ホウヨウボーイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
性別 | 牡 |
---|---|
毛色 | 栗毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1975年4月15日 |
死没 | 1982年5月30日 |
父 | ファーストファミリー |
母 | ホウヨウクイン |
生産 | 豊洋牧場 |
生国 | 日本(北海道新冠町) |
馬主 | 古川嘉治 |
調教師 | 二本柳俊夫 |
競走成績 | 19戦11勝 |
獲得賞金 | 2億7466万0000円 |
ホウヨウボーイは1980年有馬記念・1981年天皇賞(秋)を制した日本の競走馬。シンザン以来、2年連続で年度代表馬に輝いた。
(馬齢は旧表記に統一する。)
目次 |
[編集] 誕生
1975年4月15日、1928年に当時は競馬生産界の僻地だった門別で開場以来大した成功を収める事が無かった豊洋牧場に一頭の栗毛馬が誕生した。母・ホウヨウクインは祖父が名種牡馬・ネアルコのレアリーリーガルを父に持つ牝馬。父・ファーストファミリーは『ビッグレッド』の異名を持つアメリカ三冠馬・セクレタリアトの半兄に当たり、入手直前にセクレタリアトが三冠達成した為に危うく別の人に売られそうになった馬であった。こうして「ロイヤルチャージャー4×3」と言うインブリード(所謂『奇跡の血量18.75%』)を持つ良血として生まれたホウヨウボーイは、豊洋牧場20頭の当歳馬の中では尤も期待が持てる馬であった。ところが、育成が佳境に入った所で購入予定の馬主が購入額(1000万円)の半減を申し出し、牧場がそれを蹴った為約束は破談。ホウヨウボーイは売れ残ってしまった。だが、豊洋牧場創設者・古川嘉治は内心小躍りした。今迄は売れ残りの駄目馬ばかりだったのが、今回は最高傑作を自分の持ち馬として走らせられるのである。こうして、ホウヨウボーイは古川嘉治自ら馬主となり、3歳秋二本柳俊夫厩舎に入厩した。
[編集] 戦績
3歳暮に中山でデビューしたホウヨウボーイは、1番人気に応え6馬身差で圧勝する。ところが、レース後に骨折が判明し休養を余儀無くされる。しかも、骨折が完治し復帰を目指した矢先に別の脚を骨折。この二度に亘る骨折でクラシックシーズンを棒に振る。その間、父・古川嘉治の死去で落ち込んでいた古川博はホウヨウボーイの引退・乗馬入りを考えたが、同馬の素質を高く買っていた二本柳俊夫はタニノチカラを例に挙げそれを押し止めた。
デビュー戦から1年9ヶ月のブランクを経て復帰を果たしたホウヨウボーイは、常に連対を果たしながら条件戦を勝ち上がり、日経賞を快勝して遂にステークスウイナーの仲間入りを果たす。その後2戦を挿み秋の天皇賞に出走したが、強敵・カツラノハイセイコを気にし過ぎた結果プリテイキャストの大逃げを許し、初めての着外・7着に惨敗。だが、続く有馬記念は前走の無念を晴らすかの様にハナ差でカツラノハイセイコを破り、この勝利が決め手となり6歳にして年度代表馬になった。
翌年、アメリカジョッキークラブカップを勝って中山記念を2着するも、骨瘤で秋まで休養。オールカマーは5着に敗れるが、秋の天皇賞ではモンテプリンスとの壮絶な叩き合いをハナ差制する。続いて第1回ジャパンカップに出走するも、よもやの6着に敗れる(優勝・メアジードーツ)。尤も、このときはゲートに顔をぶつけ、歯を3本折り出血しながらのレースだった。そして引退レースの有馬記念では、同じ厩舎のアンバーシャダイの強襲の前に2着に敗れる。それでも、ホウヨウボーイは2年続けて年度代表馬となった。2007年現在、年度代表馬に2年連続で輝いたのは他にシンザン、シンボリルドルフ、シンボリクリスエス、ディープインパクトのみである。
そして有馬記念を最後に引退・種牡馬入りするが、翌年5月30日…奇しくもホウヨウボーイが参戦すら出来なかった日本ダービー開催日に、ストレス性の胃破裂で急死してしまった。種付けした牝馬は僅かに48頭、1世代しか血を残せなかった。
[編集] ホウヨウボーイは女好き?
秋の天皇賞でプリテイキャストに敗れるまで連対率100%だったホウヨウボーイ。其れ迄3回負けていたが、何れも1着馬は牝馬だった。又、パドックで『馬っ気』を出している事も多く、パドックの周回順で牝馬の次にならない様に調教師が主催者に申し入れをした事が有った(事実、優勝した第84回天皇賞では同枠の牝馬・ハセシノブを避けるべく、8枠16番のオーバーレインボーの後ろを歩かせる作戦を採っている)。その様な事から、『ホウヨウボーイは女好き?』という噂が出ているのであろう。なお、8回負けたうちの6回の1着馬は牝馬だった。このことから、「ターフのフェミニスト」とも称された。
又、その様な噂に違わず、種付けは上手かったと言う。
[編集] 血統表
ホウヨウボーイの血統 (ロイヤルチャージャー系)/Royal Charger4×3=18.75% | |||
父
*ファーストファミリー First Family 1962 栗毛 |
First Landing 1956 鹿毛 |
Turn-to | Royal Charger |
Source Sucree | |||
Hildene | Bubbling Over | ||
Fancy Racket | |||
Somethingroyal 1952 鹿毛 |
Princequillo | Prince Rose | |
Cosquilla | |||
Imperatrice | Caruso | ||
Cinquepace | |||
母
ホウヨウクイン 1969 鹿毛 |
*レアリーリーガル Really Regal 1962 栃栗毛 |
Royal Charger | Nearco |
Sun Princess | |||
Fresh Air | Fair Trial | ||
Refreshed | |||
豊隼 1962 芦毛 |
*フェリオール Ferriol |
Fastnet | |
Aisse | |||
ダツシングラス | ダツシング | ||
第弐フラツシングラス F-No. |