ニュージャージー・ネッツ
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ニュージャージー・ネッツ | |
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創設 | 1967年(ABAの結成メンバー) |
チーム史 | ニュージャージー・アメリカンズ (1967年-1968年) ニューヨーク・ネッツ (1968年-1977年) ニュージャージー・ネッツ (1977年-) |
アリーナ | コンティネンタル・エアラインズ・アリーナ |
本拠 | ニュージャージー州イーストルーサーフォード |
チームカラー | ミッドナイト・ブルー、白、赤、銀 |
チームロゴ | 青い盾の中に上にNETS、下にバスケットボールを組み合わせ、盾が輪をくぐっている。 |
ヘッドコーチ | ローレンス・フランク |
オーナー | ブルース・ラトナー ジェイ・Z |
優勝歴 | ABA時代2回(1974年, 1976年)NBA加入後なし |
ファイナル進出 | 2回(2002年, 2003年) |
地区優勝 | ABA時代1回(1974年)NBA加入後4回(2002年, 2003年, 2004年, 2006年) |
ニュージャージー・ネッツ(New Jersey Nets)は、アメリカ合衆国ニュージャージー州イーストルーサーフォードに本拠を置く全米プロバスケットボール協会 (NBA) のチーム。イースタン・カンファレンス、アトランティック・ディビジョン所属。2004年にチームは不動産業者ブルース・ラトナーに売却され、その後ニューヨーク州ブルックリンに本拠地を移す計画を発表したが、移転が実現するか否かはまだ明らかでない。
目次 |
[編集] 歴史
- ニュージャージー・ネッツの原型となるチームは、1967年にプロバスケットボールリーグABA発足時にリーグに参加したニュージャージー・アメリカンズで、ニュージャージー州ティーネックを本拠地にしていた。翌年チームはニューヨークのロングアイランドに移転し、ニューヨーク・ネッツと改称した。「ネッツ」という名称は、メジャーリーグのニューヨーク・メッツ、NFLのニューヨーク・ジェッツと韻を踏んでいるということで選ばれた。
- 創設から数年間のチームはディビジョンで下位から中位ほどの順位だった。1972年にはリック・バリーを中心としたネッツは決勝へ進出するが、インディアナ・ペイサーズに敗退した。ネッツがABAを代表する強豪になるのは、翌シーズンジュリアス・アービングをトレードで獲得してからだった。チームをディビジョン首位に導いたアービングはMVPを獲得、再び決勝へ進み初優勝を果たした。1976年にもアービングはMVPを受賞、決勝へ進むがデンバー・ナゲッツに敗退した。
- かねてから興業が奮わなかったABAはこのシーズンを最後に解散し、ネッツは他の3チームと同時にNBAに加わった。この年ネッツはニューヨークからハドソン川を越えたニュージャージーへと移転し、名称を現在に続くニュージャージー・ネッツと改めた。
- NBAに参加する際、ネッツは300万ドルの加入金をNBAに支払わねばならず、また市場が重なるニューヨーク・ニックスにも480万ドルを支払わなければならなかった。そのため経済的に困窮したネッツは、ジュリアス・アービングを金銭トレードでフィラデルフィア・セブンティシクサーズに引き渡さなければならなかった。チームの大黒柱を失ったネッツは、その後長らく低迷することになった。
- ネッツのシーズン成績は数年にわたり勝率5割に届かず、たまにプレイオフに進出でたシーズンもそこで勝ち星を上げられなかった。ダリル・ドーキンス、バック・ウィリアムスらに率いられた1984年にはNBA加入後初のプレイオフに進出して、前年のチャンピオンのフィラデルフィア・セブンティシクサーズに1回戦で勝利しカンファレンス・セミファイナルまで進んだがミルウォーキー・バックスに2勝4敗で敗れた。84-85シーズンは42勝40敗だったがプレイオフ1回戦でデトロイト・ピストンズの前に3連敗で終わった。続く7年間はプレイオフに進出できず、8年間は勝ち越せなかった。
- 1990年代初頭、ネッツはドラフトでデリック・コールマン、ケニー・アンダーソン、ポートランド・トレイルブレイザーズからのトレードでドレイゼン・ペトロビッチを獲得し、名将チャック・デイリーに率いられて約10年ぶりに43勝39敗と勝率5割に到達した。しかし、プレイオフでは1回戦を5試合まで戦い、復調を予感させてシーズンを終えた矢先の1993年6月、ペトロビッチが交通事故で他界するという不幸が起きた。
- 翌シーズンには45勝37敗と前シーズンより勝ちを増やしたもののプレイオフでは1回戦で敗退、デイリーは監督職を退いた。翌1994-95シーズンは30勝52敗と負け越しプレイオフを逃すと、アンダーソンとコールマンはチームを去り、ネッツは再編の時代に入った。1996年にドラフトでケリー・キトルズ、シーズン中にトレードでサム・キャセール、翌シーズンのドラフトでキース・バン・ホーンを獲得した。ネッツは1996-97シーズンの開幕戦で日本を訪れ、オーランド・マジックと2試合を行った。
- 96年より大学界の名将ジョン・カリパリを監督に迎え、このシーズンは大きく負け越したものの翌シーズンは43勝39敗と勝ち越し。しかし続く1998-99シーズンの序盤で黒星を重ねたカリパリは解雇された。シーズン途中でキャセールとのトレードでステフォン・マーベリーを獲得したが、このシーズンも負け越しで終わった。
