だるま
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だるまは、仏教の1派である禅宗開祖の達磨の坐禅姿を模した置物、または玩具であり、縁起物として親しまれている。
多くは張子(はりこ)で製作され、目の部分は書き入れずに空白のままに残す。そして何らかの祈願を行い、祈願が叶うと目を書き入れるという習慣がある。
現在、日本にあるだるまのほとんどは群馬県の高崎で作られたものである。
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[編集] 起源と歴史
玩具の1つに、底が丸く重心が低く作られている事によって倒しても起き上がる起き上がり小法師(不倒翁)という物がある。その何度でも起き上がる様子が、達磨の面壁九年という坐禅をし続けた逸話に見立てられ、達磨の顔が描かれるようになった。そしてこの「起き上がり」「七転八起」と言う特性から、次第に縁起物とされるようになった。
[編集] 歴史
日本では、江戸時代に中国から長崎の黄檗宗の寺院に伝来したのが起源とされている。その後、商人に信仰され、日本各地に普及していったのである。
因みに、長崎伝来時のだるまの色は黄色であったと伝えられている。
[編集] 赤色の理由
だるまの色が赤いのは、達磨が赤い衣を着ていたとされる事に由来するが、その他に、赤色には魔除けの効果があると信じられていた事や、疱瘡を引き起こす疱瘡神が、赤色を嫌うと信じられていた事からも由来しているのではないかとされている。
以上の事から、だるまは疱瘡除け・魔除けの力がある玩具として子供に与えられた。
なお、2006年現在では、赤色以外にも、黄色、白色、緑色、金色等の色で塗られている。
[編集] 目入れと障害者差別
上述の通りだるまは、何らかの祈願が達成すると目入れをするが、これは目がある事で完全とするという意味で、障害者差別に繋がるという主張がある。この主張に配慮し現在では公に目入れをする機会は減っており、最初から目が入っているだるまも多く売られるようになって来ている。
[編集] だるまから派生したもの
[編集] だるま落とし
弾丸の先端に形状が似ただるまの下に、薄い円柱を数段重ね、それを横から1段ずつ木槌で叩いて抜き、倒れないようにうまく一番上のだるまを落とすという玩具・遊びである。胴を素早くたたくのがコツである。
[編集] だるまさんがころんだ
こどもの遊びの一種。鬼ごっこの変種と考えられる。鬼がその他の参加者に背中を向けて「だるまさんがころんだ」を唱える間に、他の参加者が鬼に触れ、より遠くへ逃げることを目的とする。また、鬼が呪文を唱えているとき以外は他の参加者は身動きの一切を禁じられる。
遊び方の詳細についてはだるまさんがころんだの項を参照。
[編集] だるまに因む言葉
- ダルマ (ダルマ蔵相) - 昭和の政治家、高橋是清の愛称。その体格に因む。
- ダルマストーブ - 薪ストーブの1つ。薪を入れる中央部分が膨らんでおり、その形状がだるまに似ている事に因む。
- だるま - サントリーのウイスキーの1つ、サントリーオールドの愛称。ボトルの形状に因む。バー等で呼称される。たぬきと呼ばれる事もある。
- だるま女 - 両手両足を人為的に切断された女性。だるまに似ている外観からこう呼ばれる。
[編集] だるま市
[編集] 関連項目
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