アウトラン
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ジャンル | レースゲーム |
対応機種 | アーケード セガ・マークIII PCエンジン ゲームギア メガドライブ セガサターン ドリームキャスト プレイステーション2 Xbox |
開発元 | AC:セガ |
発売元 | AC:セガ |
人数 | 1人 |
メディア | MkIII:2Mbitカセット PCE:4MHuCARD GG:カセット MD:カセット SS:CD-ROM1枚 DC:GD-ROM1枚 PS2:CD-ROM1枚 Xbox:DVD-ROM1枚 |
発売日 | AC:1986年 MkIII:1987年 PCE:1990年12月21日 GG:1991年8月9日 MD:1991年8月9日 SS:1996年9月20日 DC:1999年12月29日 PS2:2004年5月27日 Xbox:2005年1月27日 |
価格 | MkIII:5500円(税抜) PCE:7200円(税抜) GG:3500円(税抜) MD:7000円(税抜) SS:3800円(税抜) PS2:2500円(税抜) Xbox:6800円(税抜) |
『アウトラン』(Out Run)は、1986年に発売されたセガのアーケードレースゲーム。
目次 |
[編集] 解説
同社が当時最大限に注力していた「体感ゲーム」の代表作で、発売後10年経っても現役稼働しているゲームセンターも珍しくなかった。
真っ赤なボディに大きな画面とスピーカーを備え付けた稼働筐体は多くの人の関心を集め、美しい音楽と次々に変化する色彩豊かなステージはこのゲームの大きな魅力である。
設置スペースや予算の都合で、小型の固定筐体を導入している店もあったが、残念なことに大型稼働筐体がアウトランの「核心部分」であったようで、稼働率は低かった。
国内版と海外版が存在し、ステージ構成やギアの位置が異なっていた。
[編集] ゲーム内容
アメリカの西海岸を舞台にフェラーリ・テスタロッサを運転し、制限時間内に次のチェックポイントに到着する。全で5ステージ。1~4ステージの後半には分かれ道が現れ、どちらかを選択するかによって、16通りのルートが選べる。
(以下国内バージョン)
- Aコース:COCONUTS BEACH - WHEAT FIELD - DESERT - WILDERNESS - VINE YARD
- Bコース(1):COCONUTS BEACH - WHEAT FIELD - DESERT - WILDERNESS - DEATH VALLEY
- Bコース(2):COCONUTS BEACH - WHEAT FIELD - DESERT - OLD CAPITAL - DEATH VALLEY
- Bコース(3):COCONUTS BEACH - WHEAT FIELD - ALPS - OLD CAPITAL - DEATH VALLEY
- Bコース(4):COCONUTS BEACH - CLOUDY MOUNTAIN - ALPS - OLD CAPITAL - DEATH VALLEY
- Cコース(1):COCONUTS BEACH - WHEAT FIELD - DESERT - OLD CAPITAL - STONE HILL
- Cコース(2):COCONUTS BEACH - WHEAT FIELD - ALPS - OLD CAPITAL - STONE HILL
- Cコース(3):COCONUTS BEACH - WHEAT FIELD - ALPS - BIG GATE - STONE HILL
- Cコース(4):COCONUTS BEACH - CLOUDY MOUNTAIN - ALPS - OLD CAPITAL - STONE HILL
- Cコース(5):COCONUTS BEACH - CLOUDY MOUNTAIN - ALPS - BIG GATE - STONE HILL
- Cコース(6):COCONUTS BEACH - CLOUDY MOUNTAIN - WALLS - BIG GATE - STONE HILL
- Dコース(1):COCONUTS BEACH - WHEAT FIELD - ALPS - BIG GATE - DUAL WAY
- Dコース(2):COCONUTS BEACH - CLOUDY MOUNTAIN - ALPS - BIG GATE - DUAL WAY
- Dコース(3):COCONUTS BEACH - CLOUDY MOUNTAIN - WALLS - BIG GATE - DUAL WAY
- Dコース(4):COCONUTS BEACH - CLOUDY MOUNTAIN - WALLS - SEASIDE TOWN - DUAL WAY
- Eコース:COCONUTS BEACH - CLOUDY MOUNTAIN - WALLS - SEASIDE TOWN - LAKE SIDE
[編集] 操作方法
- ハンドル(反動なし、コースアウト時に振動するのみ)
- アクセル(アナログ制御)
- ブレーキ(アナログ制御)
- シフトレバー(Lo/Hiの2速式。オートマ無し)
[編集] ギアガチャ
特定の条件でシフトレバーを激しく操作するとテスタロッサの後輪から白煙がのぼり、その間はスピードが落ちないというテクニックが知られた。(ギアガチャとか煙出しと呼ばれる) この方法を採ると、通常では減速してしまう路側ですらそのまま通行できるため、極めて早いゴールインが可能となった。
