スタンド・アローン・コンプレックス
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スタンド・アローン・コンプレックス (Stand Alone Complex) とはアニメ『攻殻機動隊』において登場する社会現象。
[編集] 概要
作中における電脳技術という新たな情報ネットワークにより、独立した個人が、結果的に集団的な振る舞いを見せる社会現象を言う。孤立した個人(スタンドアローン)でありながらも全体として集団的な行動(コンプレックス)をとることからこう呼ばれる。これは個人の無意識が電脳を介してネットを通じ不特定多数と接触することにより、ゆるやかな全体の総意が形成され、またその全体の総意が個人を規定するために発生する現象である。
時にはある事件において実質的な真犯人が存在しない状態が、全体の総意において架空の犯人像を生み出し、一部の人々がその架空の犯人像の模倣者(模倣犯)がその総意を強化・達成するような行動を見せるという社会現象が起こる。『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の作中で笑い男事件の6年後、複数の笑い男の模倣者による警視総監の暗殺未遂事件、また『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 2nd GIG』の中国大使館占拠事件がその一例と考えられる。(この事件では犯人たちは自らを個別主義者と名乗っているが、その行動、動機、思考は極めて暗殺未遂事件での模倣者と類似している)
[編集] 作中での描写
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』第26話「公安9課、再び STAND ALONE COMPLEX」において、草薙素子は「笑い男事件」を巡る諸事件を「スタンドアローンコンプレックス」と評した。これは、アオイの「あなただったら,あの現象をどう名付けますか」という問いに答えてのもの。
「笑い男事件」では,真の意味での「笑い男のオリジナル」はセラノゲノミクス社に脅迫メールを送付した人物であるが、事件発生以後、アオイが「笑い男のオリジナル」と目されていた。また、警視総監連続暗殺未遂事件では、暗殺未遂を起こした者(但し、ナナオ・Aのウイルスに感染していない者)ならびにナナオ・Aが意識的にあるいは無意識的に「笑い男」を自称・演じており、最終的には草薙素子も「笑い男」を演じた。なお、アオイが直接関与したのは、「アーネスト瀬良野氏の誘拐」と「インターセプター不正使用についての記者会見中でのハッキング」のみであり、そのほかの件については関与していない。セラノゲノミクスを含めたマイクロマシンメーカーに対する脅迫は,全て「笑い男」を演じた企業テロ。
アオイはこの現象について、以下の発言を行っている。作中での本現象についての直接的な説明は以下の発言に限られる。(いずれも『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の第26話「公安9課、再び STAND ALONE COMPLEX」より引用)
- 「全ての情報は共有し並列化した時点で単一性を喪失し、動機なき他者の無意識に、或いは動機ある他者の意思に内包される」
- これは本現象の特徴を説明している。高度に組織化された情報ネットによって全ての情報があらゆる人に同時的かつ同様の内容で共通認識をもたらすことは、情報がある特定の対象にのみ作用する性質を失わせ、事態を傍観する人々の無意識に蓄積され、また事態に対して行動する人々の意思や行動理由を強化する、という特徴を述べていると思われる。
- 「僕は、僕だけがたまたま知りえた情報の確認と伝播を僕自身の使命と錯覚し奔走した」
- 「そして僕は消滅する媒介者となった。あたかも新作を発表しないことで、その存在を誇張されてしまう作家のように。つまりそれは、消滅することによって社会システムの動態を規定する媒体であり、最終的にはシステムの内側にも外側にも、その痕跡をとどめない」(フレドリック・ジェイムスンと大澤真幸からの引用とされる)
- 「言葉では知っていても、実際に目の当たりにするまでは信じられなかった。オリジナルの不在がオリジナルなきコピーを作り出してしまうなんて」
『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』では、中国大使館で「個別の十一人」なるテログループが引き起こした人質事件の後、「個別の11人」を名乗る者たちによるテロが発生した。全く接点が無いにも関わらず、全員が個々の動機・判断に基づいてテロ活動を行うという集合的な行動をとっており、笑い男事件との比較がなされた。実際には内閣情報庁戦略影響調査会代表補佐官、合田一人が「笑い男事件」に着想を得てパトリック・シルベストル著『初期革命評論集』の存在しない第11篇『個別の十一人』に偽装したウイルスを作成・配布していた。また、クゼ・ヒデオと接触した人物やクゼの電脳に接続していた難民は、クゼの考える革命の論理に同調し実践しようとしていた(クゼは教唆していない)。