エンプレス杯
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| エンプレス杯 | |
|---|---|
| 距離 | ダート2100m |
| 開催地 | 川崎競馬場 |
| グレード | （統一）JpnII |
| 条件 | 4歳以上牝馬・中央・地方選定馬 |
| 1着賞金 | 4,000万円 |
| 負担重量 | 4歳54、5歳以上55、GI勝2kg増、GII勝1kg増(2歳時除く) |
| 創設 | 1955年2月6日 |
エンプレス杯（えんぷれすはい）は、日本の神奈川県川崎競馬組合が川崎競馬場のダート2100mで施行する地方競馬の重賞（統一JpnII）競走である。名前の由来は英語で女帝や皇后の意味である「empress」から。正賞は日刊スポーツ賞エンプレス杯、日刊スポーツ新聞社が優勝杯を提供している。
また1990年までキヨフジ記念の名称で施行されていた事から同名称が副称となって付けられている。またキヨフジ記念の由来は、かつて川崎競馬場に所属し、国営競馬（中央競馬の前身）に移籍した後に第12回優駿牝馬を制し、後に川崎に戻り開設記念（現在の川崎記念）を制した名牝キヨフジから。
目次 |
[編集] 概要
1955年に5歳（現4歳）から10歳（現9歳）の牝馬限定の別定の南関東地区限定の重賞競走、キヨフジ記念として創設、第1回は川崎競馬場のダート1800mで施行された。しかし翌年にはダート1700mに変更、更に1958年にはダート2000mに変更されたが、1959年のみダート2200mで施行されている。
1960年からは開催月を3月から9月（1961年は6月）に移した事により、出走条件を4歳（現3歳）から10歳（現9歳）牝馬に変更、しかし1962年には再び5歳（現4歳）から10歳（現9歳）牝馬に戻したが、1963年の3月・9月の年2回開催の9月における競走で再び4歳（現3歳）から10歳（現9歳）牝馬に変更され、1991年までこの条件で施行された。
1992年には現在のエンプレス杯に改名、従来の名称「キヨフジ記念」は副称となった。1995年より南関東グレード制施行によりG1に格付けされると同時に、中央・地方全国指定交流競走に指定されてJRA所属馬も出走可能になった。しかし南関東グレードは翌1996年からG2となった。1997年からはダート競走格付け委員会よりGII（統一GII）に格付けされた。1998年からは従来の出走枠12頭から14頭に変更した事によりダート2100mに変更した。
中央競馬との交流競走化以降は夏季に開催されていたが、第49回の2003年より2月に開催時期が移った。地方競馬は4月から翌年3月が年度単位であるため、その関係で2002年には当競走は施行されていない。
統一JpnIIの競走ではあるが、日本の牝馬限定のダート重賞競走の中で最高位を誇る。だが本競走で勝利をしても日本のダート最強馬とは認知される事はなく、牝馬の有力馬も牡馬との混合競走である統一JpnIに出走する傾向がある為、出走馬のレベルは統一JpnIほど高くない。
総額賞金は6,800万円で、1着賞金4,000万円、2着賞金1,400万円、3着賞金800万円、4着賞金400万円、5着賞金200万円と定められている。
[編集] 出走条件
サラ系4歳（旧5歳）以上の牝馬の競走馬を前提として、南関東地区所属馬7頭、南関東地区以外の所属馬3頭、JRA所属馬4頭と出走枠が定められており、地方所属馬に限り優先出走権保持馬が所属枠内の頭数で出走できる。その指定競走は以下のとおり。
- 優先出走権トライアル競走
| 競走名 | 競走格 | 施行競馬場 | 施行コース | 取得条件 |
|---|---|---|---|---|
| クイーン賞 | 統一JpnIII | 船橋競馬場 | ダート1800m | 1着入賞 |
| TCK女王盃 | 統一JpnIII | 大井競馬場 | ダート1800m | 1着・2着入賞 |
負担重量はグレード別定で、4歳は54キロ、5歳以上は55キロを基本とし、2006年2月12日までの統一GI優勝馬は2キロ、統一GII優勝馬は1キロの負担が課せられる。ただし2歳時のグレート優勝は対象外。
[編集] 歴史
- 1955年 - 川崎競馬場のダート1800mの5歳（現4歳）から10歳（現9歳）の牝馬限定の別定の南関東地区限定の重賞競走、キヨフジ記念として創設。
- 1956年
- 1958年 - 施行距離をダート2000mに変更。
- 1959年 - 施行距離をダート2200mに変更。
- 1960年
- 出走条件を4歳（現3歳）から10歳（現9歳）牝馬に変更。
- 施行距離をダート2000mに戻す。
