ジーザス・クライスト・スーパースター
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ジーザス・クライスト・スーパースター (Jesus Christ Superstar) は、ティム・ライス作詞 アンドリュー・ロイド・ウェバー作曲の聖書を題材にイエス・キリストの最後の7日間を描いたロックオペラである。ブロードウェイ初演は1971年。
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[編集] 概要
まず、ジーザス・クライスト・スーパースターは1969年にシングル『Superstar』がリリースされ、ストーリー性をもった作品として世に送りだされた。翌1970年に2枚組のLPレコードがリリースされて大ヒットし(1971年ビルボード年間アルバムチャートで一位を記録)、1971年のブロードウェイの舞台化に繋がった。
ひとりの人間として神や民衆の狭間で苦悩するイエスの姿を、ユダの視線を交えながら描いた作品。全編に渡って台詞は無く、全て音楽と歌のみでストーリーが進行するロックオペラであり、そのラディカルな演出と芸術性が高く評価され、興行的にも大成功を収めた。アンドリュー・ロイド・ウェバーをメジャーなミュージカル作家に押し上げた出世作にして、ブロードウェイ・デビュー作。またこの作品には、敬虔なクリスチャンやキリスト教原理主義者などからは「聖書に忠実ではない」という批判もある。
[編集] 各地の公演
様々な言語に翻訳され、フランス、カナダ、オーストラリア、ハンガリー、チェコ、ロシアなど世界約30ヶ国で上演されている。2006年9月からは"Farewell Tour"と銘打ち、テッド・ニーリー(映画版でイエス・キリストを演じた)とコリー・グローヴァー主演による北米ツアーが行われている。
[編集] ブロードウェイ公演
キャスト 出演者は1971年の初演版 / 1977年 / 2000年の再演版の順である。
- 年譜
- 1971年10月12日~06月30日 全711公演 - マーク・ヘリンジャー劇場 (現タイムズ・スクウェア・チャーチ)
- 1977年11月23日~1978年02月12日 全96公演 - ロングエイカー劇場
- 2000年04月16日~09月03日 全161公演 - フォード・センター劇場 (現ヒルトンシアター)
[編集] ロンドン・イギリス公演
キャスト 出演者は1972年のロンドン初演版 / 1996年再演版 / 1998年 / 2001年のUKツアー版の順である。
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- イエス・キリスト - Paul Nicholas/ Steve Balsamo / Lee Rhodes /Arvid Larsen
- イスカリオテのユダ - Stephen Tate / Zubin Varla / Ben Goddard / Mark O'Malley
- マグダラのマリア - Dana Gillespie / Johanna Ampil / Golda Rosheuval / Cat Simmons
- ピラト総督 - John Parker / David Burt / Fred Johanson / Chris Howard
- カヤパ - George Harris / Peter Gallagher / David Durham / David Durham
- 年譜
- 1972年08月09日~1978年10月03日 パレス劇場
- 1996年11月19日~1998年03月28日 ライシアム劇場
- 1998年08月18日~1999年02月27日 ツアープロダクション
- 2001年10月23日~2001年11月17日 ツアープロダクション
[編集] 日本での公演
日本では劇団四季によって1973年に「ロックオペラ イエス・キリスト=スーパースター」が初演された。この作品は、後に四季が次々と送り出した輸入ミュージカルとは異なり、浅利慶太のオリジナル演出によるもので、曲目以外の演出には原作とは大きく異なるところがある (タイトルが微妙に違うのはそのため)。イエス役で主役デビューした鹿賀丈史はこの作品で絶賛され、一躍四季のトップスターになった。なお四季では、1976年にはこれを発展させた「ジーザス・クライスト=スーパースター エルサレム版」を、1987年にはさらに自由な演出をほどこした「ジーザス・クライスト=スーパースター ジャポネスク版」を製作している。
[編集] 映画版
1973年にユニバーサル・ピクチャーズにより映画化された。一部の宗教団体から批判はあったものの、ブロードウェイのオリジナルキャストを揃えたこの作品への評価は高く、第31回ゴールデングローブ賞作品賞にノミネートされた。監督はノーマン・ジュイソン。日本での公開は1973年12月15日(リバイバル上映1984年)。
[編集] スタッフ
- 監督 - ノーマン・ジュイソン (Norman Jewison)
- 撮影 - ダグラス・スローカム (Douglas Slocombe)
- 作曲 - アンドリュー・ロイド・ウェバー (Andrew Lloyd Webber)
- 指揮 - アンドレ・プレヴィン (Andre Previn)
- 字幕翻訳 - 高瀬鎮夫
[編集] キャスト
- イエス・キリスト - テッド・ニーリー (Ted Neeley)
- イスカリオテのユダ - カール・アンダーソン (Carl Anderson)
- マグダラのマリア - イボンヌ・エリマン (Yvonne Elliman)
- ピラト総督 - バリー・デネン (Barry Dennen)
- カヤパ - ボブ・ビンガム (Bob Bingham)
[編集] 補足
- 本作品は聖書の舞台であるイスラエルで撮影された。主なロケ地は死海、イスラエル北部ベイト・シェアン (Beit Shean) 及び、イスラエル中部ベイト・グブリン国立公園内のベルケイブ (Beit Guvrin National Park Bell cave) [1]である。
- 1973年の映画版は空にF-4 ファントム戦闘機が飛び交うシーンなどもあるが、キャラクターの衣装やセットはキリストの時代を思わせるようなものになっていた。しかしアンドリュー・ロイド・ウェバーは舞台版のようなもっと現代的な作品にしたいと考えており、そのためこの作品ひどく嫌っていた。後に彼自身がプロデューサーとなって製作した映画版『オペラ座の怪人』は、台詞や歌詞の一字一句から設定や演出の細部に至るまで、舞台版とまったく同じに作られている。
- 2000年にはリメイク版として、現代のニューヨークを舞台にしたゲイル・エドワーズ監督によるビデオ作品も発表されている。主演はグレン・カーターとジェローム・プラドン。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Farewell Tour Website (英語)
- Jesus Christ Superstar (1973) (IMDb)
- Jesus Christ Superstar (2000) (IMDb)
- 劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター」 - 配役、プログラムなど。
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