石ノ森章太郎
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石ノ森 章太郎(いしのもり しょうたろう、男性、1938年1月25日 - 1998年1月28日)は、日本の漫画家。ジャンルを問わない作品の量産ぶりから「漫画の王様」、「漫画の帝王」の評も。後年自身では『漫画家』という表現を用いずに『萬画家』としたプロフィールも存在している。『萬画家』とした理由は概要を参照のこと。
俳優の小野寺丈は長男。次男の小野寺章は石森プロ並びに石森エンタテインメント社長。
代表作に『サイボーグ009』、仮面ライダーシリーズ(原作)など。
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[編集] 概要
本名、小野寺章太郎。宮城県登米郡石森町(いしのもりちょう、現登米市中田町石森)出身。父・康太郎(こうたろう)、母・カシクの長男として生まれる(姉・弟2人・妹の5人兄弟)。宮城県佐沼高等学校を1956年3月に卒業。
旧名は石森 章太郎で「いしのもり」と読ませるはずだったが、「いしもり」が定着してしまったため、画業30周年を期に、「石ノ森」に改名した。「ノ」の字の表記については、石ノ森存命時、出版物や映像原作表示の際には、他の字に比して縦横2/3~1/2のサイズに表記する(「半角文字ではない」といわれる)ことを求められたケースが殆どであり、それが正式表記といわれることもある。 尚、女優・菊容子の非業の死が切っ掛けで改名したと言う説もある。
高校生のころから、『漫画少年』の寄稿者も含めた漫画業界では「宮城県に天才がいる」と評判になっていたらしく、手塚治虫に『鉄腕アトム』を手伝ってくれないかと依頼されたことがある。アシスタントなので背景や脇役だけを描けば充分であるにもかかわらず、アトムやヒゲオヤジなどのメインキャラクターまですべてを手塚タッチで描いてみせたため、手塚も度肝を抜かれたという。
初期の『少女クラブ』に掲載された作品には、赤塚不二夫との共同ペンネーム「いずみあすか」名義、赤塚不二夫および水野英子との共同ペンネーム「U.マイア」名義のもの等がある。
元々映画監督志望であったこともあり、1971年より放映の実写特撮番組『仮面ライダー』の原作者(既にある漫画の実写映像化ではなく、製作会社である東映の企画に設定とキャラクターデザインを提供、出来上がったものを元に漫画も執筆するという「メディアミックス」における原作者名義)を務めたのをきっかけに、同社における数多くの特撮・変身ヒーロー番組の原作を手がけることになる(このことが一部の漫画ファンからは「本業を疎かにして商業主義に走った」としばしば批判の対象になり、石ノ森ヒーローを支持する特撮ファンとの間に見解の相違を生んでいる)。仮面ライダーやイナズマンでは実際に監督として演出した回もある。また『仮面ライダークウガ』以降のいわゆる平成仮面ライダーシリーズには没後の作品であるため当然制作に関与してはいないものの「仮面ライダー=石ノ森章太郎」というイメージを壊さないためか原作者としてその名をクレジットされている(『仮面ライダークウガ』の第1回目の冒頭では、「この作品を石ノ森章太郎先生に捧げる」というメッセージが放送された)。この事と関係しているのか彼の誕生日であった1月25日(2004年)に『仮面ライダー剣』が始まり、3回目の命日になる2001年1月28日には『仮面ライダーアギト』が、9回目の命日になる2007年1月28日には『仮面ライダー電王』が始まった。
上記のとおり、漫画に関する技量は非凡であり、また、多くのジャンルで冴え渡ったその才能もあった。
後年、漫画には「面白い、おかしい」だけではない多数の表現が可能になったとして、漫画の新しい呼び名「萬画(マンガ)」を提唱し「萬画宣言」を発表した。萬画宣言を発表した後は、自らの職業の事を漫画家ではなく萬画家と称していた。
享年60。死因はリンパ腫による心不全。誕生日の3日後であった。戒名は「石森院漫徳章現居士」。墓は東京都豊島区池袋三丁目の祥雲寺にある。
