ヒシミラクル
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![]() 2006年9月21日撮影 |
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性別 | 牡 |
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毛色 | 芦毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1999年3月31日 |
死没 | (現役種牡馬) |
父 | サッカーボーイ |
母 | シュンサクヨシコ |
生産 | 大塚牧場 |
生国 | 日本(北海道三石町) |
馬主 | 阿部雅一郎 |
調教師 | 佐山優(栗東) |
競走成績 | 28戦6勝 |
獲得賞金 | 5億1498万9000円 |
ヒシミラクルは日本の競走馬。人気薄ながら菊花賞に勝ち、その後も天皇賞(春)、宝塚記念を制覇するなど活躍した。現在は種牡馬。
目次 |
[編集] 戦績
デビューは2歳(2001年)の夏。デビュー直後は短距離を中心に使われていたが、結果が出なかったため中距離を使われはじめる。しかしそこでも勝ちきれないことが多く、3歳(2002年)の5月に初勝利をあげるまでに10戦を要した。その後は阪神の条件戦で2勝をあげ菊花賞トライアルの神戸新聞杯に出走して6着。菊花賞を目指して登録したが出走するには抽選をくぐりぬけることが必要だった。
しかし運良く抽選を突破し菊花賞に出走。人気は10番人気と低かった。スタート直後に1番人気ノーリーズン鞍上の武豊が落馬し場内がどよめく中、自慢のスタミナを発揮。道中は鞍上の角田晃一騎手がずっと手綱をしごきっぱなしながらも4コーナーで先頭に並びかけ、最後は追い込んできたファストタテヤマをハナ差退け見事に優勝。3連複が34万馬券となる大波乱を演出した。またこの競走は、クラシック登録が無かった為追加登録金を払っての出走であり、同制度による出走馬の優勝は、テイエムオペラオー(1999年皐月賞)、アローキャリー(2002年桜花賞)に次いで3頭目であった。次いで年末の有馬記念に出走したが11着。その後休養に入る。
年が明け(2003年)4歳となったヒシミラクルは3000mの阪神大賞典から始動。しかし12着と惨敗を喫してしまう。本番の天皇賞(春)を前にもう一叩きとして大阪杯を使ったがここでも7着。そして天皇賞(春)に出走、人気は7番人気となった。しかしヒシミラクルは菊花賞と同じように3~4コーナーでまくりぎみに順位を上げていくとスタミナを活かして早め先頭に立つ。これに対し後続は追いつけず、見事に1着でゴール板を駆け抜けた。
ヒシミラクルの次走は安田記念出走プランもあったが2200mの宝塚記念に決まった。この宝塚記念は前年の年度代表馬シンボリクリスエスやタップダンスシチー、この年の東京優駿(日本ダービー)優勝馬ネオユニヴァース、GI6勝アグネスデジタルなどが出走し、菊花賞・天皇賞(春)とGIを2勝しているがヒシミラクルは6番人気であった。レースでは、最後の直線でシンボリクリスエスが内で伸びず、タップダンスシチーが先頭に立つ。しかし外からヒシミラクルとツルマルボーイが追い込んで最後は2頭の一騎打ちとなり、首差ヒシミラクルが出て見事にGI連覇を達成した。これまでのレースは早め先頭であったが、今回は直線での競馬で見事に差しきった。
秋はGI3連戦を目前にして京都大賞典に出走。ここでは今までの休養明けとは違いスムーズに先行してタップダンスシチーの2着となった。しかし、秋のGI戦線本番というところで繋靱帯炎を発症してしまい1年間休養することになる。
復帰したのが次の年(2004年)の天皇賞(秋)。結果は久々も響いて16着。続くジャパンカップではヒシミラクルの十八番ともいえる早め先頭策に出たが9着。悲観する内容ではなかっただけに有馬記念に期待がかかったが、ここでも4コーナーで先頭に並びかけたが14着に敗れる。
2005年は2月の京都記念から始動し、60kgの斤量を背負いつつも3着に入るが、続く天皇賞(春)では16着と惨敗した。レース数日後には右前脚繋靱帯炎を再発している事が判明し引退が決定した。北海道・静内町のレックススタッドで種牡馬となる。
[編集] 種牡馬
しかしGI3勝の実績とは裏腹に、成績にムラのある現役時代の穴馬的印象や、地味な母方の血統により生産者の間では敬遠され気味のようで、種牡馬入りが決定した当初もなかなか繋養する種馬場が決まらなかった。同じサッカーボーイ産駒の種牡馬ナリタトップロードの夭逝により、数少ないサッカーボーイの後継種牡馬の筆頭となっているが、種付け数はあまり伸びていない。
[編集] エピソード
ヒシミラクルが競馬というジャンルを超えて一躍有名になったエピソードに、宝塚記念における大口の投票があった。前日発売が行われていた土曜日の11時頃にウインズ新橋で一人の中年男性がヒシミラクルの単勝を1222万円分購入した。
購入前、9.7倍を示していた単勝オッズは彼の投票によって1.7倍の圧倒的一番人気となり、日曜日のスポーツ紙に大きく取り上げられた。ヒシミラクルの単勝オッズは最終的に16.3倍の6番人気に落ち着いたものの、ヒシミラクルがレースに勝利したためその払戻金は1億9918万6000円もの高額となった。馬券を購入した男性には馬名にかけて「ミラクルおじさん」という通称がついた。
ヒシミラクル鞍上の角田晃一騎手もレース前日にこの事実を把握しており、優勝騎手インタビューでは「その(1222万円の)単勝を賭けた人は、僕以上の勝負師ですね」と語っていた。
[編集] 血統表
ヒシミラクルの血統 ファイントップ(タッチストン系)/Nasrullah5×5=6.25% | |||
父
サッカーボーイ 1985 栃栗毛 北海道白老町 |
*ディクタス Dictus 1967 栗毛 |
Sanctus | Fine Top |
Sanelta | |||
Doronic | Worden | ||
Dulzetta | |||
ダイナサッシュ 1979 鹿毛 |
*ノーザンテースト Northern Taste |
Northern Dancer | |
Lady Victoria | |||
*ロイヤルサッシュ Royal Sash |
Princely Gift | ||
Sash of Honour | |||
母
シュンサクヨシコ 1992 芦毛 北海道三石町 |
*シェイディハイツ Shady Heights 1984 鹿毛 |
Shirley Heights | Mill Reef |
Hardiemma | |||
Vaguely | Bold Lad | ||
Vaguely Mine | |||
シュンサクレディ 1979 芦毛 |
*ラナーク Lanark |
Grey Sovereigh | |
Vermillion o'Toole | |||
ムーンフィニックス | *フィダルゴ Fidalgo | ||
ミチアサ F-No.16-c |
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