タバスコ
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タバスコ(Tabasco、タバスコソース)は、アメリカ合衆国ルイジアナ州エイヴァリー島(Avery Island)に本社を置くマキルヘニー社(McIlhenny Company)が商標権を持つ辛味調味料の商品名である。
主な原材料はキダチトウガラシの一品種「タバスコペッパー」(Tabasco pepper, Capsicum frutescens var. tabasco)である。
[編集] 概要
外見は薄めたトマトソースに似た液体であり、ぴりっとした刺激的な辛さが特徴で、世界的にペッパーソースの代名詞となっている。ごく少量で強い刺激があることから調味料としての応用性が高く、様々な料理に活用される。
原材料は、タバスコペッパー、岩塩、穀物酢で、すり潰した唐辛子に塩、酢を加え、樽で長期熟成する。製造を開始した1868年以来基本的な製法は変わっていない。
近年では青唐辛子の一種であるハラペーニョを材料とした緑色のタバスコも製造されており、赤唐辛子を材料にしたものに比べてやや刺激が弱く甘味がある。姉妹品に、チポトレソース、ハバネロソース、ガーリックソース、スイート&スパイシーソースがある。緑色のタバスコ以外は、原材料にタバスコペッパーを含む。
日本では、卓上調味料としてピザやスパゲティなどに用いられることが多い。世界でタバスコをピザに振りかける習慣がある国は日本の他にフランス、ドイツ、オーストリア、ノルウェー、スロヴェニア、カナダ(特にオンタリオ州)など。日本人自身は違和感を抱かないが、イタリア人など奇妙な嗜好と受け取る国もある(あるイタリア人のシェフは、日本人がタバスコをイタリア料理に多用するのを見てタバスコは日本の調味料と誤解し、タバスコ味の「和風スパゲティ」を考案してしまった)。アメリカ合衆国でもピザに砕いた赤唐辛子をかけることはあるが、タバスコは稀である。アメリカ合衆国での主な使用法はステーキソースやバーベキューソース、マヨネーズなどの味付け、あるいはブラッディ・マリーの味付けなどである。
日本に入ってきたのは昭和20年代と言われる。プロレスラーのアントニオ猪木が経営していたアントンフーズ社が日本に持ち込んだと言われることもあるが、猪木は1943年生まれで会社を設立したのはタバスコの日本導入より後の事である。