スポーツ報知
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スポーツ報知(スポーツほうち)は、報知新聞社、読売新聞中部支社及びスポーツ報知西部本社の発行するスポーツ新聞である。
1990年以後、「スポーツ報知」の題号を用いてより一層スポーツ紙としてのカラーを打ち出すようになったが、明治時代以来慣れ親しんだ「報知新聞(ほうちしんぶん)」の呼称を用い続けている愛読者も少なくはない。
読売グループのスポーツ紙であることから、読売ジャイアンツ(巨人)の情報に強く、巨人関連の報道は他のスポーツ紙より情報量が多いことから、全国の巨人ファンから「ジャイアンツの機関紙」と呼ばれている。巨人が勝った翌日は、1~3面が巨人関連ニュースになる他、巨人の選手のコメントもキメ細かく掲載している。しかし、最近は巨人関連の報道が中心のスポーツ紙としての役割は希薄な状態で、現在は松井秀喜やイチローなど日本人選手の活躍が目立つMLBや、国内外のサッカーの報道にも力を入れている。 現在NTTドコモの携帯電話端末において、格闘技サイト「バトル三昧」の運営も行っている。
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[編集] 沿革
- ※スポーツ紙になる以前の報知新聞については報知新聞の項を参照。
- 1949年12月30日 - 一般紙であった報知新聞の経営難により、読売新聞系スポーツ紙となる。
- 1964年 - 大阪本社より関西版発行。
- 1970年 - 北海道支社(現・北海道総局)で現地印刷開始。
- 1979年 - 中部読売新聞社(88年6月から読売新聞中部本社→2002年7月から中部支社)より「報知スポーツ」創刊。
- 1990年 - スポーツ紙移行40周年を記念して東京、大阪、北海道版の題号を「スポーツ報知」と変更。(旧来の報知新聞の題号も併用しているが、現在は日付掲載部分=概ね1面左上と、2ページ目以後の各ページの「第三種郵便物認可」のクレジットの横に小さく載せている程度。名古屋はスポーツ報知の表示のみ)東京新社屋が東京・港区港南に完成。
- 1996年 - 中部版の題号を「スポーツ報知」に変更。
- 1998年 - 九州版がスポーツ報知西部本社(北九州市→2004年から福岡市)より創刊。
[編集] 発行所
- ※報知新聞社・所在地の項も参照されたい
- 報知新聞社
- 東京本社(対象・東北、関東、甲信越、静岡県、石川県、富山県)
- 北海道総局(同・北海道)
- 大阪本社(同・近畿〔三重県伊賀地域含む〕、福井県、中国〔島根県石見地域と山口県を除く〕、四国)
- 読売新聞中部支社(対象・中京〔三重県伊賀地域除く〕) 下記参照)
- スポーツ報知西部本社(対象・九州〔沖縄県除く〕、山口県、島根県石見地域 下記参照)
[編集] スポーツ報知西部本社
1997年11月、今までスポーツ報知が発行されていなかった九州・山口地方の発行を目的に、読売新聞西部本社(当時は株式会社よみうりが運営)が子会社として「株式会社スポーツ報知西部本社」を設立。1998年3月からスポーツ報知を福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、山口県、島根県(石見地方)に向けて発行。スポーツ報知は1998年以前まで九州(山口県以西)では発行されていなかったが、九州版の発行でスポーツニッポン、日刊スポーツに続いて全国をカバーするスポーツ新聞となった(沖縄県では発行されていないが、沖縄では東京版が空輸によってコンビニで販売されている)。なお、九州地区の読売新聞販売店(YC)では、九州スポーツ(東京スポーツの九州版)をスポーツ報知が九州に進出する前から扱っている。
[編集] 報知スポーツ(中部版)
報知スポーツとは、1979年に中部読売新聞社(現読売中部支社)が当時の報知新聞の中部版として発刊したスポーツ新聞。1996年に他の地域と同じスポーツ報知と題号を変更した。ただし、他地域が報知新聞の題号を紙面に併記しているのに対し、中部地域のものはスポーツ報知の題号のみ(1面の日付の下の小題字も他地域が緑地の「報知新聞」であるのに対し、中部版は「スポーツ報知」のロゴで掲出。各面の「第三種郵便物認可」のクレジットの横には「報知新聞」と表記されているが中部版は表記無し)である。1部売りは中部版のみ100円(他地域は130円)。
- ※なお、三重県地方はその多くは中部版で伊賀、熊野・東紀州地方は大阪版を採用しているが、報知に関しては伊賀地方のみが大阪版、熊野・東紀州を含むその他の地域は中部版となる。
[編集] 備考
