Prismaticallization
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Prismaticallization | |
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対応機種 | プレイステーション ドリームキャスト |
発売元 | アークシステムワークス(SuperLiteを除く) サクセス(SuperLite) |
発売日 | 1999年10月28日(PS) 2000年8月24日(DC) 2002年12月12日(SuperLite PS) |
ジャンル | サークレイト・アドベンチャー |
レイティング | 全年齢対象 |
キャラクター名設定 | 変更可。苗字、一人称も設定可 |
エンディング数 | |
セーブファイル数 | |
画面サイズ | |
BGMフォーマット | ? |
キャラクターボイス | |
CGモード | |
音楽モード | |
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メッセージスキップ | |
オートモード |
『Prismaticallization』(プリズマティカリゼーション)は、プレイステーション用のアドベンチャーゲーム。開発元のアークシステムワークスは「サークレイト(circulate: 循環する)・アドベンチャー」と称している。
1999年にプレイステーションで発売され、2000年にドリームキャストに移植された。また2002年にはサクセスからSuperLite1500シリーズとして再販された。
俗に言うギャルゲーに属するが、恋愛要素は比較的少ない。同じ一日が何度も(時には100回近く)繰り返されるという独特なゲームシステムと、哲学用語が多用される難解で衒学的な内容であったために、大衆には受け入れられず、アークシステムワークスによれば「多くの非難と僅かな賛辞を呼んだ」とのこと。
その一方で、システムの独創性、示唆に富んだ脚本、そして魅力的なヒロインたちを評価する熱烈な支持者もいる。
この長いタイトルを、I18n(Internationalization)、L10n(Localization)などの省略形にならって、「P17n」と略すことがある(「17」は"P"と"n"の間に17文字あることを示す)。メーカーの問い合わせ用メールアドレスも「p17n@~」となっていた。また、『センチメンタルグラフティ』と画風がよく似ていることから、「ニセ(偽)」と「センチ」をかけて「ニセンチ」と俗称されることもある。
目次 |
[編集] ゲームの概要
主人公・射場荘司は、高校3年生。幼馴染みの同級生・明美に誘われて、夏休みを避暑地のペンションで過ごすことになった。荘司がペンションの近くの森で不思議なオブジェを偶然拾ったことから、荘司たちは同じ一日が永遠に繰り返される循環に囚われる。
荘司は人生に明確な目的が持てず苦しみながらも、苦悩するインテリ青年という自己像に酔うばかりで、何も行動を起こさず怠惰に過ごしている。
荘司を取り巻くヒロインたちも、一見幸福そうだが内面にはそれぞれに苦しみを抱えているが、荘司はその兆候を見過ごし、彼女たちの苦しみも終わらない。
だが、不思議なオブジェは、繰り返される一日のさまざまな場面で、荘司に「状態」を「記録」するかどうかの選択を迫る。「状態」を「記録」し、別な一日のどこかで「解放」することにより、一見全く同じ一日が繰り返されているように見える循環の中でも、少しずつ過去が書き換えられていく。
小さな変化を積み重ねるうちに、登場人物たちの関係は決裂したり再構築されたりしながら解決へと進展していき、いずれかのヒロインの問題は解決されたときに、荘司たちは時の循環から抜け出して輝かしい明日を迎えることになる。
[編集] 記録と解放
本作を特徴づけているのは、「状態」の「記録」と「解放」である。
