ウルトラの父
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ウルトラの父(ウルトラのちち)は、ウルトラシリーズに登場するキャラクター。特撮テレビ番組『ウルトラマンA』で初登場。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 特徴
宇宙警備隊の大隊長。年齢は16万歳。ウルトラの母[1]とは夫婦関係にあり、ウルトラマンAの養父かつウルトラマンタロウの実父。ウルトラセブンは義理の甥である。ウルトラマンなどの他のウルトラ兄弟とは実の親子関係は無いが、その偉大さや人柄から、実の父のように慕われている。
頭の角・ウルトラホーンはウルトラの父の家系のみに伝わるもので、宇宙の情報をキャッチするアンテナの役目を果たしており、14万年かけて現在の長さになった。また、髭はウルトラ族の中でも4万歳以上の者にしか生えず、登場しているウルトラ戦士で生やしているのは彼とウルトラマンキングのみである。
『ウルトラマンA』第27話で、ヒッポリト星人によってブロンズ像にされたウルトラ5兄弟の救出に現れたのが初登場である。この時、ヒッポリト星人と戦って圧倒したが、長旅の疲労により敗北、Aに後を託して倒れた[2]。その後第38話で復活し、サンタクロースの姿で地球に現れる。[3]また、『ウルトラマン80』第38話において、空に映るイメージ[4]として登場、80を励ました。
その後のテレビシリーズは“光の国”とは無関係な世界観を採用したこともあり長らく登場の機会が無かったが、2006年、『ウルトラマンメビウス』では主人公・メビウスを地球へ送り出す宇宙警備隊大隊長として久々にその雄姿を現す[5]。第37話では地球に降臨し、ジャシュラインに黄金にされたメビウスを助けた。[6]
なお、本来の役職「大隊長」と呼ばれるのはメビウス以降であり、それまでは「お父さん」などと呼ばれていた。
[編集] 登場作品
- 『ウルトラマンA』(1972年)- 第27話、第38話
- 『ウルトラマンタロウ』(1973年)- 第39話、第40話、第51話
- 『ウルトラマンレオ』(1974年)- 第39話
- 『ウルトラマン怪獣大決戦』(1979年)
- 『ウルトラマン80』(1980年)- 第38話
- 『ウルトラマン物語』(1984年)
- 『ウルトラマン超闘士激伝』(1996年)
- 『新世紀ウルトラマン伝説』(2002年)
- 『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』(2003年)
- 『ウルトラマンメビウス』(2006年) - 第1話、第27話、第29話、第37話、第49話、第50話
[編集] 人間体
- サンタクロース(演:玉川伊佐男)
[編集] 声の出演
[編集] ウルトラの父のデータ
- 身長:45メートル
- 体重:5万トン
- 年齢:16万歳
- 飛行速度:マッハ15
- 走行速度:時速1000キロ
- 水中速度:200ノット
- ジャンプ力:500メートル
- パンチ力:直径100キロの小惑星も砕く。
- キック力:ジャンプキックは原子爆弾10発分の威力。
[編集] 能力
- ファザーショット
- 両手をL字型に組んで放つ光線。ナマハゲを倒した他、ジャシュラインのブーメランを破壊した。
- 別名でファザー光線ともいう。コミックボンボンで連載していた『ウルトラマン超闘志激伝』4巻でメフィラス大魔王に使用。
- クレッセントショット
- 手先から発射する三日月状光弾。ヒッポリト星人にダメージを与えた。
- ウルトラシャワー
- 両手先を合わせて水を噴射する技。火を消す他、ヒッポリト星人のヒッポリトタールを洗い流すことも可能。
- エネルギービーム
- 右手から放つ回復光線。『ウルトラマンA』38話で使用。
- パワービーム
- 父の角から放射されるエネルギー光線。映画『ウルトラマン物語』で、ウルトラマンタロウの角にエネルギーを集める特訓の際に使用した。5万年前にジュダが現れた際、父自身も自分の父親(タロウの祖父)から同じ特訓を受けていたと言う。
- ファザーバリヤー
- キングザウルス三世のカーテン状バリヤーを再現したもの。映画『ウルトラマン物語』で、タロウの特訓のために使用した。
- 炎(名称不明)
- 念力で相手の足元に炎を発生させる。映画『ウルトラマン物語』で、タロウの特訓のために使用した。
- テレパシー光線(名称不明)
- 映画『ウルトラマン物語』で使用した技。頭から光線を放ち、幼少時のタロウの心にミクラスとエレキングの戦いを映し出した。
