マルクス兄弟
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マルクス兄弟(まるくすきょうだい、マルクス・ブラザース、Marx Brothers) は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク出身のコメディ俳優 。
5人兄弟のうちのチコ、ゼッポ、グルーチョ(グラウチョ)、ハーポの4人を一般にマルクス兄弟と称する。ドイツの経済学者・哲学者であるカール・マルクスとは、無関係。
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[編集] 略歴
ユダヤ系ドイツ移民を父に持つ。家庭の貧しさのため、学校を中退し、兄弟で舞台に立つ。最初は音楽中心だったが、のちに喜劇を中心に活動。
ナンセンスでスピーディーなギャグで有名。日本のコメディー・グループ(特に、ザ・ドリフターズ)に与えた影響も大きい。ブルトン、ダリを初め、レヴィ・ストロース、アルトーなど思想家達にも愛された。ハーポの狂奔的な動きと、グルーチョのマシンガントークが最大の売り。ちなみに、グルーチョのヒゲは最初は付けヒゲだったが、のちに、黒く塗るようになった。
ゼッポは、『我輩はカモである』を最後にチームを脱退。兄弟での活動が終了した後、グルーチョはラジオやテレビに活動の場を移す。ハーポとチコも、時々、テレビ・バラエティーなどに出演。
淀川長治は、マルクス兄弟について「映画ではなく舞台である」と発言している。
- チコ:本名レナード・マルクス(Leonard Marx, 1887年3月22日 - 1961年10月11日)
- ハーポ:本名アドルフ・マルクス(Adolph Arthur Marx, 1888年11月23日 - 1964年9月28日)
- グルーチョ:本名ジュリアス・ヘンリー・マルクス(Julius Henry Marx, 1890年10月2日 - 1977年8月19日)
- ガンモ:本名ミルトン・マルクス(Milton Marx, 1892年10月23日 - 1977年4月21日)
- ゼッポ:本名ハーバート・マルクス(Herbert Marx, 1901年2月25日 - 1979年11月30日)
[編集] 作品リスト
- 「ココナッツ」The cocoanuts(1929)
- 「けだもの組合」Animal Crackers(1930)
- 「いんちき商売」Monkey Business(1931)
- 「御冗談でショ」Horse Feather(1932)
- 「我輩はカモである」Duck Soup(1933)
- 「オペラは踊る」A Night at the Opera(1935)
- 「マルクス一番乗り」A Day at the Races(1937)
- 「ルーム・サーヴィス」Room Service(1938)
- 「マルクス兄弟珍サーカス」At the Circus(1939)
- 「マルクスの二挺拳銃」Go West(1940)
- 「マルクス兄弟デパート騒動」The Big Store(1941)
- 「マルクス捕物帖」A Night In Casablanca(1946)
- 「ラヴ・ハッピー」Love Happy(1949)
[編集] 備考
非SI接頭辞において10-27、10-30、10-33、10-36、10-39を表す「ハーポ」、「グルーチョ」、「ゼッポ」、「ガンモ」、「チコ」はマルクス兄弟の名から取られている。
[編集] 参考文献
- ポール・D・ジンマーマン『マルクス兄弟(ブラザーズ)のおかしな世界』中原弓彦・永井淳訳、晶文社、1972年、ISBN 4794958226
- 小林信彦『世界の喜劇人』新潮社〈新潮文庫〉、1983年、ISBN 4101158061
- いとうせいこう監訳『マルクス・ラジオ』角川書店、1995年、ISBN 4048834258
- グルーチョ・マルクス『グルーチョ・マルクスの好色一代記』諸岡敏行訳、青土社、1993年、ISBN 4791752848
[編集] 外部リンク
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