ちなみに松本零士と生年月日が全く同じである。また、『AKIRA』などで知られる大友克洋は、同郷、同高校出身。
[編集] 経歴
- 1954年 -『漫画少年』での「二級天使」連載でデビュー。
- 1963年 - アニメーション制作会社スタジオ・ゼロ設立に参画。
- 1968年 - 石森章太郎プロダクションを設立。『ジュン』・『佐武と市捕物控』により第13回小学館漫画賞を受賞
- 1985年 - デビュー30周年を機に「石ノ森」に改名。
- 1988年 -『ホテル』・『マンガ日本経済入門』により第33回小学館漫画賞を受賞
- 1988年 -『マンガ日本経済入門』により第17回日本漫画家協会賞大賞を受賞
- 1989年 -「萬画宣言」を発表
- 1998年 - 全作品に対し、第27回日本漫画家協会賞文部大臣賞を受賞
- 1998年 - 第2回手塚治虫文化賞 マンガ特別賞 受賞(マンガとマンガ界への長年の貢献に対して)
[編集] 作品リスト(一部)
- イナズマン
- 快傑ハリマオ 原作:山田克郎 石ノ森は作画を担当
- 仮面ライダー - 仮面ライダーシリーズも参照の事。
- 仮面ライダーアマゾン 講談社の幼年誌テレビマガジンで連載。仕上げは石川森彦の手による。
- 仮面ライダーBlack
- がんばれ!!ロボコン
- ギルガメッシュ
- グーチョキパッコン(学研の「1~2年の科学」連載のみ)
- 草壁署迷宮課おみやさん
- グリングラス
- 原始少年リュウ
- 現代経済入門
- 幻魔大戦(原作は平井和正)
- サイボーグ009
- 佐武と市捕物控
- 猿飛佐助
- ジュン
- 人造人間キカイダー
- スカルマン
- 009ノ1
- 千の目先生=好き!すき!魔女先生
- チックンタックン
- 塚原卜伝
- ドッグワールド
- となりのたまげ太くん
- ドンキッコ
- 八百八町表裏 化粧師(けわいし)
- 秘密戦隊ゴレンジャー(秘密戦隊ゴレンジャーごっこ)
- ブルーゾーン
- 変身忍者 嵐
- 北斎
- 星の子チョビン
- HOTEL
- ボンボン
- マンガ日本経済入門
- マンガ日本の歴史
- 未来救助隊アスガード7
- ミラクルジャイアンツ童夢くん
- 宮本武蔵
- ミュータントサブ
- 龍神沼
- リュウの道
- ロボット刑事
[編集] 特撮原作
この欄で紹介する作品は、漫画が原作というわけではない(詳細は上記の「概要」を参照)。また、自らは漫画を描いていない作品も少なくない。
- アクマイザー3
- イナズマン
- イナズマンF
- 宇宙鉄人キョーダイン
- 快傑ズバット
- キカイダー01
- 兄弟拳バイクロッサー
- ジャッカー電撃隊
- 人造人間キカイダー(後にアニメも作られた)
- 人造人間ハカイダー
- 星雲仮面マシンマン
- 大鉄人17
- 超神ビビューン
- 東映不思議コメディーシリーズ
- 秘密戦隊ゴレンジャー
- ボイスラッガー - 自らキャラクターデザインを手掛けた最後の作品。そのため、放送当時は「遺作にして最新作」と呼ばれた。
- 仮面ライダー
- 仮面ライダーV3
- 仮面ライダーX
- 仮面ライダーアマゾン
- 仮面ライダーストロンガー
- 仮面ライダー (スカイライダー)
- 仮面ライダースーパー1
- 仮面ライダーZX
- 仮面ライダーBLACK
- 仮面ライダーBLACK RX
- 真・仮面ライダー 序章
- 仮面ライダーZO
- 仮面ライダーJ
- KIKAIDER00 - 晩年の未映像化企画、S.I.C.にて具現化する。
- ロボコン(正式タイトル不明) - 晩年の未映像化企画、ロビーナのデザインなど『燃えろ!!ロボコン』の参考になった。
以下は没後製作されたが、テロップでは原作者とされている。
- 燃えろ!!ロボコン
- 仮面ライダークウガ
- 仮面ライダーアギト
- 仮面ライダー龍騎
- 仮面ライダー555
- 仮面ライダー剣
- 仮面ライダー響鬼
- 仮面ライダー THE FIRST
- 仮面ライダーカブト