- エネルギー光線(名称不明)
- 『ウルトラマンメビウス』の第37話にてカラータイマーから放たれた光線。黄金像にされたメビウスの壊れかけたカラータイマーを直し、同時にメビウスを復活させた。
- タイマーシュート(本編未使用)
- カラータイマーから発射する光線。
- ビッグ光線(本編未使用)
- ゾフィーのM87光線によって塗り替えられる以前に光の国公認世界記録である80万度を記録していた光線。
カラータイマーを外して投げると、仲間のウルトラマンを回復させる事ができるが、自分は死んでしまう。長旅による疲労でヒッポリト星人に苦戦した父は、まだ動けないAに自分のカラータイマーを投げ、回復させて倒れた。この際、ウルトラの父はカラータイマーを外したにもかかわらず萎まずにそのままの状態で倒れていた。最終回でゼットンにカラータイマーを破壊されたウルトラマンもそのままの状態であった。だが、ドロボンにカラータイマーを奪われた帰ってきたウルトラマンは萎んでしまった。この点は謎である。
[編集] 武器
- ウルトラアレイ
- 腰のウルトラバックルに隠された鉄アレイ形の武器。特殊な閃光を発する。ヒッポリト星人戦では一時的に動きを止める程度であったが、ジャシュライン戦では、敵の光線ゴールジャシュラーを弾き返し、さらに額のランプを一撃で破壊する威力を発揮した。また、ウルトラマンメビウスを送り出す際にメビウスブレスを装備させるためにも使用している。おそらく、相手をひるませる能力と相手の特殊能力を無くす働きの2つがある。メビウスにエネルギーを与えた。
- ウルトラフェザー
- 投げつけて敵に突き刺す羽根形の武器。刺さると同時にショック波を放ち、敵を粉砕する。『ウルトラマンタロウ』第51話で、首を切り落とされても一晩で再生する不死身怪獣リンドンを完全に倒した。
- ウルトラクラウン
- 『ウルトラマンタロウ』第51話で使用した、花の冠のような道具。生命エネルギーを発生させて死んだ人間を生き返らせた。
- ウルティメイトブレード
- 3万年前のエンペラ星人との戦いで使用した剣。『ウルトラマンメビウス』第49話の回想シーンで登場。
- ウルトラキー
- 本来は武器ではなく、光の国のエネルギーをコントロールする鍵である。光の国の第2ウルトラタワーに隠されていて、これを失うとウルトラの星は闇に包まれ、軌道を外れて宇宙をさまよう。また光線銃としても使用可能で、小惑星を粉砕できるほどの威力を備えている。ウルトラセブンは子供の頃、ウルトラの父がキーを使って光の国に接近した悪魔の星デモス一等星を粉砕したのを見たと言う(ダンの回想シーンで登場)。
[編集] その他
- ウルトラの父のデザインは『ウルトラマンA』の放映開始後に一般から公募し、その最優秀作品が採用されている(予告編で原画が紹介された)。ウルトラの父初登場の回は抽選によるスクリーン公開も行われ、大好評を博し、ウルトラの父登場はウルトラ史上類を見ないビッグイベントとなった。
- 『ウルトラマンA』第27話で初登場時のスーツはゾフィーのスーツを改造して作られたものと思われる(ゾフィーの腹部にある線が薄くではあるが確認できる)。
- 『ウルトラマンタロウ』第51話登場時、手袋の色が銀色であった。同作第52話にて登場したウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)の手袋とブーツの色が赤色であったため、それと取り違えたものと思われる。
[編集] 脚注
- ^ 光の国で繰り広げられた戦争において、エンペラ星人(エンペラー星人)率いる怪獣軍団を撃退し、負傷したところをウルトラの母と出会い、その看護を受けたことをキッカケとして恋愛関係になり結婚したとされている。
- ^ 映画『ウルトラマン物語』では、「タロウの角にエネルギーを集める特訓でエネルギーを使い過ぎたために敗北した」となっている。
- ^ 劇中終盤で「なにせわしは魂だけ」と語っており完全に復活したのではなかったようである。
- ^ ウルトラの国からテレパシーで80に語りかけているとも、ウルトラの父の教えを過去に受けた80の心象表現とも解釈できる。
- ^ 劇中、父はメビウスに帰還命令を下し代わりにタロウを地球に派遣したことがあるが、これは第27話での古傷の痛みを何かしらの脅威の予兆と感じた父がそれに対抗する力をつけさせるために発したものである。
- ^ 過去にウルトラの父が地球に来た時期が主にクリスマス前後だったため、これを記念して街では「ウルトラの父降臨祭」が開かれている。