ソフトテニス
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ソフトテニス(英:Soft Tennis)は、ゴム製のボールをネット越しにラケットで打ち合う球技である。かつては軟式庭球(なんしきていきゅう、慣例的に軟式テニス)と呼んでいたが、1992年に全面的なルール改定に合わせて改称した。まれに「ソフテ」や「ソフテニ」、旧名称をもって「軟庭(なんてい)」、あるいは「軟テ(なんて)」と略されることがある。
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[編集] 特徴
- ソフトテニスはすぐれたアスリート同士が技と力を競いあう高い競技性をもつ一方で、ラケットの重量がローンテニス(硬式テニス)よりも軽いこと、ボールが軽く反発力が低いことからひじなどへの身体的負担がローンテニスに比べて少ない。そのために子供から高齢者まで幅広い世代で愛好される生涯スポーツとしての側面を持っている。
- ゴム製のボールを使用することでうまれたカット打法には、ローンテニスでは得られないソフトテニス独特の変化と動きの妙がある。
[編集] 起源
ソフトテニス(軟式テニス)は、日本へテニス(硬式テニス)が紹介された当時(1875年頃)テニス用具の輸入が高価なため、体育伝習所(後の東京高等師範学校で、現在の筑波大学)の教授だった坪井玄道(つぼい げんどう、1852年1月29日 - 1922年11月2日)がドイツ製ゴムボールを代用して行うテニスを考案したのが起源と言われているが定かではない。
[編集] 世界に広がるソフトテニス(国際普及)
ソフトテニスといえば日本とアジアの一部というのが一般的見解だが、実際にはアジアだけでなく、全世界に積極的な普及活動がおこなわれている。 1955年に日本・韓国・台湾の三カ国によって「アジア軟式庭球連盟」が設立。同連盟により1956〜1973年に3カ国対抗によるアジア選手権を開催。1972年にはアメリカ合衆国に普及活動開始。1975年に国際軟式庭球連盟が創立される(創立時の加盟国 日本、韓国、中華民国(台湾)、アメリカ、ベネズエラ、ブラジル、香港)。同年、第一回世界選手権がアメリカ合衆国ハワイ州にて開催された。
1970年代後半には欧州およびアフリカ大陸(ザイール等)への普及活動がスタート。欧州への普及活動(ドイツ、イタリア、フランス、チェコ、ハンガリー、オーストリア等)は21世紀に入って成果を見せ始めた。現在は4年毎に開催される世界選手権も2003年で12回を数え、広島市で開催された第12回世界選手権には全大陸から30に及ぶの国と地域からの参加があった。
むろん韓国、台湾以外のアジア諸国への普及も加速度的に進んでおり、1998年には新生アジア選手権が名古屋で開催された。(この大会は1955年に始まった大会とは別のものである。旧アジア選手権は現在の世界選手権の前身といえる) 1994年よりアジア地区のオリンピックであるアジア競技大会(ASIAN GAMES)の正式種目(1990年北京大会には公開種目として参加)。
[編集] 現況
日本国内での愛好者数は500万人とも700万人ともいわれる。これは決して少ない数ではない。むしろ他のスポーツと比較しても極めて多い数字であるといえるが、全体のイメージがマイナーであることはどうしても否めない。さまざまな原因が考えられるが、まず大きいのはオリンピック種目ではないこと。国内にプロ選手が存在しないことがあげられるだろう。
[編集] ルール
1対1のシングルスと2対2のダブルスがある。
- 試合に先立ってトスを行い、選択権を得たプレイヤーはサーブ、レシーブ、又はサイドを選ぶ。
- サーバーはベースラインの外のセンターマーク(ベースラインの真ん中にある点)からサイドラインの間で相手コートの対角線上のサービスエリアでバウンドするようにボールを打つ。レシーバーはサーブされたボールを2回バウンドする前に相手コートに打ち返し、お互いにラリーを続ける。次のようなときに失点となる。
- サーブを二回フォルト(ミス)したとき
- サーブされたボールがバウンドする前にレシーバーが触れたとき
- 自分のコートでボールが連続2回バウンドしたとき