- 2000年にはジェネラルマネージャーに元NBA役員のロッド・ソーンが就任。この年のドラフトでケニオン・マーティンを指名、翌年にはリチャード・ジェファーソンを獲得。そして最も大きな動きとなったのが、2001年のシーズン終了後にマーベリーとのトレードでジェイソン・キッドを獲得したことだった。
- 好ポイントガードのキッドを加えたネッツは東地区屈指の強豪に成長した。勝ち星を前シーズンの倍となる52勝で終え、プレイオフではネッツがNBAに参加して初めて決勝まで進出したものの、ロサンゼルス・レイカーズに0勝4敗で敗れた。翌シーズンのネッツはディケンベ・ムトンボでインサイドを強化し、プレイオフでは再び決勝へ進出。この年はサンアントニオ・スパーズに2勝4敗で敗退した。
- 以降のネッツは、新たに台頭したデトロイト・ピストンズなどに押され決勝進出を果たしていない。2004-05シーズン開始前に、チームはキトルズとマーティンを放出し、02年に指名したネナイド・クリスティッチを加えた。さらにシーズン途中にヴィンス・カーターを獲得して新たな体制を整えた。しかしこのシーズンは5割をわずかに越える勝率に留まった。
- 2005-06シーズンは、クリスティッチの成長やチームケミストリーの向上もあり6割近い勝率をマーク、5シーズン連続でプレイオフに進出した。
[編集] シーズンごとの成績
Note: 勝 = 勝利数, 敗 = 敗戦数, % = 勝率 %
シーズン | 勝 | 敗 | % | プレイオフ | 結果 |
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ニュージャージー・アメリカンズ (ABA) (通算成績に含まない) |
|||||
1967-68 | 36 | 43 | .456 | ||
ニューヨーク・ネッツ | |||||
1968-69 | 17 | 61 | .218 | ||
1969-70 | 39 | 45 | .464 | 1回戦敗退 | ケンタッキー 4, ネッツ 3 |
1970-71 | 40 | 44 | .476 | 1回戦敗退 | バージニア 4, ネッツ 2 |
1971-72 | 44 | 40 | .524 | 1回戦勝利 ABA準決勝勝利 ABA決勝敗退 |
ネッツ 4, ケンタッキー 2 ネッツ 4, バージニア 2 ペイサーズ 4, ネッツ 2 |
1972-73 | 30 | 54 | .357 | 1回戦敗退 | カロライナ 4, ネッツ 1 |
1973-74 | 55 | 29 | .655 | 1回戦勝利 ABA準決勝勝利 ABAファイナル優勝 |
ネッツ 4, バージニア 1 ネッツ 4, ケンタッキー 0 ネッツ 4, ユタ 1 |
1974-75 | 58 | 26 | .690 | 1回戦敗退 | セントルイス 4, ネッツ 1 |
1975-76 | 55 | 29 | .655 | ABA準決勝勝利 ABAファイナル優勝 |
ネッツ 4, スパーズ 3 ネッツ 4, ナゲッツ 2 |
ニューヨーク・ネッツ (NBA) (通算成績に含む) |
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1976-77 | 22 | 60 | .268 | ||
ニュージャージー・ネッツ | |||||
1977-78 | 24 | 58 | .293 | ||
1978-79 | 37 | 45 | .451 | 1回戦敗退 | シクサーズ 2, ネッツ 0 |
1979-80 | 34 | 48 | .415 | ||
1980-81 | 24 | 58 | .293 | ||
1981-82 | 44 | 38 | .537 | 1回戦敗退 | ワシントン 2, ネッツ 0 |
1982-83 | 49 | 33 | .598 | 1回戦敗退 | ニックス 2, ネッツ 0 |
1983-84 | 45 | 37 | .549 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝敗退 |
ネッツ 3, シクサーズ 2 バックス 4, ネッツ 2 |
1984-85 | 42 | 40 | .512 | 1回戦敗退 | ピストンズ 3, ネッツ 0 |
1985-86 | 39 | 43 | .476 | 1回戦敗退 | バックス 3, ネッツ 0 |
1986-87 | 24 | 58 | .293 | ||
1987-88 | 19 | 63 | .232 | ||
1988-89 | 26 | 56 | .317 | ||
1989-90 | 17 | 65 | .207 | ||
1990-91 | 26 | 56 | .317 | ||
1991-92 | 40 | 42 | .488 | 1回戦敗退 | キャブス 3, ネッツ 1 |
1992-93 | 43 | 39 | .524 | 1回戦敗退 | キャブス 3, ネッツ 2 |
1993-94 | 45 | 37 | .549 | 1回戦敗退 | ニックス 3, ネッツ 1 |
1994-95 | 30 | 52 | .366 | ||
1995-96 | 30 | 52 | .366 | ||
1996-97 | 26 | 56 | .317 | ||
1997-98 | 43 | 39 | .524 | 1回戦敗退 | ブルズ 3, ネッツ 0 |
1998-99 | 16 | 34 | .320 | ||
1999-2000 | 31 | 51 | .378 | ||
2000-01 | 26 | 56 | .317 | ||
