エマーム・ホメイニー国際空港
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エマーム・ホメイニー国際空港( - こくさいくうこう, ペルシア語 فرودگاه بینالمللی امام خمینی Forūdgāh-e Beinol-melalī-ye Emām Khomeinī)はイランの首都、テヘランの南約30kmにある国際空港である。現在市域内となってしまっているメーラバド国際空港を代替する目的で建設された。当初はアフマーダーバード空港の呼称であったが、1979年のイラン・イスラーム革命の指導者であるルーホッラー・ホメイニー(イランではエマームの称号を冠される)の名が採られた。
エマーム・ホメイニー国際空港 | |||
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IATA:IKA - ICAO:OIIE | |||
概略 | |||
空港種別 | 民間 | ||
Operating Agency | Civil Government | ||
Alternate name | AHMADABAD | ||
海抜 | 3305ft (1007 m) | ||
位置 | 北緯35度24分58.00秒東経51度09分08.00秒 | ||
滑走路 | |||
方向 | 全長 | 表面 | |
ILS | m×幅 | ||
11R/29L | NO | 3,646×45 | 舗装 |
11L/29R | YES | 4,198×45 | 舗装 |
目次 |
[編集] 歴史
空港の建設は1979年のイラン・イスラーム革命以前から行われており、ダラス・フォートワース国際空港を範にとって設計された。当初の設計は合衆国の設計コンソーシアムTAMSの手になるものである。さらに空港の設計・建設・管理を一括して行う地元の合弁事業体TAMS-AFAが設立された。
しかしながら、イラン・イスラーム革命の勃発により計画は凍結。その後、政府はイランの技術ノウハウによる建設を決定し、地元の設計者・技術者をフランスのADPが主導する形で進められたものの、この契約も2年後に破棄。公共企業連合たる被抑圧者財団(M&J財団)に引き継がれる。メイン・ターミナルは被抑圧者財団によって落成された。さらにこの時点でイラン民間航空機構の決定により、第2ターミナル建設および全体の管理はトルコ・オーストリアのコンソーシアムTAVに引き継れた。
当初の開港予定は2004年2月1日(「10夜の夜明け」=革命記念旬間の初日)が予定された。しかしイラン石油省との協定調印の不調による新空港への燃料供給懸念など問題が山積、開港は同年5月8日まで遅延した。さらに開港を目前にして地元航空会社2社が新空港への移転を拒否する事態が出来した。経済紙「ハヤーテ・ノウ」は半官半民の航空会社イラン・アーセマーン航空の社長アリー・アーベドザーデの「私たちは外国人の運営する空港からは飛ばさない」という言葉を引いている。
5月7日、当局はTAVに空港からの機材・人員の引揚を命令、運営はイラン航空に委ねられた。これについても後を受けた空港支配人ホセイン・ピールーズィーは「TAV関係者はまだ空港運営を行っているとの報告であった。全員が金曜日までに空港から立ち去っていたにもかかわらず、である。私は軍から虚偽の報告を与えられたのだと考えている」と発言している。
5月8日にエマーム・ホメイニー国際空港は開港した。しかし、数時間もたたないうちに、空港運営における外国人の関与と、それによる航空保安上の懸念を理由として革命防衛隊の手で閉鎖されてしまった。結局、着陸が許可されたのはドバイからのエミレーツ航空の第一便のみで、続く同じドバイからのイラン航空便は新空港が閉鎖されていたうえにメヘラーバード国際空港への着陸も許可されず、エスファハーン国際空港への目的地変更を余儀なくされ、残余の便はすべて着陸空港をメヘラーバードへと変更されたのである。5月11日、トルコ外務省のユギュル・ズィヤル次官はイランのキャマール・ハッラーズィー外相と会談、この件に関するイラン軍の活動に懸念を表明した。
5月13日、新空港は再開された。革命防衛隊の幕僚代理としてアリー・アフシャール准将は「外国企業はすでに空港運営から離れており、保安上の懸念はすでに解消した」と発言。一方、TAV側は論争解決のために2週間の退去で合意したものの、TAVが第1ターミナル運営を行うというイラン政府との署名協定書がいまだに効力を持つと信じる、と述べている。
さらに問題をややこしくしたのが、2005年4月29日に英国およびカナダが発出した両国市民への空港利用に関する警告である。警告では、エマーム・ホメイニー空港の滑走路が以前のガナート(地下水路)上に建設されており、安全性に懸念があるとした。イラン当局はこれについて、同空港は国際民間航空機関による調査・認証を経ており、安全上の問題はないとの反論を行っている。
[編集] 就航航空会社・路線
- アリアナ・アフガン航空(カブール)
- アルマヴィア航空(エレバン)
- アゼルバイジャン航空 (バクー)
- エミレーツ航空 (ドバイ)
- ガルフ航空 (バーレーン)
- イラン航空 (バクー、ダッカ、ドバイ、カラチ)
- イラク航空 (バグダッド)
- イラン・アーセマーン航空 (ドバイ)
- クウェート航空 (クウェート)
- マーハーン航空 (バーミンガム、ドバイ、デュッセルドルフ、マンチェスター、デリー)
- カタール航空 (ドーハ)
- サウジアラビア航空 (ジッダ、マディーナ)
- シリア・アラブ航空 (ダマスカス)
- ロイヤル・ヨルダン航空 (アンマン: 6月就航予定)
2006年夏にさらに多くの航空会社がメーラバド国際空港から移転の予定である。
[編集] 航空管制
GND | 121.6MHz,121.825MHz |
TWR | 118.7MHz |
ATIS | 127.2MHz |
[編集] 航空保安無線施設
局名 | 種類 | 周波数 | 識別信号 | 空港からの設置距離 |
IMAM KHOMEINI | VOR | 114.3MHz | IKA | 1.3マイル |
IMAM KHOMEINI | DME | IKA | 1.3マイル |
[編集] 外部リンク
- http://www.ikia.ir/(ペルシャ語)
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