フィンガー5
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フィンガー5(フィンガーファイブ、Finger 5)は、1970年代を中心に活躍した歌謡アイドルグループ・男女混合アイドルグループ。メンバーは沖縄県出身の5人の兄弟(男4女1)であり、ダンスをこなしながら歌うスタイルと、メインボーカルであった四男・アキラの、変声期前のハイトーンボイスとその歌唱力やルックス、独特の演出、良質な楽曲などで爆発的な人気となり、ミリオンセラーを飛ばした。
バンドという名目ではあったが、全盛期に楽器演奏を披露する場面はほとんどなかった。解散後も時折音楽活動を行ったり、テレビ出演等をしている。
目次 |
[編集] 略歴
小学生であった長男・一夫、次男・光男、三男・正男が、米国の占領下の沖縄で、父親が経営していたバーにおいて「オールブラザーズ」という名で活動を始める。沖縄のテレビ番組で優勝したのを契機にプロデューサーに薦められ、一夫が14歳の時にパスポートを手に東京へ進出。当初は売れずに苦しい時代をすごしていたが、次第にレコード会社が活動を認めるようになり、1972年に他の兄弟も加わって「フィンガー5」と改名した。翌1973年にリリースした世志凡太プロデュースによる『個人授業』がミリオンセラーとなり、一気に知名度が上がる。その後『恋のダイヤル6700』『学園天国』などをリリース、いずれもミリオンセラーとなり、後世に残る楽曲となった。テレビ・映画にも多く出演した。
5人の中でも特に、年少のアキラとタエコに注目が集まった。デビュー当時は11歳と10歳であり、まだあどけない姿で大人顔負けのステージをこなす姿が人気であった。またアキラは特大のサングラス姿がトレードマークとなっており、それが流行にもなった。
休養も兼ねて、1975年~1976年に米国に滞在。日本を長く留守にしていたこと、メインボーカルのアキラが変声期を迎えて従来のようなハイトーンが出せなくなったことなどから、帰国後は人気が急落。アキラに代わりタエコをメインボーカルに据えるなどの対応策もあったが人気は回復せず、1978年に実質的に解散した。その後、兄弟の中でバンドを再度結成したりするが、期間は限定的であった。
2003年の「The 30th Anniversary!!」では、兄弟5人揃ってのフィンガー5が再結成し、全国から大勢のファンが集まった。四男の晃は、T・AKIRAとして現在もライブ活動などの音楽活動を続けている。
[編集] メンバー
- 玉元 一夫(たまもと かずお、1955年4月8日~) 長男。リードギター担当。コーラス。
- 玉元 光男(たまもと みつお、1957年2月3日~) 次男。ドラム担当。コーラス。
- 玉元 正男(たまもと まさお、1959年2月2日~) 三男。ベース担当。ボーカル。
- 玉元 晃(たまもと あきら、1961年5月9日~) 四男。ギター担当。メインボーカル。
- 玉元 妙子(たまもと たえこ、1962年6月7日~) 次女。キーボード担当。ボーカル。
末期には若干のメンバーの入れ替えがあるが、基本は上記の五人。末期には、下記の二人がメンバーになる。
- 具志堅 実(ぐしけん みのる、1967年1月23日~)上記兄弟の甥っ子。1975年、長男に変わってメンバー入り。
- 安 広司(やす ひろし、1960年4月29日~)上記兄弟のいとこ。最後のシングル『悩ませないで』のみ参加。
[編集] 代表曲
- 個人授業(1973年8月25日)
- 公称145万枚のセールス。シングルレコードのジャケットは水島新司によるメンバーのイラスト。ベルファーレ ダンス ウィズ ユーにて Folderがカヴァー、2006年にはmisonoにもカヴァーされた。なおmisonoは、シングル個人授業に加え、アルバムnever+landには「個人授業」シングルヴァージョンは収録せず、「フィンガー5メドレー」として、「個人→恋のダイヤル→学園天国→恋の大予言→個人」の順で四曲カヴァーした。
- 恋のダイヤル6700(シックスセブンオーオー)(1973年12月5日)
- 公称158万枚のセールス。1997年、西田ひかるが三菱電機のエア・コンディショナー「霧が峰FX」CMで歌詞を変えて歌う。「ダンダン娘」というタイトルでシングルCDとしても発売された。2006年にはMINI☆BOXがカヴァー。
- 公称105万枚のセールス。1988年、小泉今日子によってカヴァーされた。また、2000年には香取慎吾扮する慎吾ママによって「慎吾ママの学園天国」という歌詞を変えた曲も大ヒット。更に、2006年4月1日から放送のテレビアニメ「ふしぎ星の☆ふたご姫Gyu!」のエンディングで、ワンダー☆5が同曲をカヴァーしている。
- 元は「上級生」のB面曲だったが、「恋の大予言」のほうが人気が出たために後にA面とB面が差し替えられた。「恋の大予言」は2005年、テレビ神奈川の子供向け番組「YO!キッズ」の歌のコーナーで、トーバンズ&ジュニアがカヴァー。
- 1975年にフジテレビ系列で月曜19:00-19:30に放映されたアメリカのテレビドラマ「新・名犬ラッシー」の主題歌。しかし、番組のスポンサーが明治製菓であったにもかかわらずフィンガー5はロッテのコマーシャルに出演していたことから、番組では別人が歌っていたという。
[編集] エピソード
- 長男一夫は、芸能活動休止後不動産会社を経営していたが、脳内出血で倒れ後遺症が残り車椅子での生活となる。障害者となった経験を生かし、バリアフリー社会の実現を訴え自由連合から2001年参院選に出馬したが落選。
[編集] テレビ
- 銀座NOW!
- 進め!フィンガー5
- アイドル登場!!
- Dの劇場(2006年8月4日) 晃、妙子、正男が登場し、当時の事を振り返った。
- あの人は今!? 定期的に出演している。
[編集] 映画
- 超能力だよ!全員集合(主演はザ・ドリフターズ)
- ハロー!フィンガー5 (1974年)製作=東宝映像 配給=東宝
- フィンガー5の大冒険 (1974年)東映 監督:石森章太郎(家族4人でカメオ出演あり) 特別出演:仮面ライダーV3
[編集] CD・DVD
- THE VERY BEST OF フィンガー5 発売日 1999年4月21日 | アルバム CD
- COMPLETE COLLECTION 発売日 2001年7月25日 | アルバム CD
- 華麗なうわさ-アルバムNo.4 発売日 2001年7月25日 | アルバム CD
- 学園天国 発売日 2001年7月25日 | アルバム CD
- 個人授業 発売日 2001年7月25日 | アルバム CD
- 恋の大予言-サード・アルバム 発売日 2001年7月25日 | アルバム CD
- 学園天国・Re Mix天国!! 発売日 2001年8月22日 | アルバム CD
- 学園天国 発売日 2001年9月5日 | マキシシングル CD
- ゴールデン☆ベスト フィンガー5 発売日 2003年11月26日 | アルバム CD
- CD&DVD THE BEST フィンガー5 [CD+DVD] 発売日 2005年7月6日 | アルバム CD