かっとばせ!キヨハラくん
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『かっとばせ!キヨハラくん』はコロコロコミックで1987年から1994年にかけて連載されていた河合じゅんじのプロ野球ギャグ漫画。コミックスは全15巻。
目次 |
[編集] 概要
西部ライアンズのキヨハラを始め、様々なプロ野球選手・関係者が繰り広げるギャグ漫画。
登場人物は実際のプロ野球選手がカタカナで登場している。但し、外国人選手は主にその名前をひねった名前(主に濁点・半濁点を取ったり付けたり、やや似ている文字で代用したり)で登場している(ただ、次作の「ゴーゴー!ゴジラッ!!マツイくん」については途中から外国人はひらがなで登場した)。日本野球機構公認誌(例:週刊ベースボール)以外でカタカナのままだと実名とみなされ、揉め事が起こりかねないためである(現に、魁!!クロマティ高校では映画化の際にウォーレン・クロマティに公開差し止めの訴訟を起こされた)。球団名も実際のものを少しひねった名前だが、広島東洋カープは「東洋」の部分が完全に省略され、単に広島カーブと呼ばれる。また、読売ジャイアンツは、読売に相当する企業名が存在せず、地名から東京カイアンツと呼ばれる。さらに、他球団の略称は現実同様、企業名または地域名だが、カイアンツの略称は「東京」ではなく、ただカイアンツと呼ばれる。たとえば西部ライアンズ対東京カイアンツは、西部対東京ではなく、西部対カイアンツと表記される。これは、現実の読売ジャイアンツが「読売新聞」ではなく「巨人」の略称を使われることが多いのに対応していると思われるが、企業名が存在しないのは本作オリジナルである。
当初はビジターユニフォームも描かれており、1987年のオールスター戦ではパ・リーグがホーム用、セ・リーグがビジター用ユニフォームを着用していた。ビジターのチームでもユニフォームがホームのものとなっているのはそのためである。但し、第1話に関しては1987年発売の月刊コロコロコミック春休み増刊号掲載時は、実名のまま表記されていた(「西武」「巨人」等)。しかしPL学園は当時からLP学園表記。第1話の実名表記は全てコミックスでは修正されている。
[編集] 作品の特徴
児童に楽しませるギャグに、少しマニアックなプロ野球知識を兼ねた漫画で子供から大人まで楽しめて人気を得た。(その後河合じゅんじは大人向けにベロベロベースボール、いけいけスワローズを連載した) ただし、連載末期はマニアックなネタが減り、登場する人物も固定されがちであった(たとえば、連載後期に当たる1992年に大活躍したイシイ(石井丈裕)は名前だけの登場で、ウグイス嬢が登板を告げたはずの試合では、実際には常連のクドーが登板していた)。
この漫画で登場人物のクワタは、イヤガラセ・イタズラ好きで「悪魔」「悪の権化」などと呼ばれている。現実の読売ジャイアンツの桑田真澄選手に存在した、暗いイメージを極端に誇張し、さらに独自のキャラクター性を持たせたものである。当時はこの漫画から、桑田選手のイメージを持ってしまった読者が多かった。
月刊連載であるが、最盛期はキヨハラ主役の「かっとばせ!キヨハラくん」とクワタ主役の「がんばれ!クワタくん」(のち「やったぜ!クワタくん」)の二本立てで、別冊にもしばしば掲載された。ただし、「クワタくん」シリーズは、単行本では全て『かっとばせ!キヨハラくん』の一エピソードの扱いになっている。「笑ってよ!!タネダくん」、「ベロベロベースボール 」 「いけいけ!!スワローズ」、「フリフリ!!イチロー」では芸能人、その他のスポーツ選手、野球評論家が出ていた。
[編集] 作中ネタの実現化及び当時の西武の強さ
本作は作中で描かれた内容が現実に起こってしまうということがよくある漫画でもある。
- 第1巻(1987年当時)と第4巻(1988年当時)で主人公キヨハラが東京カイアンツの助っ人で出場するがそのネタの8年後の1996年シーズン終了後に読売ジャイアンツに移籍する。続いてクドーも第1巻で東京カイアンツの助っ人で出場するが、それから12年後の1999年のシーズン終了後に読売ジャイアンツに移籍する。
- 第2巻で(87年)中日のホシノ監督が「来年優勝するからな、うちは」と言っていたが、実際に中日は88年にリーグ優勝を果たした。