2001-02 | 52 | 30 | .634 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝勝利 カンファレンス決勝勝利 NBAファイナル敗退 |
ネッツ 3, ペイサーズ 2 ネッツ 4, シャーロット 1 ネッツ 4, セルティックス 2 レイカーズ 4, ネッツ 0 |
2002-03 | 49 | 33 | .598 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝勝利 カンファレンス決勝勝利 NBAファイナル敗退 |
ネッツ 4, バックス 2 ネッツ 4, セルティックス 0 ネッツ 4, ピストンズ 0 スパーズ 4, ネッツ 2 |
2003-04 | 47 | 35 | .573 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝敗退 |
ネッツ 4, ニックス 0 ピストンズ 4, ネッツ 3 |
2004-05 | 42 | 40 | .512 | 1回戦敗退 | ヒート 4, ネッツ 0 |
2005-06 | 49 | 33 | .598 | 1回戦勝利 カンファレンス準決勝敗退 |
ネッツ 4, ペイサーズ 2 ヒート 4, ネッツ 1 |
通算勝敗 | 1041 | 1387 | .429 | ||
プレイオフ | 46 | 59 | .438 |
[編集] プレイヤー
[編集] 殿堂入りした選手
- ネイト・アーチボルト (Nate Archibald)
- リック・バリー (Rick Barry)
- ジュリアス・アービング (Julius Erving)
- ドレイゼン・ペトロヴィッチ (Drazen Petrovic)
[編集] 永久欠番
- 3 ドレイゼン・ペトロヴィッチ (Drazen Petrovic)
- 4 ウェンデル・ラドナー (Wendell Ladner)
- 23 ジョン・ウィリアムソン (John Williamson)
- 25 ビル・メルチオーニ (Bill Melchionni)
- 32 ジュリアス・アービング (Julius Erving)
- 52 バック・ウィリアムズ (Buck Williams)
[編集] 往年の名選手
- ケニー・アンダーソン (Kenny Anderson)
- オーティス・バードソング (Otis Birdsong)
- ムーキー・ブレイロック (Mookey Blaylock)
- サム・キャセール (Sam Cassel)
- デリック・コールマン (Derrick Coleman)
- ダリル・ドーキンス (Darryl Dawkins)
- ルーシャス・ハリス (Lucious Harris)
- ケリー・キトルズ (Kerry Kittles)
- ステフォン・マーベリー (Stephon Marbury)
- ケニオン・マーティン (Kenyon Martin)
- ディケンベ・ムトンボ (Dikembe Mutumbo)
- マイケル・レイ・リチャードソン(Micheal Ray Richardson)
- キース・バン・ホーン (Keith Van Horn)
- ジェイソン・ウィリアムス (Jayson Williams)
[編集] 現在の所属選手
ハッサン・アダムズ (Hassan Adams)
ジョシュ・ブーン (Josh Boone)
ヴィンス・カーター (Vince Carter)
ジェイソン・コリンズ(Jason Collins)
エディー・ハウス (Eddie House)
ミレ・イリッチ (Mile Ilic)
リチャード・ジェファーソン (Richard Jefferson)
ジェイソン・キッド (Jason Kidd)
ネナイド・クリスティッチ(Nenad Krstic)
ミッキー・ムーア (Mikki Moore)
ボスジャン・ナックバー (Bostjan Nachbar)
バーナード・ロビンソン (Bernard Robinson)
クリフォード・ロビンソン (Clifford Robinson)
マーカス・ウィリアムズ (Marcus Williams)
アントワン・ライト (Antoine Wright)
[編集] コーチ、その他
- ローレンス・フランク(Lawrence Frank)
[編集] 殿堂入り
[編集] チーム記録
[編集] 外部リンク
イースタン・カンファレンス | |
---|---|
アトランティック・ディビジョン |
ボストン・セルティックス | ニュージャージー・ネッツ | ニューヨーク・ニックス | フィラデルフィア・セブンティシクサーズ | トロント・ラプターズ |
セントラル・ディビジョン |
シカゴ・ブルズ | クリーブランド・キャバリアーズ | デトロイト・ピストンズ | インディアナ・ペイサーズ | ミルウォーキー・バックス |
サウスイースト・ディビジョン |
アトランタ・ホークス | シャーロット・ボブキャッツ | マイアミ・ヒート | オーランド・マジック | ワシントン・ウィザーズ |
ウェスタン・カンファレンス | |
ノースウェスト・ディビジョン |
デンバー・ナゲッツ | ミネソタ・ティンバーウルブズ | ポートランド・トレイルブレイザーズ | シアトル・スーパーソニックス | ユタ・ジャズ |
パシフィック・ディビジョン |
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サウスウェスト・ディビジョン |
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