ウルトラマン物語
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『ウルトラマン物語』(ウルトラマンストーリー)は、1984年製作の映画。
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[編集] 概要
本作より前に製作されたウルトラシリーズの劇場版は、日タイ合作の『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』を除けば、テレビシリーズの一話をそのまま上映するか、テレビシリーズを再編集してつなぎ合わせるものであったが、本作は半分以上が新撮影シーンで、ウルトラマンタロウが両親であるウルトラの母とウルトラの父の教えを受けて少年(地球人で言えば10歳程度)から青年へと成長する過程を描いた、劇場版オリジナルの物語となった。テレビシリーズからの流用シーンは、タロウの成長の合間に起こる事件としてや、タロウが研究のために見る歴代ウルトラ戦士の戦いとして使われている(その中にはテレビシリーズではタロウよりも後に放送されたウルトラマンレオやウルトラマン80の戦いもある(※タロウはレオ、80より年上である)。一見テレビシリーズとはパラレルの世界観と思われがちだが、過去のテレビシリーズを流用・再編集する都合上そうなっただけで、大筋はTVと同じキャラ設定で、登場もゾフィーは別格としても、初代マン・セブン・新マン・エース・タロウ・レオ・80と兄弟がそれぞれ地球で戦うシーンが登場する順番はテレビシリーズの設定のままである。
なおこの作品以降、2006年のテレビシリーズウルトラマンメビウスの放映および劇場版ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟の製作まで海外作品やオリジナルビデオ作品のウルトラマンネオスを除き、円谷プロは昭和テレビシリーズに関連した「M78星雲光の国」、「ウルトラ兄弟」という設定を封印することとなった。(詳細はウルトラ兄弟を参照のこと)
本作でウルトラマンタロウの声を演じた石丸博也、ウルトラの母の声を演じた池田昌子は後のテレビシリーズ、劇場版のウルトラマンメビウスで登場するタロウとウルトラの母の声を演じている。
[編集] 登場怪獣
映画オリジナルの怪獣のみ挙げる。
[編集] 宇宙の帝王 ジュダ
- 身長:60メートル
- 体重:3万2千トン
宇宙の歪みから生れた悪魔。5万年前にウルトラの父によって封印された。別シリーズ『アンドロメロス』からのゲスト出演だが、設定上は別人と思われる。本作では、地球を襲ったヒッポリト星人やバルタン星人 エンマーゴはジュダの手下という設定になっている。宇宙の歪みは消し去る事ができないため、数万年ごとの彼の復活は避けられないが、ウルトラマン達が何世代にもわたって封印し続けている。
[編集] 超合体怪獣 グランドキング
- 身長:70メートル
- 体重:21万5千トン
ジュダの力によって、宇宙に漂う怪獣の悪霊が集結して誕生した怪獣。そのボディのパーツは角がゴモラで尾はツインテールだと言われているが、過去のウルトラシリーズで登場した合体怪獣(タイラントなど)のように明確に合体したパーツが判断できる形状ではない。全身が金属質の装甲に覆われているため、むしろロボット怪獣との印象が強い。当初はタイラントのような一瞥でわかる合体怪獣の予定であり、他にキングザウルス三世の角、アストロモンスの花(チグリスフラワー)、シルバーブルーメの花も付く予定であった。
飛行形態では足首が逆転しており、空間戦闘もこなすが本領は格闘で、その巨体はウルトラ五兄弟をよせつけなかった。腹部に無数の光の明滅があり、活動中は常に明滅している。惑星フェラントとその宙域でウルトラ兄弟と対決する。かなり優勢に闘いを進め五兄弟を追い詰めるが、ウルトラ兄弟の力を与えられたスーパーウルトラマンタロウのコスモミラクル光線を浴びて大爆発を起こし、消滅した。
[編集] 小型怪獣 ドックン
- 身長:27メートル
- 体重:1万トン
ウルトラの星に住むおとなしい怪獣(ただし、怒ると強い)。少年時代のウルトラマンタロウと出逢い、特訓相手になる。
[編集] 声の出演
- ウルトラマンタロウ:石丸博也
- ウルトラマンタロウ(少年時代):野沢雅子
- ウルトラの父:石田太郎
- ウルトラの母:池田昌子
- ナレーター:金内吉男
- ゾフィー:津田喬
- ウルトラマン:堀内賢雄
- ウルトラセブン:松田重治
- ウルトラマンジャック:小室正幸
- ウルトラマンエース:佐藤弘
- ジュダ:和田啓
[編集] スタッフ
- 監督:高野宏一
- 製作:円谷皐
- プロデューサー:円谷皐、宇川清隆
- 脚本:平野靖士
- 構成:藤島浩一郎、金田益美
- 企画:円谷皐
- 撮影:山本武
- 音楽:円谷音楽出版
- 音楽プロデューサー:玉川静
- 編集:浦岡敬一
- 照明:牛場賢二