ジラース
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ジラースは、特撮テレビドラマ『ウルトラマン』に登場する架空の怪獣。別名:エリ巻恐竜。『レッドマン』にもアトラクション用着ぐるみのものが登場。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ウルトラマンに登場したジラース
『ウルトラマン』第10話「謎の恐竜基地」(1966年9月18日放送)に登場。
- 身長:45メートル
- 体重:2万トン
ジラースは元々ネス湖にいた恐竜の生き残りである。しかし、モンスター博士(二階堂教授)によって日本に運ばれ、北山湖で密かに飼育されているうちに体質が変化していき、最終的に怪獣化してしまった。普段は湖の底に潜み、餌を与えられる夜にのみ姿を現していたが、釣り人が魚を大量に獲ろうと撒いたカーバイトに刺激され、姿を現した。外見上の大きな特徴は首の周りにある大きな襟巻きである。また、体質変化にともない、口から熱線を吐けるようになった。ウルトラマンに戦闘を挑むものの、やはりウルトラマンには敵わず自慢の襟巻きをもぎ取られてしまう。スペインの闘牛に於けるマタドールの赤い布の如く襟巻きをひらつかせるウルトラマンへ突進してはかわされ、最後はすれ違いざまのウルトラ霞斬りで急所を衝かれ倒された。ウルトラマンは戦闘中に「シュワッハッハッハ…」と笑ったりはしたものの、相手に弔意を表したのであろうか、最後は襟巻きを亡骸の元の位置に戻していた。
- ジラースの名前の由来は、『ゴジラの親父さん』と親しまれた円谷英二監督に敬意を表し、脚本家金城哲夫が、沖縄方言で『次郎父さん』を意味する『ジラ-スー(次郎主)』と絡めて名付けられたものである。
- 釣り人の一人を演じたのは前作『ウルトラQ』でレギュラー戸川一平役だった西條康彦。ホテルのボーイ役でウルトラマンのスーツアクター古谷敏も出演。
- 今回の決め技となった「ウルトラ霞斬り」は、白土三平の劇画『カムイ伝』の主人公カムイが使う得意技「変移抜刀霞斬り(へんいばっとうかすみぎり)」にヒントを得たと思われるが、放映当時には特に技の呼称はなく後付である。
[編集] ゴジラとの関係
有名な話だが、このジラースの着ぐるみはゴジラの着ぐるみを改造したものである。皮膚の色も目立った変更がなく、背びれが若干黄色っぽい程度のためにゴジラのイメージが強く残り、そのため「エリマキゴジラ」とも呼ばれる。
なぜゴジラの着ぐるみを利用したかというと、ウルトラマンシリーズでは毎回怪獣を登場させるため、その都度新しい怪獣を考え、着ぐるみを作らなければならなかった。当然、時間も費用もかかり、収録に追い着かないこともあったらしい。ある日、スタッフが保管されていたゴジラの着ぐるみを見て東宝側と交渉したことから、条件付きではあったが、ゴジラ改めジラースが誕生することとなった。
ちなみに、頭部は『怪獣大戦争』のゴジラ、体は『モスラ対ゴジラ』のゴジラのものを使用している。ただし、ウルトラQのゴメスから部品を取り外しゴジラ(モスゴジ)の体に戻されたらしい、頭部は劣化していたらしく、型から新たに成型したともいわれている。それを示すかのように瞳の虹彩がオレンジ色でありゴジラと異なる色である。襟巻きをウルトラマンにもがれた後の姿はゴジラそのものであり、さながら「ウルトラマンVSゴジラ」という日本特撮界を代表する2大スターによる夢の対決が実現したとも言える。なお、スーツアクターを担当したのもゴジラと同様に中島春雄である。
[編集] レッドマンに登場したジラース
『レッドマン』第13話、第15話、第16話、第61話、第70話、第75話、第100話、第103話、第106話、第110話に登場。
- 第13話:バルタン星人と、レッドマンを挟み撃ちにしようとするが避けられ激突し倒れた。
- 第15話:単身でレッドマンと戦うが、レッドアローで倒された。
- 第16話:バルタン星人に操られレッドマンと戦うが、巴なげで倒された。
- 第61話:単身でレッドマンと戦うが、レッドキックで倒された。
- 第70話:エレキングに加勢しレッドマンと戦うが、レッドアローを刺されて倒された。
- 第75話:イカルス星人とともにレッドマンと戦うが、レッドナイフを刺されて倒された。
- 第100話:レッドキラーとともにレッドマンと戦うが、レッドキックで倒された。
- 第103話:グドンとともにレッドマンと戦うが、レッドフォールで倒された。
- 第106話でグドン、レッドキラー、ペギラとともにレッドマンと戦うが、レッドアローで倒された。
- 第110話:グドンとともにレッドマンと戦うが、レッドナイフで倒された。