スーパーX
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スーパーX(スーパーエックス)は、映画『ゴジラ』でゴジラが新宿に上陸した時に登場した陸上自衛隊所属の架空の戦闘機である。デザインのモデルはカブトガニ。元々は、首都攻撃を受けた際、首都防衛の為に自衛隊が極秘に開発したもの。
なお、その後の『ゴジラvsビオランテ』ではスーパーX2(スーパーエックスツー)、『ゴジラvsデストロイア』ではスーパーX3(スーパーエックススリー)が登場している。
スーパーX2、X3共に防衛庁特殊戦略作戦室室長の黒木翔特佐が陣頭指揮を執った。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] スーパーX(『ゴジラ (1984)』)
陸上自衛隊幕僚幹部付実験航空隊首都防衛隊所属。正式名称は「首都防衛移動要塞T-1号」である。元々は有事(核戦争?)の際の首都防衛を目的に開発され、「首都防衛移動要塞」(劇中では「首都防衛戦闘機」と表記されていた)とも呼ばれる無翼VTOL機。装甲はチタン合金、集積回路にはプラチナを多量に使用しており、かなりの高熱に耐えられるようになっていたことから、1984年のゴジラ襲撃に際し、カドミウムを弾頭に装備したカドミウム弾を使ってゴジラの核反応を抑制する作戦の実施に当たった。機動性が非常に高く戦闘ヘリコプターの様に高層ビルの影から砲撃するなど当初は戦闘を有利に進め、カドミウム弾全発と引き替えに完全にゴジラを沈黙させる。しかし、ソ連の地上攻撃用核衛星が誤射した核ミサイルの影響による落雷でゴジラが復活するという不測の事態が発生したため、ゴジラと通常兵器(ロケット砲、レーザー砲など)のみで戦うことになる。総攻撃を仕掛けて健闘するも、ゴジラの熱線攻撃によって損傷、不時着した所でゴジラに倒された新宿住友ビルディングの下敷きにされてしまった。
- 全長:27.2メートル
- 全幅:20メートル
- 全高:11.2メートル
- 総重量:150トン
- 最高速度:時速200キロメートル
- 巡航速度:時速120キロメートル
- 乗員:6名(最大12名)
[編集] スーパーX2(『ゴジラvsビオランテ』)
スーパーXより一回り大きく、開発当初から対ゴジラ専用機として運用された無翼VTOL機(ただし、扱いは艦艇扱いになるので、実質上の「対ゴジラ戦艦」)。形式番号は「DAG-MBS-02 Super-XX」。前回のスーパーXの装甲に使用されたチタン合金の2倍の耐熱性を持つ超耐熱合金TA32が使用され、水深1000メートルまでの潜航が可能。防衛庁地下のオペレーションルームからリモートコントロールにより遠隔操作される。スーパーX2の操作は黒木翔特佐(高嶋政伸)以下「ヤングエリート」集団と称される特殊戦略作戦室が担当する。一番の目玉が、ゴジラの熱線を1万倍にして跳ね返す「ファイヤーミラー(自然にあるダイヤモンドよりも硬い合成ダイヤモンド製)」だが、TA32ほど耐熱性が高くない。ゴジラ迎撃時において、ファイヤーミラーを用いて首都・東京への侵攻阻止に成功する。しかし、続く防衛戦でゴジラに対してファイヤーミラーを何度も使用したために歪みが生じ、ミラーが溶け出したために一旦は撤退。その後、作戦目的が抗核エネルギーバクテリアをゴジラの体内に撃ち込むことに変更され、スーパーX2は囮となって地上部隊(作戦本隊)の潜むエリアまでゴジラをおびき寄せた。スーパーX2はミサイル、機関砲なども使って果敢に囮任務を果たしたが、大阪ビジネスパーク上空で完全な修復が間に合ってないファイヤーミラーでゴジラの熱線を受け止めたために撃墜されてしまった。この作戦でスーパーX2が失われ、地上部隊に犠牲者が出たが、抗核エネルギーバクテリアをゴジラの体内に打ち込むことには成功、この後のサンダービーム作戦へとつながっていく。このスーパーX2は、後の対ゴジラ超兵器(メカゴジラなどの)開発に多大なる影響を与え、その基礎となった。
- 全長:34メートル
- 全幅:16メートル
- 全高:11メートル
- 巡航速度:マッハ1
[編集] スーパーX3(『ゴジラvsデストロイア』)
この当時、ゴジラ対策はGフォースに任せていたので、このスーパーXは対ゴジラ兵器としてではなく、原発事故、または核攻撃を想定して作られた多目的大型戦闘機であった。有翼V/STOL機であり、その大きな特徴として超低温レーザーや冷凍ミサイルなどほとんどの装備が冷却兵器であることがあげられる。例外はカドミウム弾であるが、これもいわゆる攻撃火器ではなく、あくまでも核反応抑制のための装備である(大火災鎮火用途も検討されていた模様)。また、その装甲は人工ダイヤモンドでコーティングされており、ゴジラの熱線にも耐えられる強度を誇る。
作中ではゴジラが核爆発の危険があるために攻撃出来ない(通常の火器しかもっていないため)Gフォースに代わり、ゴジラの伊方発電所襲撃を阻止するために出撃。防衛庁特殊戦略作戦室長の黒木特佐(高嶋政宏)が搭乗し、直接指揮の下、周辺海面ごと氷付けにした上でカドミウム弾による核反応抑制をおこない、ゴジラを豊後水道で一度沈黙させる戦果を挙げた。その後も火器しかないためゴジラに対して有効な作戦を立てられないGフォースに代わり冷凍兵器を配備(超低温レーザータンクのほか、メーサー戦車には冷凍ミサイルポッドを装備)した陸上自衛隊が主戦力となったため、スーパーX3はその前線指揮を執ることになった。そしてゴジラとの戦いで空中に逃げたデストロイアにトドメを刺すとともに、ゴジラのメルトダウンも阻止してゴジラの最期を見届けた。スーパーX3の運用は、特殊戦略作戦室が担当。形式番号は「DAG-MBS-SX3」。
なお、シナリオや関連出版物等ではアラビア数字ではなくローマ数字での「III」表記となっている。
- 全長:38.5メートル
- 全幅:58.7メートル
- 全高:7.4メートル
- 総重量:220トン
- 速度:マッハ1.7
- 乗員:3名