スモーカー (ONE PIECE)
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スモーカーは、尾田栄一郎の漫画『ONE PIECE』およびアニメに登場する架空の人物。アニメでの声は松尾銀三→大場真人が担当。
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[編集] プロフィール
[編集] 人物
海軍将校で階級は、海軍本部大佐→海軍本部准将。
その名の通り、重度のヘビースモーカーである。葉巻は常に2本同時に吸い、ジャケットにはたくさんの葉巻がさされている。
非常に手強い海兵であり、最初に登場したときは、あっさりとルフィを捕らえてしまった。しかし、ワンピース世界の多くの海軍将校とは異なり、「絶対的正義」を盲信することはなく、むしろ己の信念に基づいて行動する人物である。そのため、アラバスタの動乱に際しては麦わら海賊団を自由に行動させたり、部下であるたしぎ曹長に現場指揮権を与えたりもしている。海賊が嫌いな彼は世界政府公認の海賊である七武海を嫌っている。
いかつい容姿とは裏腹に、なかなか心優しい紳士で、親切な男でもある。部下であるたしぎにさりげない優しさを見せることもしばしばある。 レインベースで、ルフィの命令でロロノア・ゾロによって命を救われた際は、一味に借りを感じ、一時彼らを追うことを断念してもいる為、ルフィからは意外に好かれている。
組織の論理に従わない人物であるため、海軍上層部からは厄介者扱いされているが、34歳という若さで本部准将まで、上り詰めているので、彼の実力が海軍にとって不可欠なものであり、認められているのも確かである。海軍では、ヒナ大佐と同期である。また、大将青キジが「スモーカーのばか」と発言していることから、彼が直属の上官である可能性もありうる。
[編集] 作中での活躍
[編集] 登場以前
作中登場以前の彼については語るものは多くはないが、少なくとも黒檻のヒナと同期で海軍に入ったことは確かである。また、作中の言動から、ゴールド・ロジャーの処刑に直接立ち会った節が見受けられる(アニメでは少年時代の彼がロジャーの処刑を目の当たりにした描写がある)。ロジャーが処刑直前に見せた堂々たる雄姿と笑みが、スモーカーに強烈な印象を与えたことは確かである。
やがて、海軍本部ローグタウン派出所勤務となる。麦わら海賊団がローグタウンを抜け出すまでは、町から海賊を逃がしたことはなく、スモーカーの赴任以来、町で悪党が幅をきかせることはなかった。
[編集] ローグタウン編
ローグタウンでルフィがバギーやアルビダと再会した際、そこを一網打尽にすべく登場したのが、スモーカー大佐であった。彼は海賊達を捕らえるべく、すばやく部隊を指揮したが、突然の雷によってルフィは脱出に成功する。ルフィの死に際の笑顔に、かつてのロジャーに近いものを感じ、強烈な印象を受けたスモーカーは、バギー・アルビダ海賊団を一網打尽にすると、ルフィ一味を追った。
圧倒的な力でルフィを捕らえたスモーカーだが、革命家ドラゴンと突然の突風により一味を逃がしてしまう。町から一度も海賊を逃したことのない彼にとって、これは屈辱であり、麦わら海賊団を追うべく独断でグランドラインに入ることを決める。
[編集] アラバスタ編
偉大なる航路に入ったスモーカーの部隊は、黒電伝虫でサンジとクロコダイルの会話の盗聴に成功する。いくつかのキーワードと、先立ってルネスで捕らえていたMr.11からの情報から、部隊は舵をアラバスタ王国に向けることを決める。
麦わら海賊団を追ってアラバスタ入りしたスモーカーは、港町ナノハナで白ひげ海賊団2番隊隊長、ポートガス・D・エースと遭遇する。さらにその場にルフィも乱入するが、エースの妨害によって、ルフィ一味を捕らえることには失敗する。さらに、能力者であるエースとの勝負にも引き分けに終わった。
その後、カジノの街・レインベースで再びルフィ達と遭遇するが、彼らと共にクロコダイルに捕らえられてしまい、一連の騒動の裏にクロコダイルとバロック・ワークスがいることを知る。尚、そこで、ルフィ達とビビの接触を間近で見る。レインベースを脱出した彼は、麦わら海賊団を追うことを一時断念し、部隊を部下のたしぎ曹長に任せ、自身は海軍本部に応援を請いに向かった。作中には描かれていないが、アルバーナの決戦が行われていた時期、彼はヒナの部隊と共にバロック・ワークスの人工降雨船、フール号の拿捕に関っていた様である。
