ダートグレード競走
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ダートグレード競走(だーとぐれーどきょうそう)とは、ダート競走の活性化を図って1996年に日本中央競馬会 (JRA)、地方競馬全国協会 (NAR)、全国公営競馬主催者協議会(全主協)の3者によって発足された「ダートグレード競走格付け委員会」によって地方競馬や中央競馬のダート交流重賞競走に、GI~GIIIならびにJpnI~JpnIIIの格付けを行ったものである。
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[編集] 概要
1995年の開放元年(中央競馬と地方競馬の交流を参照)を受けて、中央競馬、地方競馬問わず、全国各地で中央地方指定交流競走が設けられ、多くの競走の中で、どの競走が重要視されるのかを格付けする必要が生じた。そこで1996年にJRA,NAR,全主協の3者によって「ダートグレード競走格付け委員会」を発足。1997年4月の競走よりダートグレードによる格付けが行われるようになった。
格付けは2006年まではGI,GII,GIIIが用いられてきたが、2007年に格付け表記の変更が行われ、国際グレードを持っている競走はGI,GII,GIIIで、それ以外の競走はJpnI,JpnII,JpnIIIで格付けられることとなった(競馬の競走格付け#パートI昇格に伴う平地競走の格付け表記の変更を参照)。なお、ダートグレード競走の名称はそのまま存続する。
ダートグレードの最大の特徴は、中央競馬、地方競馬の統一した格付けとなっており、中央競馬の格付けと同一の体系となっている(つまり、中央競馬で I に格付けられている競走はダートグレードでも I に格付けられている)。
中央競馬を含む北半球の競馬は、暦年制(1月を基点とする)で進められているのに対し、地方競馬が会計年度(4月を基点とする)によって行われているため、ダートグレードについては次のように格付けられる(以下の説明では、年は暦年制に従い、年度は会計年度に従って記述する)。
- 3月に、地方競馬の翌年度に当たる4月~12月のダートグレードの確定と翌年1月~3月までの暫定格付けを行う。中央競馬の競走については、この時点で未定なため、この年とほぼ同条件で競走が施行されるものとして格付けする。
- 11月に、翌年のダートグレードの暫定格付けを行う。地方競馬の競走については、この時点で未定なため、この年度とほぼ同条件で競走が施行されるものとして格付けする。
- 各主催者の競走実施計画が定まった段階でダートグレード競走格付け委員会を開催し、格付けを確定する。
なお、2006年現在、岐阜県競馬組合(笠松競馬場)、福山市(福山競馬場)、荒尾競馬組合(荒尾競馬場)の各主催者はダートグレード競走を施行していない。また、姫路競馬場、門別競馬場など、主催者が他場で施行しているが、ダートグレード競走の設定が無いという場所も存在する。
[編集] GIおよびJpnI競走
以下はGIおよびJpnIに指定されている競走。太字の競走は中央競馬で開催される競走。競走名の後に*がついている競走は国際格付けを得られたGI競走である。全て国際競走である。
競走名 | |
---|---|
1 | 川崎記念 |
2 | フェブラリーステークス* |
3 | かしわ記念 |
4 | 帝王賞 |
5 | ジャパンダートダービー |
6 | ダービーグランプリ |
7 | マイルチャンピオンシップ南部杯 |
8 | JBCスプリント |
9 | JBCクラシック |
10 | ジャパンカップダート* |
11 | 全日本2歳優駿 |
12 | 東京大賞典 |
[編集] GIIおよびJpnII競走
以下はGIIおよびJpnIIに指定されている競走。太字の競走は中央競馬で開催される競走。競走名の後に*がついている競走は国際格付けを得られたGII競走である。全て国際競走である。
競走名 | |
---|---|
1 | エンプレス杯 |
2 | ダイオライト記念 |
3 | 兵庫チャンピオンシップ |
4 | 東海ステークス* |
5 | 関東オークス |
6 | ブリーダーズゴールドカップ |
7 | 日本テレビ盃 |
8 | 東京盃 |
9 | 浦和記念 |
10 | 兵庫ジュニアグランプリ |
11 | 名古屋グランプリ |
[編集] GIIIおよびJpnIII競走
以下はGIIIおよびJpnIIIに指定されている競走。太字の競走は中央競馬で開催される競走。競走名の後に*がついている競走は国際格付けを得られたGIII競走である。全て国際競走である。
競走名 | |
---|---|
1 | ガーネットステークス* |
2 | TCK女王盃 |
3 | 平安ステークス* |
4 | 根岸ステークス* |
5 | 佐賀記念 |
6 | 名古屋大賞典 |
7 | 黒船賞 |
8 | マーチステークス* |
9 | マリーンカップ |
10 | アンタレスステークス* |
11 | かきつばた記念 |
12 | さきたま杯 |
13 | ユニコーンステークス |
14 | 北海道スプリントカップ |
15 | スパーキングレディーカップ |
16 | プロキオンステークス* |
17 | マーキュリーカップ |
18 | クラスターカップ |
19 | サマーチャンピオン |
20 | エルムステークス |
21 | シリウスステークス* |
22 | 白山大賞典 |
23 | エーデルワイス賞 |
24 | 北海道2歳優駿 |
25 | 武蔵野ステークス* |
26 | クイーン賞 |
27 | 兵庫ゴールドトロフィー |
[編集] 格付け外・廃止となったダートグレード競走
※以下はレース自体は存続しているが統一グレード競走でなくなった、または、競馬場廃止やレース自体が廃止になったものの一覧。昨今の地方競馬低迷による賞金捻出の問題からのレース見直しによる非交流競走への変更などが理由となっている。この項はレース名の五十音順に掲載。
- オグリキャップ記念(笠松競馬場)- 2005年以降、中央競馬との交流競走ではなくなった。
- グランシャリオカップ(旭川競馬場)- 2004年以降、同競走が開催されていない。
- 群馬記念(高崎競馬場)-2004年の高崎競馬の廃止により、同競走も廃止。
- さくらんぼ記念(上山競馬場)-2003年の上山競馬の廃止により、同競走も廃止。
- サラブレッドチャレンジカップ(金沢競馬場)- 2005年以降、同競走が開催されていない。
- スーパーダートダービー(大井競馬場)- 1999年以降、中央競馬との交流競走でなくなり、2002年で廃止。
- 全日本サラブレッドカップ(笠松競馬場)- 2005年以降、中央競馬との交流競走ではなくなった。
- 朱鷺大賞典(新潟競馬場)- 2002年の新潟県競馬の廃止により、同競走も廃止。
- とちぎマロニエカップ(宇都宮競馬場)- 2005年の宇都宮競馬の廃止により、同競走も廃止。
- 名古屋優駿(名古屋競馬場)- 2005年以降、中央競馬との交流競走ではなくなった。
[編集] 関連項目
川崎記念 | フェブラリーステークス | かしわ記念 | 帝王賞
ジャパンダートダービー | ダービーグランプリ
マイルチャンピオンシップ南部杯 | JBCスプリント | JBCクラシック
ジャパンカップダート | 全日本2歳優駿 | 東京大賞典