初の殺人と言われている。ユダヤ教においてモーゼが受けた「十戒」でも、信仰と親への孝行を除く社会生活上の禁忌五つのうち真っ先に採り上げられている。
ただし古来より、戦時下における殺害行為(特に軍隊・軍事行動による殺人)は、国際法の不備により、有効に処罰されてこなかった。裁かれることがあっても、戦勝国による戦争裁判や、戦後の混乱状態の下で私刑にかけられるなど、特殊な裁かれ方を経ることになる。
また、国家元首や政府の高官など権力を持つ者が自国民を大勢殺害した場合、その国の法律では調査・訴追・公正な裁判を行うことが極めて困難である。そのため国際刑事裁判所が創られた。一方で2006年現在、日本を始めとする一部の国はこの枠組みに参加しておらず、更にアメリカは参加しないだけでなく、アメリカ国民を国際刑事裁判所に引き渡さないことを約する免責協定を結ぶよう各国に要請するなど、その趣旨に自国民を加えることに反対している。このため、その実効性を疑問視する声もある。
[編集] 殺人が起きる理由
一般的な理由として、恨みが高じて殺意が沸くケース、強盗などの際の証拠隠滅のために目撃者を殺害するケースなどが殺人の動機とされるが、他方殺人そのものに一種の快楽を求めて人を殺害(快楽殺人)する場合もある。
[編集] 恨みのケース
- 大阪産業大学付属高校同級生殺害事件 - 加害者は被害者に自慰を強制されるなどの性的いじめを受けており、その報復として起こった。
- 山形一家殺人事件 - 加害者は被害者に服を脱がされるなどの性的いじめを受けており、その報復として起こった。
[編集] 証拠隠滅のケース
- 奈良小1女児殺害事件 - 犯人は女児が犯人の特徴を覚えたと思い水死させた。
[編集] 快楽を求めたケース
- 神戸連続児童殺傷事件 - 犯人は犯行声明文において「殺しが楽しい」という旨のコメントを載せている。
- 大久保清による8件の殺人事件
- 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件 - 動機は完全に解明されてはいないが、理由の一つとして考えられている。(快楽殺人のページに記述あり)
- 自殺サイト殺人事件 - 犯人は自殺希望者を自殺サイトで見つけて、自殺希望者を自殺に見せかけて殺していたという。
- 大阪姉妹殺害事件 - 犯人はかつて母親を金属バットで撲殺した際に性的興奮を覚え射精したこと、その事が忘れられずまた血が見たいと思ったという旨の供述をと取り調べ時にしている。
[編集] その他のケース
- 附属池田小事件 - 犯人は取り調べの中で「人を殺せば死刑にされると思った」という旨の発言をした。
- 久米島守備隊住民虐殺事件 - 大戦末期、孤立した部隊長が疑心暗鬼になり住民をスパイとして粛清。
- 東大阪大学集団暴行殺人事件 - 女性関係のもつれから、報復のそのさらに報復として集団リンチが起こった。
[編集] 殺人を防ぐ方法
快楽殺人の場合、ほとんどが小動物を殺したり虐待したりすることがエスカレートするのが原因とされ、これらの行為を犯した者に対しては矯正教育を受けさせる必要がある。
しかしながら、正当防衛など必要に迫られる殺人もあり、殺人を完全に無くすことは非常に難しいのである。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 書きかけの節のある項目 | 殺人 | 死 | 暴力