アラバスタの動乱が終結すると、クロコダイルの陰謀が海賊によって阻止されたと言う事実をもみ消したい政府と海軍上層部の意向により、スモーカーと彼の部隊は「クロコダイル討伐」の手柄を受けることとなった。結果、スモーカーは一階級の昇進と勲章の授与が言い渡される。プライドの高い彼はこれを拒否したが、最終的にはたしぎと共に一階級ずつ昇進している。
[編集] エニエス・ロビー編以後
エニエス・ロビー編の終了後、スモーカーは久々に部下のたしぎと共に作中でその姿を見せた。そのシーンでは、スモーカーの部隊が、懸賞金5000万ベリーの海賊を打ち破ったまさに直後であり、それに際してそれほど苦戦した様子は見せず、本人も「ぬるい」「ハリのねぇ日々」と言っている。
アラバスタの一件後、組織である海軍で我を通すことに限界を感じた彼は、今の自分に足りないものが「地位」であることに気付く。「准将」への昇進を受け入れた彼は、3億ベリーに跳ね上がったルフィの手配書を確認し、新世界で麦わら海賊団を叩き潰すことを決意する。
[編集] 能力と技
[編集] モクモクの実
スモーカーは、ロギア系の悪魔の実である「モクモクの実」を口にしている。これにより、彼は体の一部、あるいは全体を自由に煙状に変化させることができる。さらに、煙の質を軟らかくすることで敵を覆い捕らえたり、堅くすることで相手を殴りつけたりもできる。
他のロギア系との相性は不明だが、「メラメラの実」能力者エースと対峙した際には、勝負はつかなかった。
また、煙の中で敵味方を判別するためか彼は聴覚に優れ、レインディナーズでは檻の鍵を呑んだバナナワニを唸り声で判別している(もっとも、これに関してはその少し前、飲食店で水を買いに来たルフィ達が隣席で騒いでいたのにしばらく気づかなかった点に疑問が残る)。
[編集] 攻撃技
- ホワイト・アウト
- 両手を煙に変え、敵を捕まえる技。一度に大量の目標を捉えることができる。ルフィもこれに捕まった。
- ホワイト・ブロー
- 拳を煙状に変え、相手を殴りつける技。腕ごと煙状に変化させれば、遠くの敵を攻撃することも可能。見た目には、ロケットパンチに近い。
- ホワイトスネーク
- 腕を蛇型の煙に変え、相手を捕らえる技。
- 白蔓(ホワイト・バイン)
- 体全体をつる状の煙に変え、一気に上空まで上昇する技。そのまま相手を捕らえることも可能だが、ルフィはゴムゴムの風船で脱出した。
[編集] 武器
スモーカーは、モクモクの実の能力以外に、巨大な十手を武器として使用する。この十手の先端には「海楼石」が仕込まれており、能力者との戦いにおいて威力を発揮する。実際に、アラバスタ、レインベースでルフィに対しこの十手を使用し、彼を無力化させてもいる。
普段は、スモーカーが羽織る厚手のジャケットに背中からかけられており、先端が自分自身に当たらないようになっている。エニエス・ロビー編以降の姿では、十手専用のベルトを上半身に巻き、そこにさしている様子も伺える。
[編集] ビローアバイク
スモーカー専用のビークルに、ビローアバイクがある。これは、彼のモクモクの実の能力を動力として動く大型の3輪車である。水陸両用であり、作者も「いつか本格的に活躍させたい」と言っている。
[編集] その他
- 当初、アニメでは松尾銀三が声優を担当していたが、2001年8月25日、松尾がクモ膜下出血により突然帰らぬ人となったため、以後(エピソード95以降)は大場真人による声に変わった。
- 読者による人気投票では、第2回が12位、第3回が14位であった。麦わら海賊団メンバーによって首位が占められている状況においては、だいぶ健闘していると言えるだろう。
[編集] 関連項目
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作品内容: | 漫画 | アニメ | 倒せ!海賊ギャンザック | 麦わら劇場 - ワンピース時代劇 |
劇場版作品: | 第1作 - 第2作 - 第3作 - 第4作 - 第5作 - 第6作 - 第7作 - 第8作 |
用語: | 用語一覧 | 悪魔の実 - ゴーイングメリー号 |
人物地理・年表: | 人物一覧 | アラバスタ王国 - 空島 - ウォーターセブン | 作品中の年表 |
世界政府: | 海軍 - CP | スモーカー - ジャンゴ - コビー - モーガン |
海賊: | 海賊 - BW | バギー - クロ - はっちゃん - クリーク - エース |
麦わら海賊団: | ルフィ - ゾロ - ナミ - ウソップ - サンジ - チョッパー - ロビン - フランキー |
その他 | CROSS EPOCH - ROMANCE DAWN - 尾田栄一郎 |