ピジン言語
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ピジン言語(-げんご、Pidgin languageまたは単にPidgin)とは、貿易商人など外部の人間と現地人との間に於いて異言語間の意思疎通のために自然に作られた混成語(言語学的に言えば接触言語)。これが根付き母語として話されるようになった言語がクレオール言語である。旧植民地の地域で現地に確立された言語がない場所に多く存在する。英語と現地の言語が融合した言語を「ピジン英語」といい、一般に英語の“business”が中国語的に発音されて“pidgin”の語源となったとされている。なおパプアニューギニアとソロモン諸島ではそれぞれ国内の共通語として使われており、バヌアツではピジン英語がビスラマ語と言う呼称で公用語となっている。
日本では、19世紀中頃より小笠原諸島において、欧米系の元船員および南洋諸島出身者による開墾者が定住しており、早くもピジン英語が日常的に用いられた。その後の明治時代からの日本系開拓民の到来や戦後のアメリカ合衆国統治を経て、とりわけ父島では独特な接触言語が形成されたが、現在は日本語の勢いに押されて、ほとんど使われていない。