ホンダ・S2000
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホンダ・S2000 | |
---|---|
AP1型(1999年4月-2005年11月) | |
AP2型(2005年11月-) | |
製造期間 | 1999年- |
ボディタイプ | 2ドア オープン |
エンジン | AP1型(1999年4月-2005年11月) F20C型 2.0L 直4 250ps AP2型(2005年11月-) F22C型 2.2L 直4 242ps |
トランスミッション | 6速MT |
駆動方式 | FR |
全長 | 4135mm |
全幅 | 1750mm |
全高 | 1285mm |
ホイールベース | 2400mm |
車両重量 | 1999年4月-2005年11月 1240-1260kg 2005年11月- 1250-1270kg |
乗車定員 | 2人 |
同クラスの車種 | マツダ・ロードスター トヨタ・MR-S 日産・フェアレディZ(ロードスター) |
S2000とは、本田技研工業で生産・販売されているオープン2シータースポーツカー(自動車)であリ、同社が販売する唯一のFR車である。
1995年の東京モーターショーでホンダ・SSMとして参考出展されて話題となり、その後、同社のNSX開発陣の手によって市販化が進められ1999年にデビュー。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 初代(1999年- AP1/2型)
- 1999年4月15日 本田技研工業設立50周年記念として、S600/S800の血統を引くオープンスポーツカーとして発売された。
- 2000年7月14日 VGS(可変ギアレシオステアリング)を装備した「S2000 typeV」が追加された。
- 2001年9月14日 初のマイナーチェンジで、リアスクリーンをガラスに変更。内/外装色に新色が追加され、それらと幌色の組み合わせを選択出来る「カスタムカラープラン」を導入。エンジンフィールの洗練化、サスペンションのセッティングが見直された。
- 2003年10月17日 2年ぶりのマイナーチェンジ。外観上はヘッドライトの意匠が変わり、テールライトにLEDが採用される。性能面では17インチホイールの採用に伴い、ボディ剛性の強化、サスペンションセッティングの見直しを行い、安定性を増した。トランスミッションにカーボンシンクロナイザーを採用し、シフトフィーリングが大幅に改善されている。
- 2005年11月24日 日本仕様がマイナーモデルチェンジで排気量が2,200ccとなり、型式がAP1→AP2に変更された。エンジンの最高出力は250→242psに、回転数は9,000→8,000rpmへと落とされたが低中速のトルクが向上した。スロットルボディにはDBWが採用され、トラクションコントロールもより安定方向にセッティングされた。
- 2006年モデルの北米仕様も同様の改良が施され、ギア比もローレシオ化された。日本仕様には設定されなかったクルーズコントロールが設定されており、250km/hまで設定できるようになっている。
- 2007年4月4日 ニューヨーク国際オートショーで「S2000 CR」プロトタイプを発表。「CR」とは、休日などにモータースポーツを楽しむ人達を指す「クラブレーサー (Club Racer)」の略。「クラブマン」と同じ意味合いである。変更点は、ボディ剛性を保ちながらの40kgの軽量化と、スプリングやダンパーのチューニングを中心とした足回りの強化。外観では、専用のフロント・リアスポイラー、ヘッドレスト・フェアリングなどの空力部品や、ソフトトップに代わる脱着式のアルミ製ハードトップが目を引く。
[編集] パワープラント
- 駆動方式は、ホンダとしては29年ぶりとなるフロントエンジンの後輪駆動。6速MTを採用。エンジンルームに縦置きにされた直列4気筒 DOHC VTEC NA 2,000cc「F20C」エンジンは、最高出力250ps(リッターあたり125ps)を発生させる。このエンジンは、全日本ツーリングカー選手権(JTCC)に参加していたレース用アコードのエンジンをデチューンして市販化したものといわれており、タイミングベルトの代替としてチェーンを使用している点が特徴的である。
- 2004年からの北米仕様向けモデルは、エンジンを「F20C2」に変更。従来の「F20C」を元に、ボアの口径はそのままにストロークを84.0mmから90.7mmに変更して、排気量を2,200ccに拡大された。これは主に北米市場からの「乗りやすさ」を求めた要望によるもので、常用域におけるトルク増加が目的とされている。その代償として、このエンジンの特徴である高回転型の特性が若干損なわれ、結果的にピークパワーが削られた。日本においても2005年11月のマイナーチェンジ時に、エンジンを「F22C」に変更された。
2,200cc化の手法については、オーナーやファンの間で物議を醸している。
エンジンの排気量を上げるにはボアアップという手段があるが、ボア間の寸法に余裕が無く、ボアアップを行うにはエンジン寸法の変更が必要であった。そのために高回転型の特性を損なうがストロークアップを選択された。なお、最大出力回転数(7,800rpm)からレブリミット(8,000rpm)までの余裕が少ない。
パワーハウス・アミューズの田名邊秀樹氏によれば、8,500rpmに引き上げないとパワーバンドが極端に狭い車になってしまうとの事。この設定はパワーが出過ぎる為の意図的な封印ではないかと推測され、ECU交換でレブリミットを8,500rpmに上げても、すぐに壊れることは無い(ただし、当然メーカーは保証していない)
[編集] エンジン仕様
[編集] デビュー当時
型式: F20C
- 種類: 直列4気筒 DOHC VTEC
- 排気量: 1,997cc (87.0×84.0)
- 最高出力: 184kw(250ps)/8,300rpm
- 最大トルク: 218Nm(22.2kgm)/7,500rpm
[編集] マイナーチェンジ後
型式: F22C
- 種類: 直列4気筒 DOHC VTEC
- 排気量: 2,156cc (87.0×90.7)
- 最高出力: 178kw(242ps)/7,800rpm
- 最大トルク: 221Nm(22.5kgm)/6,500~7,500rpm
[編集] 生産
- かつて、NSXの専用生産工場として建設された同社栃木製作所高根沢工場で1999年の登場時より生産されていたが、2004年4月にホンダの完成車一貫生産構想に基づき、高根沢工場での生産を中止し、現在は同社鈴鹿製作所の少量車種専用ライン、TDラインへ生産を移管している。
- 同社で生産される他の車と比べて発注から納車までの期間がかかる。2005年現在、生産枠の空き状況の変動により、二ヶ月から三ヶ月半待ちと言われている。
[編集] 外部リンク
- S2000 公式サイト(本田技研工業)
- Sシリーズの歴史(本田技研工業)
- こだわりを受け継いだ 鈴鹿製作所 TDライン(本田技研工業)