- 第4巻では板急・近鉄・南海が、第9巻ではタイエー・オリッグス・ロッデが、第12巻ではオリッグス・カイアンツが共同で西部と戦う話があった。このような話が何度も描かれたのは、当時の西部がいかに圧倒的に強い存在であったかを示している。
- 第5巻でヒガシオが福岡タイエーハークスに誘われる際、ヒガシオが他の西部の選手も誘い、アキヤマ・イシゲ・クドーがヒガシオに付いて来るシーンがあった。現実に秋山幸二選手はトレード、工藤公康選手・石毛宏典選手はフリーエージェントでそれぞれ福岡ダイエーホークスへ移籍している。
- 同じ巻でモリ監督が横はば太洋ホイールズの監督のユニフォームを着ていたが、現に森は後身の横浜の監督に就任している。
- 9巻(1990年)で対戦相手のタイエーがあまりにも弱すぎるからといって対戦相手を馬鹿にして、ハンデーで各スタメン選手をまったく慣れていない守備位置につかせた。そんな中、西部の主砲デラストーデが投手で登板するネタがあったが、その5年後(1995年)にオレステス・デストラーデが実際に投手で登板した。さらに同じ回にタイエー側にフーマーが助っ人で登場したがその2年後(1992年)にブーマー・ウェルズが福岡ダイエーホークスに移籍している。
- 第10巻では話題づくりのため、近鉄・オリッグスが合体して「オリッ鉄バッパローブス」として西部と戦う話があったが、現実世界でも2004年にオリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズが合併した(プロ野球再編問題)。なお作者自身は自分が近鉄・オリッグスが合併する話を描いたことを忘れていたらしい。このように一部では予言なのではと言う話もある。
- 第4巻にクワタがムラヤマについて「連敗のショックでとうとうあの世に・・。」と言ったが、実際、村山実は1998年に亡くなった。
- 上記に続いてこれをよく示したのが、連載開始から終了までの間、他チームが身売りをしたり(板急と南海)、チーム名を変えたり(前の2球団以外にロッデ、横はば)、監督が変わったり(西部以外の11球団全て)した一方で、西部だけが外国人を除いてほとんど登場人物の変遷がなかったことである(ヒガシオの引退、カナモリ・カトリのトレード、シオザキの入団があるくらいである。アキヤマらのトレード直後に連載が終了したが、それからまもなく、現実の西武は大規模な選手の世代交代が始まっている)。
[編集] 作品の流れと作者の他作品
作品の流れなどはそのまま次の作品の「ゴーゴー!ゴジラッ!!マツイくん」に引き継がれている。
余談だが、河合じゅんじは大人向けの野球ギャグ漫画で「笑ってよ!!タネダくん」、「ベロベロベースボール 」 「いけいけ!!スワローズ」、「フリフリ!!イチロー」では「かっとばせ!キヨハラくん」とは違い実名の球団で連載した。
[編集] 球団名(モデルとなった球団)
[編集] パッパ・リーグ(パシフィック・リーグ)
- 西部ライアンズ(西武ライオンズ)
- 板急ブルーブス(阪急ブレーブス)→オリッグスブルーブス(オリックスブレーブス)→オリッグス・ブルーウェープ(オリックス・ブルーウェーブ)
- 近鉄バッパローズ(近鉄バファローズ)
- 南海ハークス(南海ホークス)→福岡タイエーハークス(福岡ダイエーホークス)
- 日ハムファイタンズ(日本ハムファイターズ)
- ロッデオニオンズ(ロッテオリオンズ)→千葉ロッデモリーンズ(千葉ロッテマリーンズ)
[編集] セント・リーグ(セントラル・リーグ)
- 東京カイアンツ(読売ジャイアンツ)
- 中日ドラポンズ(中日ドラゴンズ)
- 広島カーブ(広島東洋カープ)
- ヤグルトスパローズ(ヤクルトスワローズ)
- 横はば太洋ホイールズ(横浜大洋ホエールズ)→横浜ペイスターズ(横浜ベイスターズ)
- 板神タイガンス(阪神タイガース)
[編集] 球場名(モデルとなった球場)
[編集] パ・リーグ
- 所池ライアンズ球場→西部球場(西武球場)
- 東の宮球場(西宮球場)
- クリーンスタジアム神戸(グリーンスタジアム神戸)
- フジイ球場→フジイ寺球場(藤井寺球場)
- オーサカ球場(大阪球場)
- 福岡ヘーワ台球場(平和台球場)
- 後楽園球場→エアードーム(東京ドーム・ビックエッグが未完成時の呼び名)→東京ドーム・ピッグエッグ(東京ドーム・ビッグエッグ)
- 河崎球場(川崎球場)
- 千葉マリンスタジアム
- 福岡ドーム
[編集] セ・リーグ
[編集] 登場人物(モデルとなった人)
登場人物についてはかっとばせ!キヨハラくんの登場人物を参照。