ニホンザル
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?ニホンザル | ||||||||||||||||||||||||
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屋久島のニホンザル(ヤクシマザル) |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Macaca fuscata | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ニホンザル | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Japanese Macaque |
ニホンザルは、哺乳綱 サル目 オナガザル科 マカク属に属するサルの一種。日本列島の固有種である。体長は50~60cmくらい。雌より雄の方がやや大きい。
同じ仲間にくらべて、尾が短いのが特徴である。また、顔と尻が赤い。日本ではサルの顔や尻が赤いのは当たり前だと思われているが、これは実際にはニホンザルの特徴である。
目次 |
[編集] 生息地
北は下北半島から、南は屋久島まで、本州、四国、九州の各地に分布している。米テキサス州では逃げ出した個体群が野生化しているとも言う(en:Japanese Macaque)。
下北半島のニホンザルは、ヒトを除いた全世界の霊長類の中で、最も高緯度に生息していることで有名である(北限のサル)。
下北半島および東北地方にすむニホンザルは、絶滅のおそれのある地域個体群(環境省レッドリスト)に指定されている。
また、天然記念物に指定されているニホンザルの生息地が6か所ある。宮崎県串間市の幸島、大分県大分市の高崎山(高崎山自然動物園)、大阪府箕面市の箕面山(箕面山自然動物園)、千葉県富津市の高宕山(高宕山自然動物園)、岡山県高梁市の臥牛山(臥牛山自然動物園)、青森県の下北半島である。
かつては温泉で入浴する姿がTVCMで流されるなど微笑ましく眺められていたが、近年では、人里に出没して畑を荒らしたり(関連して農家の主人が猿と間違えて妻を猟銃で撃つという事件まで発生した。)エサを求めて観光客を襲ったり(このため、日光市ではサル餌付け禁止条例を施行)、農作物を荒らしたり、都心部などに出没したりと、問題となっている。ワイドショーでもたびたび取り上げられ、バラエティ番組においてサルに襲われないための対策が紹介されたこともあった。
[編集] 亜種
屋久島にすむ亜種 M. fuscata yakui をヤクシマザルまたはヤクザルと呼び、日本列島本土の亜種 M. fuscata fuscata をホンドザルと呼ぶ。ホンドザルとヤクシマザルの遺伝的距離は、ホンドザルの亜種内変異の10倍以上あると言われている。なお、かつては種子島にもニホンザルが生息していたが、どちらの亜種に属するものであったかは、よくわかっていない。
台湾のタイワンザル (Macaca cyclopis) とはごく近縁で、交配すると雑種ができ、雑種も子を残すことができる。そのため、日本各地で飼育下のタイワンザルが逃げてニホンザルと混血し、問題となっている。
[編集] 生態研究
第二次世界大戦後、今西錦司らが幸島(こうじま)および高崎山自然動物園で野生の群れの餌付けに成功して以来、ニホンザルの生態は詳細に研究がなされてきた。ニホンザルの群れは数十頭程度から大きなものは100頭を超える集団である。
[編集] 社会のしくみ(旧)
以前は、強力な統率力をもつボスザルとそれを取巻くメス、子供を中心として、他のオスは周辺部に位置し中心部に入ることが許されないという「同心円二重構造」として群れの社会構造が説明されていた。なお、「ボスザル」という呼称は後に「リーダー」などと呼び変えられた。
ニホンザルの社会の仕組みについては、以下のようなものと考えられていた。
- 群れを構成するのは成体のオスとメス、および子供と若者である。群れに入らない離れザルがあるが、これは必ず若いか成体のオスである。
- 群れの個体はすべての個体間で強弱による順位が決まっており、全体として直線的な順位制を持っている。順位が高いものに対しては尻を向け、上位者がその後ろから乗りかかる「マウンティング」という行動があり、これによって順位が確かめられると同時に、争いが回避される。順位が離れるほどこの行動はおこなわれなくなる。
- 単なる順位制でなく、階級があって、それぞれに群れの中での位置が決まっている。
- リーダーは中央に、その周囲にメスと赤ん坊、その外に若者オスが位置する。
- リーダーは外敵から群れを守り、また、群れ内部での争いに介入して調停する。
[編集] 文化的行動
ニホンザル研究の拠点の一つであった幸島では、若いメスザルが餌のサツマイモを水で洗って食べることを始め、群れの他のものにもそれをまねするものが現れた。その中には、海水であらい、さらに食べるごとに海水に浸して味付けをするらしい行動をするものも現れた。また、砂浜に撒かれた麦を、砂ごと抱えて海水に放り込み、波に洗われた麦粒を拾って食べるものも出現した。さらに魚を捕らえるものまで出てきた。これらの行動はサルの文化的行動として注目を受け、動物にも文化を認める論の先駆けとなった。大半が左利きである。
[編集] 見直し
しかし、伊沢紘生らによる白山にすむ野生群などの研究ではボスザルの存在は認められず、群れは「仲間意識」によって支えられた集団であるとしている。ただし、この見解が全面的に認められているわけではなく、現在も議論の分かれるところである。高崎山自然動物園では2004年2月17日から、ボスザルの呼称を止め、序列第一位のオスを「アルファオス」と呼んでいる。ニホンザルの群は、メスが自分の生まれた群れに留まり続け、 オスが自分の出自の群れから移籍する母系社会であると考えられている。
なお、先進諸国で野生のサル類が国内に生息するのは日本だけである。 ニホンザルのことを英語で Snow Monkey と呼ぶのは、サルが熱帯の動物と考えられていたためである。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 『サル学の現在 上』 - 立花隆著,文春文庫 ISBN 4167330067 C0145 P620E
[編集] 外部リンク
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