- 自分の打ったボールの1回目のバウンドが、相手のコート外だったとき
- ラケット以外の部位がボールに触れたとき
- 打ったボールが審判に命中したとき
- 相手コート内でボールに触れたとき
- ラケットを投げてボールに当てたとき
- ボールがネットにかかったとき
- 打つ前に体かラケットがネットに触れたとき
- 得点は、ゼロ、ワン、ツー・・・と数える。先に4点を取った方が1ゲームを取得する。ただし、ポイントが3-3になるとデュースとなり、その場合にゲームを得るには、相手に2点差をつける必要がある。デュースの後の数え方は、サーブ側がポイントを取るとアドバンテージサーバー、レシーブ側がポイントを取るとアドバンテージレシーバーとなる。
- 7ゲームマッチなら4ゲーム、9ゲームマッチなら5ゲーム先取すると勝ちとなる。ゲームカウントが3-3(7ゲームマッチ)あるいは4-4(9ゲームマッチ)になったときは、7ポイント先取のファイナルゲームを行う。ポイントが6-6の場合はデュースとなり、相手に2点差をつけると、そのマッチの勝者となる。つまり硬式テニスのタイブレークに相当するが、チェンジサイズの方法等に若干の違いがある。
シングルスは1993年より正式に導入された。このとき採用されたルールは硬式テニスのそれとはおおきく異なり、コートの半面を使用するというもの。発足当初から疑問の声があがっていたが、2003年の世界選手権よりルールが改訂。硬式テニスと同サイズで競技されることになった。ただネットの高さの規定は硬式テニスとは異なっている。簡単にいえば、硬式テニスにおいてはセンターが両サイドより低くなっているがソフトテニスでは同じ高さである。
[編集] 使用する用具とコート
- ラケット
- ラケットはシャフトが1本(シングルシャフト)のものと二股(ツインシャフト)のものがある。
- ボール
- 空気の入ったゴム製のボールを使用する。直径は6.6センチメートル、重さは30グラムか31グラム。
- コート
- コートのサーフェス(表面)は、クレー(土、含アンツーカー)、ハード(コンクリート、化学樹脂等)、砂入り人工芝、板張り等がある。コートの広さは硬式と同じ、縦23.77メートル、横10.97メートルで、中央に高さ106センチメートルのネットが張られている。
[編集] 経験者
学校体育の現場におけるソフトテニスの充実は特筆すべきものがある。とくにクラブ活動では常にトップクラスの人気をほこる。数々の有名人がソフトテニス部の出身者であることがそのことを裏付けている。
- コシノミチコ デザイナー 、大学(全日本学生選手権優勝)
- 柳葉敏郎 俳優
- 地井武男 俳優
- 天野ひろゆきキャイーン コメディアン
- 稲葉浩志-- B'Z-- ミュージシャン
- 上川隆也 俳優
- 田中美佐子 女優
- 中野良子 女優
- 東ちづる 女優
- 坂井真紀 女優
- 松田聖子 歌手
- YOU タレント
- 山田まりや タレント
- 上原さくら タレント
- スガシカオ シンガーソングライター
- 相沢礼子 ミス日本、中学校(群馬県2位)・高校(同県3位)
- 明石家さんま コメディアン
- 岡本綾 女優
- 小野真弓 女優、アイドル、中学校
- 葵 クラリオンガール、中学校(都大会出場、1996年高3)
- 小西真奈美 女優
- 松たか子 女優
- 沢口靖子 女優
- 菅原文太 俳優
- 白石美帆 タレント、高校(茨城県2位)
- 坂下千里子 タレント、中学校
- ベッキー タレント、女優、中学校
- 藤井恒久 NTVアナウンサー、中高国体強化選手
- 原史奈 グラビアアイドル
- 藤木直人 歌手、俳優
- 小林淳子 KNBアナウンサー
- 道重さゆみ モーニング娘(第6期)、中学校
- 石川梨華 モーニング娘、中学校(部長)
- 松浦亜弥 ハロー!プロジェクトメンバー、中学校(副部長)
- 里田まい ハロー!プロジェクトメンバー、カントリー娘。中学校、高校(ともに部長)。北海道2位(団体で全国大会出場)
- みうな ハロー!プロジェクトメンバー、カントリー娘。
- 増田明美 マラソンランナー、タレント。中学校。
- 古今亭八朝 落語
- 佐藤靖子 プロゴルファー
- ほっしゃん 芸人