白老町
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白老町(しらおいちょう)は、北海道胆振支庁に位置する町。登別市、苫小牧市に挟まれている。町名の由来は、アイヌ語「シラウオイ」(アブの多い所)から。
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[編集] 地理
北海道胆振支庁中部に位置する。 東は苫小牧市(とまこまい)、西は登別市(のぼりべつ)、北は伊達市(だて)・千歳市(ちとせ)と接する。
海岸沿いに国道36号線、JR室蘭線、道央自動車道が走る。 市街地も海岸沿いに形成されており、海岸線から離れた場所はほぼ原生林のままで奥行きがない。
西から虎杖浜、竹浦、北吉原、萩野、石山、白老、社台、および白老の北方に森野の主に8地区がある。
- 山: ホロホロ山(1322.4m)、オロフレ山(1230.8m)、白老岳(968m)、加車山(897.5m)、多峰古峰山(661.1m)、北山(580.5m)、窟太郎山(534.3m)、瓦斯山(485m)
- 河川: 敷生川、白老川、社台川、別々川、アヨロ川、ポンアヨロ川
- 湖沼: 倶多楽湖、ポロト湖
- 滝: インクラの滝(日本の滝百選)、白老滝、社台滝
[編集] 隣接している自治体
[編集] 歴史
この地には日本人が入植するはるか以前から、アイヌコタン(アイヌの大集落)があった。 古文書にもいくつかのコタン名が記載されており、現在でもアイヌ人の血を引く人たちが多く住んでいる。
幕末の頃1856年(安政3年)、仙台藩がこの地に北方警備のため陣屋を建設した。 戊辰戦争勃発により仙台藩は撤退、その後明治政府により陣屋は解体され、代わりに開拓史出張所がおかれた。 戦前は単なる一寒村で産業にも乏しかった。 昭和40年代に大昭和製紙(現・日本製紙)の工場が進出し多少の人口増があったが、近年になり再び過疎が進みつつある。
- 1855年 仙台藩により仙台陣屋を設置(開基)
- 1869年 白老郡が設けられる
- 1919年 白老郡敷生村(しきふ)、白老村、社台村が合併、二級町村制、白老郡白老村
- 1939年 字名番地改正により、森野、社台、白老、石山、萩野、竹浦、虎杖浜の7字となる
- 1954年 町制施行、白老町
- 1965年 萩野の字名が萩野、北吉原に分割される
- 大昭和製紙白老工場が全面操業開始
- 1975年 白老町民憲章が制定される
- 1983年 第1回白老牛肉まつりが開催される
- 1984年 アイヌ民族博物館新築落成
- 1995年 大昭和北海道野球部が休部となり、ヴィガしらおい野球部が結成される
- 1999年 ヴィガしらおいが解散となる
- 2000年 ポロトの森がオープン
[編集] 経済
[編集] 産業
- 一次産業
- 農業はほとんど行われていない。漁業はそれほど盛んではないが漁協は2つある。
- 林業は国営の営林署はあるがそれ以上のものはない。しかし町の面積の9割は原生林。
- 畜産では、社台(しゃだい)地区に白老ファームという牧場があり、競走馬が放牧されている。白老ファームはサッカーボーイやゼンノロブロイをはじめとする数々の名馬を輩出した有名な牧場だが、千歳市や安平町にも生産牧場が存在する。詳細は社台グループ参照。
- 他地区では肉牛が飼われており、白老牛(しらおいぎゅう)なるブランドで全国に肉を出荷している。白老牛自体はあまり有名ではないが、他の場所で暫く飼育した後その土地のブランドで販売されたりもしている。
- 二次産業
- かつては飛生(とびう)地区に炭鉱があったという話もあるが、いまは牧場があるのみでほとんど人の住まない地区になっている。
- 竹浦(たけうら)・虎杖浜(こじょうはま)地区に水産加工工場がいくつかある。
- 北吉原(きたよしはら)地区に日本製紙(旧・大昭和製紙)白老工場がある。この町では最大の工場。
- 石山(いしやま)地区には播磨化成の工場があるが小規模。また平成元年に石山工業団地を整備し工場を誘致、ポツポツと小さな工場が点在している。
- 石山工業団地の整備に合わせ、同地区に漁業・商業共用として平成2年~平成13年にかけて白老港が建設された。工業団地の状況に比例しているのか、活発に使用されているようには見えない。
- 白老地区に旭化成の工場があるがこれも小規模。
- 三次産業
- 次項「観光」で述べる。
[編集] 観光
- 白老地区にポロトコタンとアイヌ民族博物館、また史跡白老仙台藩陣屋跡及び仙台藩白老元陣屋資料館がある。
- 白老仙台藩陣屋跡は国指定史跡。
- ポロトコタンはかつてアイヌの集落があった場所から移設され、新たに作られた施設である。ポロト湖畔温泉とあわせて観光施設となっている。また、イオル構想に伴い、町内に「中核イオル」が置かれることに決定しているので、アイヌ文化の伝承という面のほかに観光面でも期待されている。
- 虎杖浜地区に虎杖浜温泉があり、国道36号沿いに旅館・ホテルが存在する。また、町内には他にも広い範囲で温泉が湧出している。
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 地域
[編集] 教育
- 専門学校
- 日本航空学園
- 中学校
- 虎杖、白老、竹浦、萩野
- 小学校
- 虎杖、白老、社台、竹浦、萩野、緑丘
[編集] 交通
[編集] 空港
[編集] 鉄道
[編集] バス
かつては苫小牧経由・札幌直通の高速バスも存在したが、2005年に北海道中央バスが、2006年に道南バスが相次いで路線を廃止している。
[編集] 道路
- 高速道路
- 一般国道
- 国道36号
- 白老バイパス
- 国道36号
- 道道
- 北海道道86号白老大滝線
- 北海道道350号倶多楽湖公園線
- 北海道道388号白老停車場線
- 北海道道701号登別港線
- 北海道道1045号千歳白老線
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
[編集] 名所・旧跡・観光
[編集] 祭事・催事
- 白老牛肉祭り(6月)
- 元気まちしらおい港まつり(8月)
- クッタラ湖灯籠流し(8月)
- しらおいチェプ祭(9月)
- 白老八幡神社例大祭(9月)
[編集] 名産
[編集] 出身の有名人
- 太田崇 - 世界ハーフマラソン日本代表
- 高梨利洋 - 元プロ野球選手(ヤクルト)
- 山本宏美 - スピードスケート選手(リレハンメル五輪銅メダリスト)
- 森竹竹市 - 詩人、アイヌ三大歌人の一人
- VOICE (別所芳彦、別所秀彦)- 双子歌手ユニット
[編集] 関連項目
- WEEDしらおい(日本野球連盟 (社会人野球)のクラブチーム)
- ヴィガしらおい(同上。かつては大昭和製紙北海道硬式野球部という実業団チームだった)