Z旗
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Z旗(ゼットき)は、船同士の意思疎通のために用いる国際信号旗の一。
国際信号旗はアルファベット文字旗(26種)、数字旗(10種)、代表旗(3種)、回答旗(1種)の計40種。この中でZ旗はアルファベットの"Z"の文字を示す信号として用いられる他、単独で「私は引き船が欲しい」、漁場では「私は投網中である」の意を示す信号としても用いる。
[編集] 海戦における使用
日本では日露戦争の日本海海戦に際して、東郷平八郎連合艦隊司令長官の座乗する旗艦三笠がZ旗を掲揚して全艦隊の士気の高揚を図ったエピソードが有名。このときの意味は「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」で、名文家として有名な秋山真之の作である。これはこの時に使用されていた連合艦隊向け信号簿で上記文言がZ旗に割り当てられていたというだけでしかなく、国際的にはZ旗は前節の意味しか有していない。しかし日本海海戦のエピソードにより日本海軍ではZ旗は特別な意味を持つこととなり日本海海戦以後、日本海軍では重要な艦隊戦の際にZ旗を掲揚することが慣例化した。海戦に際してZ旗に上記文言が割り当てられて掲揚された理由は、トラファルガーの海戦におけるネルソン提督の行動に倣ったものとの説や、発祥は、"Z" がアルファベット最終文字である事から「後はない」という決戦の意思として用いたとの説もある。
[編集] フェアレディZ
1960年代後半のアメリカ日産の社長片山豊が、当時開発中のスポーツカーの開発スタッフに、Z旗を贈呈、その経緯で名づけられ、誕生したスポーツカーが「フェアレディZ」。