- スポーツ報知の紙面は、公営競技面、テレビ欄や一部の記事などを除いて東京で紙面製作(大阪版の1面は、2001年ごろまで大阪本社が独自に製作していたが、現在は中央競馬の重賞レースの記事を除いて殆どが東京製作)。中央競馬面は、東京版と大阪版で内容が異なる。中部版と九州版の中央競馬面は、大阪版と共有している。なお、理由は定かではないが、競馬面において「芝」をわざわざ「芝生」と書き改めていた。これは、記者記事のみならず、騎手など関係者コメントでも書き改めていた。現在は「芝」になっている。
- 1面の見出しは当初は朱色を使用していたが、1983年ごろから緑色を使用し「グリーン報知」という愛称が付けられた。但し、中部版・報知スポーツ(~1996年まで)に関しては他本社が緑色を採用してもしばらくは従前の朱色の見出しが使われていたが、現在は他本社同様緑色ベースとなっている。また1面や最終面などに使われるカラー写真の紙面、並びにダブル1面(最終面のニュース掲載)も中部版での導入は遅かった。
- Jリーグ発足当初(~1993年まで)、読売グループではJリーグ在籍のヴェルディ川崎(当時)については「読売ヴェルディ」と本拠地の川崎市のクレジットを乗せないで表示していたが、スポーツ報知ではJリーグの指導によるホームタウン自治体名(市区町村)+愛称での表記に準ずる形で「読売ヴェルディ川崎」とクレジットしていた。
- その他横浜マリノスを「日産横浜マリノス」、横浜フリューゲルスを「AS横浜フリューゲルス」、浦和レッズは「三菱浦和レッズ」と親会社の企業名も加えて表示(1992年のナビスコ杯はガンバ大阪を「パナソニック・ガンバ大阪」として紹介)していたが、企業名排除の原則から1994年以後他の読売グループメディアと同様に自治体名+愛称でのクレジットに改める。
- 九州版のスポーツ報知のラテ欄には2種類ある。まずは一部を除いてのスタンド売り用はページの3分の2がアダルトで残りの欄に、NHK4波とWOWOW、福岡民放5波(福岡放送、九州朝日放送、RKB毎日放送、テレビ西日本、TVQ九州放送)の番組が掲載されている。また、「このページはスタンド即売用のページです。宅配用はテレビ欄に変わります」と言う旨のメッセージがある。一方宅配用(一部スタンド)はページの全面がラテ欄で通常サイズで、NHK2波と福岡民放5波、ハーフサイズでNHK衛星2波、WOWOW、山口民放3波(山口放送、テレビ山口、山口朝日放送)、大分民放3波(テレビ大分、大分放送、大分朝日放送)、山陰民放3波(日本海テレビ、山陰放送、山陰中央テレビ)、広島テレビ、NHK第1ラジオ、KBCラジオ、RKBラジオが掲載されている。元旦のスポーツ報知はどちらも宅配用で掲載される。
- 東北地区においては最終面を東北版(とうほく報知)としている。楽天イーグルスやベガルタ仙台、その他高校野球。大学野球など地元向けの話題が中心になっている。またごく稀に楽天や春夏の高校野球地方大会の話題が1面に出る場合もある。なお、東京版などで最終面(1面)に出ている記事は中面にカラーでそのまま掲載されている。
- 富山県、石川県においては中面で「とやま・いしかわ報知」としてスポーツ紙で唯一富山県、石川県に密着した記事を掲載している。(中日スポーツでも中部地方のスポーツ記事を掲載しているが、東海地方の話題が中心)高校野球などの話題があるときは最終面または1面を北陸関係の記事に差し替えることがある。もともと北陸地方では大阪版が販売されていたが、富山県と石川県については東京版を販売するようになった。中央競馬記事は東京版を使用しているが、その他の公営競技の記事は大阪版を使用している。
- 1989年頃に、前年に現役を引退したばかりの掛布雅之とジャイアンツOB・堀内恒夫が共演したCMが放送されていた。
- 関西地区においては、他のスポーツ新聞が主に阪神タイガースを1面にする中、唯一、主に巨人を1面にしている。なので、関西地区では売り上げは低い。また、喫茶店などで、他のスポーツ新聞を置いてても、スポーツ報知だけ置いてない場合がある。
- 東京本社版(北海道版含む)と九州版に関しては、2006年4月1日付から1面日付横にJANコード(バーコード)を表記することになった。日刊紙に於いてのJANコード表記は産経新聞と産経系列のフジサンケイ ビジネスアイに次いで3例目。大阪本社版ではJANコードが載る位置は広告枠に、中部版は『1部100円』の表記にそれぞれ差し替えている。
- 通常スポーツ新聞の芸能ニュースは敬称をつけないが、報知では芸能人の身内の訃報記事を伝える際には敬称をつけて報じている。
- テレビ各局の朝の情報番組で、スポーツ報知の記事を紹介する際、キャスターが愛称の「スポーツ報知」と呼んでいるが、大阪・ABCテレビの「おはようコールABC」では「報知新聞」と正式な題号で呼んでいる(字幕クレジットも『報知新聞』と表示)。
[編集] 外部リンク
- スポーツ報知
- 「ジャイアンツ&スポーツポッドキャスト」(アール・エフ・ラジオ日本との共同企画。スポーツ報知のコラム・エッセー記事を一部RFのアナウンサーが朗読)
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