- 1962年 - 出走条件を5歳（現4歳）から10歳（現9歳）の牝馬に戻す。
- 1963年 - 川崎の佐々木竹見が騎手として2人目の連覇。
- 1964年 - 出走条件を4歳（現3歳）から10歳（現9歳）牝馬に再変更。
- 1968年 - 川崎の井上宥蔵が調教師として史上初の3連覇。
- 1971年 - 大井の高橋三郎が騎手として3人目の連覇。
- 1991年 - 名称をエンプレス杯に変更。
- 1992年 - 浦和のヒカリカツオーヒが2頭目の連覇。
- 1995年
- 中央・地方全国指定交流競走に指定。
- 南関東グレード制施行によりG1に格付け。
- 1996年
- 1997年 - ダートグレード競走格付け委員会にGII（統一GII）に格付け。
- 1998年
- 施行距離をダート2100mに変更。
- JRAのシルクフェニックスが4頭目の連覇。
- JRAの福永祐一が騎手として5人目の連覇。
- 2000年
- 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「4歳から10歳の牝馬」から「3歳から9歳の牝馬」に変更。
- 2004年 - 出走条件を4歳以上牝馬に変更。
[編集] 歴代優勝馬
| 回数 | 施行日 | 優勝馬 | 性齢 | 所属 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 1955年2月6日 | ミスアサヒロ | 牝5 | 大井 | 1:57.6 | 安藤徳男 | |
| 第2回 | 1956年3月4日 | ミスアサヒロ | 牝6 | 大井 | 1:51.0 | 安藤徳男 | |
| 第3回 | 1957年3月31日 | イチヨシノ | 牝5 | 大井 | 1:51.6 | 長沢保作 | 小暮嘉久 |
| 第4回 | 1958年3月18日 | ヴアイオラ | 牝4 | 船橋 | 2:10.0 | 荒山徳一 | 佐竹梅治 |
| 第5回 | 1959年3月26日 | コンリユウ | 牝6 | 船橋 | 2:24.0 | 須田栄 | 木村万吉 |
| 第6回 | 1960年6月21日 | サンセイカツプ | 牝3 | 大井 | 2:10.2 | 武智一夫 | 三坂博 |
| 第7回 | 1961年9月11日 | ステツプホース | 牝4 | 大井 | 2:09.0 | 松浦備 | 小暮嘉久 |
| 第8回 | 1962年3月13日 | ムーン | 牝5 | 川崎 | 2:11.8 | 佐々木竹見 | 岩本亀五郎 |
| 第9回 | 1963年3月17日 | ヒカルミノル | 牝4 | 川崎 | 2:10.5 | 佐々木竹見 | 畠山吉宏 |
| 第10回 | 1964年3月25日 | サバンナ | 牝5 | 大井 | 2:10.6 | 松浦備 | 小暮善清 |
| 第11回 | 1964年9月30日 | モリホープ | 牝4 | 大井 | 2:10.1 | 安藤徳男 | 勝又泉 |
| 第12回 | 1965年9月22日 | キヨクトー | 牝3 | 大井 | 2:09.4 | 須田茂 | 長尾清 |
| 第13回 | 1966年10月16日 | フミヒロ | 牝4 | 川崎 | 2:08.5 | 竹島春三 | 井上宥蔵 |
| 第14回 | 1967年9月27日 | ヒガシジヨオー | 牝4 | 川崎 | 2:07.8 | 佐々木竹見 | 井上宥蔵 |
| 第15回 | 1968年10月10日 | ハヤシゲル | 牝3 | 川崎 | 2:07.4 | 長谷川茂 | 井上宥蔵 |
| 第16回 | 1969年9月25日 | ローレライ | 牝5 | 船橋 | 2:07.1 | 木村和男 | 木村万吉 |
| 第17回 | 1970年9月9日 | エビフジ | 牝4 | 大井 | 2:07.7 | 高橋三郎 | 武森辰己 |
| 第18回 | 1971年9月28日 | ヒダカスズラン | 牝5 | 大井 | 2:07.4 | 高橋三郎 | 秋谷元次 |
| 第19回 | 1972年9月6日 | ゴールデンスネツプ | 牝3 | 川崎 | 2:07.3 | 長谷川茂 | 井上宥蔵 |
| 第20回 | 1973年9月17日 | イケノカエデ | 牝6 | 川崎 | 2:06.5 | 高橋三郎 | 長谷川蓮太郎 |
| 第21回 | 1974年9月16日 | ミサトクイン | 牝3 | 船橋 | 2:07.6 | 赤間清松 | 松森茂 |
| 第22回 | 1975年9月22日 | シヤンタン | 牝4 | 川崎 | 2:05.8 | 森下博 | 佐々木国広 |
