ウイニングイレブン
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ウイニングイレブンはコナミデジタルエンタテインメント(以下KDE-J)から発売されているサッカーゲームシリーズである。開発はKDE-J・ゲームソフトカンパニー[1]。実況は全シリーズを通してJ-WAVEのナビゲーターを務めていたタレントのジョン・カビラ。略称は「ウイイレ」。
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[編集] 概要
1994年11月11日にスーパーファミコンで発売された『実況ワールドサッカー PERFECT ELEVEN』が元祖。 プレイステーションにおいて、シリーズ第1作の『Jリーグ実況ウイニングイレブン』が1995年7月21日に発売された。その後、1996年3月15日に『ワールドサッカーウイニングイレブン』が発売されてからは、世界のクラブチームと世界各国の代表チームを中心にプレイできる「ワールドサッカーウイニングイレブン」と、Jリーグとアジアのクラブチームを中心にプレイできる「Jリーグウイニングイレブン」との2種類が発売されている。 初心者でも分かりやすい操作や、好きなクラブチームを自分で経営して、最強のチームを目指すという「マスターリーグモード」で人気を博している。ほぼ半年に一作のペースで新作が発売されており、2007年2月現在、「Jリーグウイニングイレブン10+ヨーロッパリーグ'06-'07 」まで発売されている。
「爽快感」を主眼に据え様々なプレーを簡単に操作・再現できるとあって、TVゲームを愛好するサッカーファンのみならず、本職のプロサッカー選手をも魅了している。
表紙ジャケットのイメージキャラクターには発売される国や地区によって異なるが、日本版では「ワールドサッカーウイニングイレブン6」でゴンこと中山雅史、「ワールドサッカーウイニングイレブン7」と「ワールドサッカーウイニングイレブン8」では前日本A代表監督ジーコ、「ワールドサッカーウイニングイレブン10」シリーズでは前日本代表監督ジーコと中村俊輔と、Jリーグと関係の深い選手などが起用されてきたが、最新作である「ワールドサッカーウイニングイレブンX」ではイタリアリーグであるセリエAのアドリアーノを起用している。
このシリーズは海外でも人気が高く、主にヨーロッパなどの海外のユーザーからは「サッカーのあまり上手くない日本人が、なぜこんなにおもしろいサッカーゲームを作れるんだ!?」と言った感嘆の声も上がっている。
[編集] 試合のシミュレータとしての役割
前述の特徴故か、プレイヤーは注目されている試合のシミュレーションを行う際に使用することもある。シミュレートする際は選手の各能力を詳細に分析し正確に入力した上で行う。この作業はゲーム内に登録されていない選手は勿論のこと、既存の選手にも及ぶことがある。能力を入力した後はCPU同士で試合をさせ、結果について議論の対象などにする。テレビ番組で放映する際はその模様を録画する。しかし、試合形式(実時間に合わせた設定かどうかなど)や放映された結果が出るまでに行った試合回数などは一切明かされない場合が多い。「ワールドサッカーウイニングイレブン10」(後述)は2006 FIFAワールドカップにおいて日本戦のシミュレーションを行うために、主にワイドショーで使用された。
[編集] シリーズ
[編集] プレイステーション
- Jリーグ 実況ウイニングイレブン
- ワールドサッカーウイニングイレブン
- Jリーグ 実況ウイニングイレブン'97
- ワールドサッカーウイニングイレブン'97
- ワールドサッカー実況ウイニングイレブン3
- ワールドサッカー実況ウイニングイレブン3ファイナル
- Jリーグ実況ウイニングイレブン'98-'99
- ワールドサッカー実況ウイニングイレブン4
- Jリーグ実況ウイニングイレブン2000
- ワールドサッカー実況ウイニングイレブン2000~U-23メダルへの挑戦~(
- Jリーグ実況ウイニングイレブン2000 2nd
- Jリーグ実況ウイニングイレブン2001
- ワールドサッカーウイニングイレブン2002
[編集] プレイステーション2
- ワールドサッカーウイニングイレブン5
- Jリーグウイニングイレブン5
- ワールドサッカーウイニングイレブン5 ファイナルエヴォリューション
- ワールドサッカーウイニングイレブン6
- Jリーグウイニングイレブン6
- ワールドサッカーウイニングイレブン6 ファイナルエヴォリューション
- ワールドサッカーウイニングイレブン7
- Jリーグウイニングイレブンタクティクス
- ワールドサッカーウイニングイレブン7 インターナショナル
- ワールドサッカーウイニングイレブン8
- Jリーグウイニングイレブン8 アジアチャンピオンシップ
- ヨーロピアンクラブサッカーウイニングイレブンタクティクス
- ワールドサッカーウイニングイレブン8 ライヴウエアエヴォリューション
- ワールドサッカーウイニングイレブン9
- Jリーグウイニングイレブン9 アジアチャンピオンシップ
- ワールドサッカーウイニングイレブン10
- Jリーグウイニングイレブン10+ヨーロッパリーグ'06-'07
[編集] プレイステーション3
- ワールドサッカーウイニングイレブンシリーズ(発売日未定)
[編集] プレイステーション・ポータブル
- ワールドサッカーウイニングイレブン9 ユビキタスエヴォリューション
- ワールドサッカーウイニングイレブン10 ユビキタスエヴォリューション
[編集] ニンテンドーゲームキューブ
- ワールドサッカーウイニングイレブン6 ファイナルエヴォリューション