実際はタイミング良くシフトレバーを2,3回前後させればできるのだが、その事実を知らない人が多かったことに加え、知っていてもタイミングを合わせるのがそれなりに難しいこともあって、多くの人がガチャガチャと何度も激しく操作して機械を傷めてしまうことがあったためか、ギアガチャ行為が禁止されていたゲームセンターもあった。また、これはいわゆる裏技であるためゲームの本質とかけ離れているのではないかという批判もあった。
- ギアガチャ発動手順
- Highギアで走行中、ギアを素早くLow-Highと切り替えると、テスタロッサの後輪が約2秒間、ホイールスピンを起こして白煙を上げる。この間、路肩に出ても車速が落ちることはない。
- 更にこの白煙が出ている間に外側のタイヤを路肩に落とし、もう一度素早くギアをLow-Highと切り替えると、そこから約7秒間白煙が出たままとなり、この間はどこを走っても車速は固定されたままとなる。これを利用して大胆なショートカットを行う走法をギアガチャと呼ぶ。
- 但し白煙が出ている間に障害物や敵車に当たって速度が落ちると、この7秒間は速度が回復しないので注意が必要。
- 急なコーナーで後輪から既に白煙が出ている状態のとき、路肩にはみ出す瞬間にギアをLow-Highと切り替えることで、即7秒間の速度固定状態を作り出す「一発ギアガチャ」といった応用テクニックも存在する。
[編集] 変わった遊び方など
- ゼロクリア
- 各コースのゴールラインは明示されていない。これを活かし、残り時間が0になる直前にゴールラインを踏むようにする。当然ながら、踏めなければ失格。
- 分岐地点の隠しメッセージ
- 分岐地点でスタートボタンをタイミングよく押すと、Yu Suzukiという文字が表示される。
- スタート地点で発進しない
- スタート地点でアクセルを踏まず、止まったままでいると、画面左側でチェッカーフラッグを振っているキャラクターが、画面奥を指差し「早く行け」というジェスチャーでプレイヤー車のスタートを促す。チェッカーフラッグの動作と何度か交互に繰り返し、数十秒経つと、怒って背中を向けてしまう。
[編集] BGMに関して
ゲーム中のBGM(ゲームミュージック) はレース開始前に「MAGICAL SOUND SHOWER」、「SPLASH WAVE」、「PASSING BREEZE」の3曲から選択できる。カーラジオを模した表示画面で曲を選ぶという仕組みは、自動車を運転するという行為をよりリアルに感じさせるものであった。
ゲームオーバー後、名前入れの時に流れる甘くて少し切なげなバラードの曲名は「Last Wave」である。 特に、名前入れ終了後アトラクトモードに移ってもこの曲が鳴り続け、レースを終えた余韻に浸ることができた。
BGMの楽譜はマイコンBASICマガジンに掲載されたりサントラLPに付属していたため、パソコンに打ち込んでみたり、実際の楽器で演奏したりと、充分に楽しむことができたが、著作権の取り扱いが過敏になった今日ではこのようなことは全く行われない。そこが当時のゲームメーカーの「粋」な部分であり、この点も人気を維持した要素といえよう。また、セガ関係者で結成された伝説のゲームミュージックバンドS.S.T.BANDによってアレンジ曲のCDもリリースされている。
なお、「PASSING BREEZE」の最初のタイトルは「PASSING WIND」であったが、これは「おなら」を意味する言葉と後でわかり変更を余儀なくされたというエピソードが存在する。
[編集] 続編に関して
続編に「ターボアウトラン」、最大8人で競争できる「アウトランナーズ」が登場した。「ターボアウトラン」は、フェラーリ F40に自車が変更になり、シフトレバーに付いているターボスイッチ(旧アウトラン筐体からのコンバージョンの場合はスタートボタン)を押すと、一定時間急加速できるようになったのが特徴。他にもライバル車の存在や、中間地点でのパーツ交換によるパワーアップ(ハイグリップタイヤ、ハイパワーエンジン、スペシャルターボを選択可)などの新要素がある。しかし、旧アウトランの特徴であったルート分岐はなくなってしまった。
「アウトランナーズ」はこのシリーズで初めて対人対戦と、性能の違う複数の車から自車の選択が可能になり、ルート分岐も復活。難易度を下げて楽しみやすい作品として好評だったが、「ターボアウトラン」「アウトランナーズ」ともに、初代のように強烈かつ長期間のヒットを生み出すまでには至らなかった。
2003年、正統続編として「アウトラン2」が発表された。17年という非常に長い時を経て登場した正当続編だが、フェラーリから正式にライセンスを取得して堂々と実名を使用するなどその仕上がりを見るとセガの開発陣がこの時代を待ち続けて、その途中で多数のドライブゲームをリリースすることで様々な技術を蓄積したのだ、という思いを感じることができる。 コースの両脇にはフェラーリF1のスポンサーでもあるAMD、オリンパス、ボーダフォンとブリヂストンの看板が多数現れる。美麗な風景描写と3D処理技術の充実にあたり両者が大きく貢献した証である。