- 仮面ライダー電王
[編集] 八手三郎との共作扱い
作品自体は八手三郎原作だが、石ノ森の手によるキャラクターも登場しているため共作扱いになっている。
[編集] アニメ原作
- 空飛ぶゆうれい船 - 氏の短編漫画「ゆうれい船」が原作になっている。
- ワンダーベビルくん - 氏の遺稿原案を元にして制作された。
- 氷河戦士ガイスラッガー
- 星の子チョビン
- 人造人間キカイダー - 『人造人間キカイダー THE ANIMATION』『キカイダー01 THE ANIMATION』の2作品に分けてアニメ化。
- さるとびエッちゃん
[編集] ドラマ原作
- レッドビッキーズシリーズ
- がんばれ!レッドビッキーズ
- それゆけ!レッドビッキーズ
- フラワーアクション009ノ1 - 氏の漫画「009ノ1」が原作になっている。
[編集] 映画原作
[編集] 他作家が執筆した漫画の原作
映像作品のコミカライズは除く。
- 仮面ライダーSD(作画:あおきけい、かとうひろし)
- スカルマン(作画:島本和彦)※石ノ森本人が執筆したオリジナル版の続編。島本版のために、新たに原作となるプロットを書き下ろしている。
- 駈斗戦士 仮面ライダーズ(作画:小西紀行)
[編集] その他
- 石ノ森章太郎のマンガ超電導講座-講談社Quark編。高温超電導体の発見、フィーバーの様子を独特の表現で描いた。
- シージェッター海斗(→参照)
- みごろ!たべごろ!笑いごろ! - デンセンマンのキャラクターデザイン
- マナビィ
- デューン/砂の惑星-フランク・ハーバートの長編SF小説。初期の日本語版(早川書房)の表紙イラストと挿絵を手がけた。
- 宇宙からのメッセージ-原案の一人として参加。映画のコミカライズ、ならびに野田昌宏による小説版のイラストも手がけた。
- あしたの朝は星の上
- 2012 009 conclusion GOD'S WAR-これのために膨大な量のプロットを用意したが、自身が作品として執筆したのは第2章の初稿のみ。その他の部分は、小野寺丈が共著という形で完成させた。
- 漫画の表現規制を求める「コミック規制騒動」に対し、「コミック表現の自由を守る会」を結成し、表現規制の動きを食い止めた。
[編集] 主な出演作品
原作者という立場ではあるが、いくつかの作品では、石ノ森章太郎本人がテレビ番組や映画作品中に出演している。
出演時期によっては「石森章太郎」名義になっている。
[編集] テレビ
- 仮面ライダー (1972年、東映) 釣り人
- イナズマン (1973年、東映) 助手
- 快傑ズバット (1977年、東京12チャンネル) 石森選手
- ロボット110番 (1977年、東映) ロボット博士
- 大恐竜時代(アニメ) (1979年10月7日公開、日本テレビ) ジュン(主人公)の父
[編集] 映画
- フィンガー5の大冒険 (1974年、東映) 観客として家族4人でカメオ出演(監督も行っている)。
- 仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王(1980年、東映)
- 仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ(1988年、東映)
[編集] ビデオ
- 真・仮面ライダー 序章(1992年、東映)
[編集] アシスタント
[編集] 関連項目
- トキワ荘
- 日本の漫画家一覧
- 宮城県出身の有名人一覧
- 作品がテレビアニメ化されたことがある漫画家一覧
- 作品がテレビドラマ化されたことがある漫画家一覧
- 作品が映画化されたことがある漫画家一覧
- フジテレビ番組一覧
- オバケのQ太郎
- レインボー戦隊ロビン
- 仮面ライダーSPIRITS
- 仙石線(マンガッタンライナー運行)
- S.I.C.
- チェンジング・ナウ(石ノ森章太郎原作の特撮作品などをモチーフとしたキャラが多数登場。(石ノ森章太郎以外の原作をモチーフとしたキャラクターも少し登場。))