[編集] ゲームボーイアドバンス
- ウイイレ
- Jリーグウイニングイレブンアドバンス2002
[編集] ニンテンドーDS
- ワールドサッカーウイニングイレブンDS
- ワールドサッカーウイニングイレブンDSニンテンドーDS Lite ジェットブラック同梱版
[編集] Xbox360
- ワールドサッカーウイニングイレブンX
[編集] アーケード
- ワールドサッカーウイニングイレブン アーケードスタイル
- ワールドサッカーウイニングイレブン アーケードスタイル 2003
- ワールドサッカーウイニングイレブン2006 アーケードチャンピオンシップ
- 『NOVAうさぎのゲームde留学!?』や『脳開発研究所 クルクルラボ』とよく似た筐体であり、操作パネルや基板を入れ替えてのコンバージョンが可能だと思われる。
- 操作系は、タッチパネル+ボタンと、プレイステーション2用コントローラー(筐体の差し込み口に、プライヤーが持参した物を接続する)のどちらかを選択できる。e-AMUSEMENT PASS(データ保存用のICカード)を使えば、コンシューマー版同様に、チームデータ、プレイ結果を保存できる。
[編集] 海外版
ウイニングイレブンシリーズは欧州、アジア、北米など、海外でも発売され好評を博している。ウイニングイレブンの欧州版に限っては、「Pro Evolution Soccer」という別タイトルで発売されており、PS2、PSP、Xbox、PCなどのそれぞれの機種に対応している。
[編集] 欧州版
- Pro Evolution Soccer
- Pro Evolution Soccer 2
- Pro Evolution Soccer 3(イメージキャクラター:ピエルルイジ・コッリーナ)
- Pro Evolution Soccer 4(イメージキャラクター:ティエリ・アンリ、フランチェスコ・トッティ)
- Pro Evolution Soccer 5(イメージキャラクター:ティエリ・アンリ、ジョン・テリーほか)
- Pro Evolution Soccer 6(イメージキャラクター:アドリアーノ、ジョン・テリーほか)
[編集] スタッフ
-
- 実況
- ジョン・カビラ(全シリーズ)
-
- ベンチレポーター
- 岩本輝雄
[編集] 問題点
前述した通り、名作として今なおサッカーファンを魅了する本作ではあるが、いくつかの問題点が指摘されている。
[編集] ライセンス
現在、ウイニングイレブンでは欧州の一部のリーグ(プレミアリーグ、ブンデスリーガなど)や南米の各リーグのライセンスを取得していない。そのため、ゲーム中でクラブチーム名、選手名などが通常の名称と異なっている場合がある。また、エレクトロニック・アーツがFIFAとの独占契約を結んでいるため、FIFAとの一括ライセンスも取得できず、「ワールドカップ」などの名称も使用出来ない。
ゲーム中では実況のジョン・カビラ氏が偽名で表記されたクラブチーム名、選手名を呼名する。こうした事に対してユーザーの不満は絶えない。しかし、ゲーム中ではクラブチームや選手名、選手の容姿なども設定・変更が出来る仕組みになっており、この機能を利用してユーザーはクラブチーム名、フラッグ、エンブレムデザイン、選手名、選手の容姿等の各データを各自で修正(実名化)することができる。
選手によってはクラブチームでライセンスを取得しているがナショナルチームでは取得していない(またはその逆)ため、同じ能力を持ちながら双方で名前が異なる選手もいる。
[編集] コナミエフェクト
ウイニングイレブンではプレイヤーとコンピュータとの差を埋めるためにコナミエフェクトと呼ばれる物が存在する。ただし、この呼び方は2chなどで呼ばれるようになったもので正式名称ではない。 コナミエフェクトとは、主にプレイヤーのコントローラ操作を無視したり、コンピュータチームの選手の能力を極端に上げたり、ファールなど審判判定をコンピューター側に有利にさせるなど様々な不利をプレイヤーに与えるものである。コナミエフェクトの強さは難易度に比例するため、難易度を上げると「コナミエフェクトでプレイが制限されサッカーとしての質が下がる」、難易度を下げると「コンピュータのレベルが下がりゲームとして 手応えがない」と上級プレイヤーになるほどジレンマに襲われる。
もちろん難易度調整のために、コンピュータ側が設定された能力以上の動きをしたり、コンピュータ側に有利な判定が行われるのは従来のゲームでも珍しいことではない。しかし、通常は気のせいと思える程度にとどめるもので、本作品ほどあからさまに行われることは極めて稀である。またコントローラ操作の無視というのも他に類を見ない。
こうした現象から、「明らかにおかしい」と国内外を問わず上級プレイヤーから多くの反発を買っているが、コナミ側がコナミエフェクトの存在を否定しているため、さらに反発を招いてしまっている。
主なコナミエフェクトは次の通りである。
- ファールの取り方が、COMに偏っている。
- プレイヤーのコントローラの操作を取り消す。
このため、一部のユーザではクソゲーとして評価するものも少なくない。
[編集] 関連項目
※ウイニングイレブンがプレイステーション系ハードを中心に発売されていたのに対し、下記のシリーズは任天堂ハードを中心に発売されていた。
- 実況ワールドサッカー
- 実況Jリーグパーフェクトストライカー
[編集] 脚注
- ^ 以前はコナミの子会社・コナミコンピュータエンタテインメント東京(KCET)が開発を担当していたが、2005年4月にコナミグループの再編が行われ、KCETはコナミに吸収合併された。(その後、コナミは持株会社化に伴い、ゲーム事業部門を子会社であるKDE-Jに委譲した)