アウトラン2では、2003年らしくアレンジされた「MAGICAL SOUND SHOWER」、「SPLASH WAVE」、「PASSING BREEZE」の3曲を聴くことができた(ほかに新しい4曲が含まれる)。2004年にはさらにコースを追加した「アウトラン2SP(スペシャルツアーズ)」が登場し、今度はこの3曲の原曲も選択できるようになった。(曲選択画面でビューチェンジボタンを押す事でこの`86年製作の3曲の他、「ターボアウトラン」の名曲「Rush a difficulty」など`89年製作の4曲も選択することが出来る)さらにモード選択時にビューチェンジボタンを押すとアウトラン2(アウトラン2SPではない)コースをアウトラン2SPのルールでプレイできる。
ルールは多様化され、原作同様に妨害する他車をかわしつつ、分岐点でコースを選びながら走ってタイムを競う「アウトランモード」、助手席に座る女性がいろいろなドライビングテクニックを要求し、それを満たすことでハートの数が増える「ハートアタックモード(蛇足ではあるが、「HeartAttack」とは英語で「心臓発作」を指すが、海外版でもこの呼称は変わらない)」、事前に走るコースを選定し、妨害車のないクリアな道路で純粋にタイムを競う「タイムアタックモード」および、複数台で競争する対戦プレイが楽しめる。
さらに、「アウトラン2SP」においては、「アウトランモード」と「ハートアタックモード」において、敵車の後ろに隠れるように走ると空気抵抗が減って最高速が上がる「スリップストリーム」と言った新要素の他、「アウトランモード」と「タイムアタックモード」に、設定されている15コース全てを走破するモードも加えられている。ただし、このモードは機器の設定により選択できない場合や、追加クレジットが必要な場合がある。
「アウトラン2SP」は、海外では同名での移植は行われていないが、「OutRun 2006 Coast 2 Coast」(海外Xbox、PS2、PSP、WinPC)にて単独モードとして収録されている。カーセレクトから始まるため、デモ画面などは移植されていない。 日本ではプレイステーション2版が2007年2月8日に発売された(当初は2006年冬に発売予定だった)。
2006年12月より、4台/8人同時プレイ可能な「アウトラン2SP SDX」が全国で稼働開始。大型の可動筐体は1台につき2人まで同時プレイ可能で、1台の筐体に2座のシートとハンドルが備わる。2人同時プレイを選択した場合には、接触などのミスやステージクリアのタイミングでドライバーが入れ替わるルールとなる。(1人プレイの場合は通常のSPと同様) また、2007年2月より2台/4人同時プレイ可能な「アウトラン2SP DX」も稼働開始予定。
[編集] 移植
他社制作/発売を含め、下記ハード、OSに対し移植されている。
- 家庭用ゲーム機
- セガ・マークIII
- 無理のある移植ではあるが、それなりにがんばって移植されている。FMサウンドユニット発売前に出たソフトであり、パッケージにも表示がない(対応ソフトには「FM」というマークが記載されていた)が、実はFM音源に隠し対応している。ただし、一部でFM音源固有の動作(音色切り替え等)はするが、基本的には「PSG版と同一演奏データを利用してFM音源で演奏」している様で、結果3音+1リズムトラック演奏という、FM音源ユニット本来の性能を考えると寂しい楽曲となってしまっている。
- メガドライブ
- かなり後になって移植されただけあってかなり良い出来。画面の色味やサウンドの音色など細部は違うが、好移植と言える。なお、ゲーム中のメインBGMに1曲新曲が追加されている。移植はシムスが担当した。
- PCエンジン
- グラフィックは綺麗だがキャラクターが小さい。アウトランの生命線とも言えるサウンド面が、音源の関係上音声面がやや寂しい。
- セガサターン
- 遂にアーケード版に遜色のない移植を実現。設定で国内バージョン・海外バージョンを選択できる上、隠しモードとして60fps(オリジナルのアーケード版は30fps)で描画するモードが用意されており、オリジナルを超えた完成度として話題に。またサウンド面でも、オリジナルに加えてゲーム中の3曲とネームエントリーの「LAST WAVE」の計4曲を、作曲者であるHiro氏自らがアレンジしたものを収録する。アーケード版の発表から10年目にして発売された本作品は、まさに初代アウトランの集大成とも言うべき内容となっている。なお、初期ロットには白いセガサターン本体では正常に動作しないバグがある。スペースハリアーも同様。
- ドリームキャスト
- 「シェンムーII」のミニゲーム及び書籍「鈴木裕ゲームワークスVOL.1」に収録。自車がテスタロッサではない赤い車になっている。また、BGMの音色がアーケード版とは違っている。
- プレイステーション2(セガエイジス2500シリーズVol.13)
- スプライトを駆使した疑似3Dドライブゲームであったアウトランを3Dポリゴンにてリメイク。自車がテスタロッサではない赤い車になっている。
- Xbox
- アウトラン2に隠しゲームとして収録。ミッションモードをすべてクリアすると出現する。
- セガ・マークIII
- 携帯型ゲーム機
- ゲームギア
- ゲームボーイアドバンス(日本未発売。セガ アーケード ギャラリーに収録)
- パソコン
- 携帯電話
[編集] 関連作品
- 続編
- コンシューマーオリジナル作品
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 公式
- 非公式
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