| 第23回 | 1976年10月12日 | フジノカオリ | 牝5 | 船橋 | 2:08.2 | 桑島孝春 | 佐々木昭 |
| 第24回 | 1977年10月11日 | ガバナスイセイ | 牝3 | 船橋 | 2:08.3 | 高橋三郎 | 木村和男 |
| 第25回 | 1978年10月11日 | カネハツユキ | 牝5 | 川崎 | 2:08.6 | 山崎尋美 | 鈴木定敏 |
| 第26回 | 1979年9月13日 | シヤドウ | 牝3 | 川崎 | 2:08.2 | 橘真樹 | 高橋正豪 |
| 第27回 | 1980年9月15日 | ダークハリー | 牝4 | 船橋 | 2:07.2 | 渡辺市郎 | 渋谷信隆 |
| 第28回 | 1981年9月2日 | スターライヒ | 牝4 | 船橋 | 2:07.5 | 秋田実 | 宮下雅身 |
| 第29回 | 1982年9月2日 | デユールスワロー | 牝4 | 浦和 | 2:08.3 | 高橋三郎 | 黒田桂二 |
| 第30回 | 1983年8月31日 | ミスハイヤー | 牝4 | 船橋 | 2:08.3 | 柿本政男 | 竹田光雄 |
| 第31回 | 1984年9月6日 | ゴールドダンサー | 牝4 | 船橋 | 2:09.6 | 佐々木竹見 | 佐々木総雄 |
| 第32回 | 1985年9月3日 | ガールライヒ | 牝5 | 船橋 | 2:08.6 | 高橋三郎 | 竹田光雄 |
| 第33回 | 1986年10月10日 | タケノビクトリー | 牝4 | 川崎 | 2:09.1 | 山崎尋美 | 山崎三郎 |
| 第34回 | 1987年10月28日 | ムサシタイコー | 牝5 | 船橋 | 2:09.1 | 秋田実 | 及川六郎 |
| 第35回 | 1988年10月26日 | ダイタクジーニアス | 牝4 | 川崎 | 2:10.1 | 佐々木竹見 | 鳥飼春弥 |
| 第36回 | 1989年10月25日 | セリメーヌ | 牝4 | 川崎 | 2:11.4 | 森下博 | 秋山重美 |
| 第37回 | 1990年10月10日 | スピリツトエビス | 牝5 | 大井 | 2:11.6 | 的場文男 | 長沼正義 |
| 第38回 | 1991年10月2日 | ヒカリカツオーヒ | 牝4 | 浦和 | 2:08.0 | 石崎隆之 | 野口孝 |
| 第39回 | 1992年10月7日 | ヒカリカツオーヒ | 牝5 | 浦和 | 2:08.9 | 佐々木竹見 | 野口孝 |
| 第40回 | 1993年10月13日 | パワーシャレード | 牝3 | 船橋 | 2:11.0 | 石崎隆之 | 出川己代造 |
| 第41回 | 1994年9月23日 | ケーエフネプチュン | 牝3 | 船橋 | 2:10.2 | 矢内博 | 佐々木総雄 |
| 第42回 | 1995年6月13日 | ホクトベガ | 牝5 | JRA | 2:06.5 | 横山典弘 | 中野隆良 |
| 第43回 | 1996年7月15日 | ホクトベガ | 牝6 | JRA | 2:06.7 | 横山典弘 | 中野隆良 |
| 第44回 | 1997年7月22日 | シルクフェニックス | 牝4 | JRA | 2:08.8 | 福永祐一 | 白井寿昭 |
| 第45回 | 1998年7月21日 | シルクフェニックス | 牝5 | JRA | 2:16.3 | 福永祐一 | 白井寿昭 |
| 第46回 | 1999年7月19日 | ファストフレンド | 牝5 | JRA | 2:14.2 | 蛯名正義 | 高市圭二 |
| 第47回 | 2000年7月5日 | ファストフレンド | 牝6 | JRA | 2:15.1 | 蛯名正義 | 高市圭二 |
| 第48回 | 2001年7月5日 | オンワードセイント | 牝5 | JRA | 2:15.1 | 勝浦正樹 | 阿部新生 |
| 第49回 | 2003年2月26日 | ジーナフォンテン | 牝5 | 船橋 | 2:16.3 | 内田博幸 | 山浦武 |
| 第50回 | 2004年2月26日 | レマーズガール | 牝4 | JRA | 2:16.7 | 武豊 | 湯浅三郎 |
| 第51回 | 2005年2月9日 | プルザトリガー | 牝6 | 船橋 | 2:15.2 | 内田博幸 | 山浦武 |
| 第52回 | 2006年2月22日 | ローレルアンジュ | 牝7 | 船橋 | 2:15.0 | 的場文男 | 新井清重 |
| 第53回 | 2007年2月28日 | トーセンジョウオー | 牝6 | 船橋 | 2:16.4 | 内田博幸 | 川島正行 |