不思議なオブジェを持っているとき、ときどき状態を記録するかどうかの選択肢が現れる。そして記録した状態は別な一日のどこかで自動的に解放される。これにより、別な一日で起こった出来事を、現在進行している時間での過去にすることができる。
例えば、ある一日においてペンションのドアの錠が鍵で開けられたときに、その状態を記録すると、別な一日の同時刻にはそのドアは始めから開錠されている。
記録は同時に最大5つまで行える。
このシステムは、フラグの概念を可視化し、その操作をプレイヤーにゆだねたものであるといえる。
[編集] 主なスタッフ
- 企画、脚本、プログラム - 池田修一
- キャラクターデザイン - 森藤卓弥
- オープニング・エンディング音楽 - Water Clock
- 発売 - アークシステムワークス
[編集] 登場人物
- 射場荘司
- 主人公。高校3年生の男子。受験生ではあるが、受験の先に人生の意義を見出せず苦悩している。トラブルを避けたがる性向のため何ら行動を起こそうとはせず、自分の無為無策を哲学用語を駆使した長い長いモノローグで自己弁護するのみである。だが、ひとたび行動を起こせば豊富な知識に裏打ちされた知性で、起こったトラブルをどうにか解決するだけの能力がある男。
- 鳴川澄香
- 高校1年生。雪乃と二人でペンションに泊まりに来ている客。陽気で無邪気。誰にでも人懐っこいが、それは人から嫌われることを恐れる性格の裏返しでもある。
- 沢村雪乃
- 高校1年生。澄香の親友。澄香とは対照的に物静かな女の子で、読書好き。義理の兄に複雑な感情を抱いている。
- 柊明美
- 高校3年生。活発で運動好き。荘司の幼馴染みだったが、最近の交流は全く無かった。特に親しくもない荘司をなぜ避暑地へ誘ったのかが謎のひとつ。
- 木ノ下さより
- ペンションの切り盛りをしている女性。みゆとは従姉妹どうしの関係。実年齢は23であるにもかかわらず、自分が老いていることに過剰な劣等感を抱いている。
- 琴原みゆ
- 小学生。ペンションの手伝いをしている少女。無口で感情を表すことがない。年に似合わない博識。家庭事情は複雑で、父は失踪中、母からは憎まれているようだ。
- 謎の男
- ペンションの周辺をうろついている若い男。不健全な野望を果たすために、荘司の持つ不思議なオブジェを狙って荘司の前に立ちふさがる。
[編集] あらすじ
5人のヒロインそれぞれに対応するエンディングがある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] みゆエンド
点在する証拠から、時間が循環していることに感づいたみゆは、それを利用して自分の夢を叶えるために謎の男と接触する。 そのとき唐突に第三の男が現れ、みゆは自分の夢がもはや叶わないことを悟る。
[編集] さよりエンド
荘司は、深夜にさよりが一人で酒を飲んで荒れているところを目撃する。 さよりは高校生の頃ある男性に片思いをしていたが、その恋は叶うことがなかったらしい。
[編集] 明美エンド
明美と荘司が恋仲だと思い込んだ澄香がさまざまな手助けをした結果、明美と荘司の関係は少し進展する。 しかしそこへ予期せず謎の男が現れ、時間の流れは狂い始める。 明美は、荘司を避暑地に誘った理由を書いたメモを残して世界から消滅する。
[編集] 雪乃エンド
昼下がりにペンションにかかってきた電話は、雪乃の義兄が行方不明になったと告げる報せだった。 雪乃は旅行を中止して帰ると言い出したが、それが澄香を怒らせ、二人の仲は険悪になる。 荘司と明美が介入して二人は仲直りし、丸く収まったかに見えた。 しかし今度は、澄香と荘司が良い関係になったと勘違いした雪乃が、荘司をなじってしまう。 澄香と荘司がくっつくならば私には兄しかいない、と雪乃が口を滑らせた瞬間、雪乃の前に唐突に謎の男が立ちはだかる。
[編集] 澄香エンド
昼下がりにペンションにかかってきた電話は、雪乃の義兄が行方不明になったと告げる報せだった。 雪乃は旅行を中止して帰ると言い出したが、それが澄香を怒らせ、二人の仲は険悪になる。 荘司と明美が介入して二人は仲直りし、丸く収まる。 澄香は荘司に自分の弱さを打ち明け克服しようとするが、そこへ唐突に謎の男が立ちはだかる。