マーカス・ミラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マーカス・ミラー(Marcus Miller,1959年6月14日 - )は、アメリカのベーシスト、音楽プロデューサー、作曲家・編曲家である。ジャズ・フュージョン界にて活躍している。
フェンダーのベースを持ち、スラップ/タッピング(チョッパー)による深みのある音、ここぞというところに打ち込む音と作る間、グルーヴ感が最大の魅力。特に、スラップ/タッピングの独特なサウンドは、他のベーシストに大きな影響を与えた。20世紀末 - 21世紀初頭の米国のブラック・フィーリング、黒い音を表現する音楽家の一人。
マーカスの愛機ともなっている77年製のフェンダー・ジャズベースは、ロジャー・サドウスキーの手によってアクティブ化改造されたものである。 もともとこの年代のフェンダー・ベースは品質があまりよくなく、人気もそれほど無かったが、それを改造して見事なスラップサウンドを放つマーカスのスタイルはベーシスト達に大きく影響を与えた。 今では70年代製のジャズベースも高い人気を誇っており、マーカスのようなアクティブ化の改造も多く見られる。
また、ウィントン・ケリーの甥。
[編集] 来歴
- ニューヨーク生まれ。
- クラリネット、サックス、エレクトリックベースを手にする。
- 音楽教育:ニューヨークの芸術学校とクイーンズ・カレッジ。
- 1979年 プロとして独立。GRP(デイヴ・グルーシンとラリー・ローゼンが設立したプロダクション、後にレーベルとして独立)のスタッフ・ミュージシャンとなる。
- ブレッカー・ブラザーズ、渡辺香津美らとセッション。
- 1981年 マイルス・デイヴィスの"The Man With The Horn"にベーシストとして抜擢される。
- 1983年 デビュー・アルバム"Suddenly"発表。自身がヴォーカリストとして参加。
- 1984年 アルバム"Marcus Miller "発表。日本盤は『パーフェクト・ガイ』名。
- プロデュース、セッション・ミュージシャンとして、マイルス・デイヴィス、ジョージ・ベンソン、デイヴィッド・サンボーン、ロバータ・フラック、チャカ・カーン、ルーサー・ヴァンドロス、Dr.ジョンやドナルド・フェイゲンらのレコーディングに参加。
- 1987年 生まれ育った街クイーンズの仲間、バーナード・ライトやレニー・ホワイトらとジャマイカ・ボーイズを結成。"Self-Titled"を発表。
- 1989年 ジャマイカ・ボーイズの第2作"J. Boys"発表。以後活動はない。
- 1991年 ライブ・アンダー・ザ・スカイに出演。『RUN FOR COVER』など、好評を博す。
- 1992年 ライブ・アンダー・ザ・スカイに出演。
- 1993年 アルバム"The Sun Don't Lie"発表。日本盤は『ザ・キング・イズ・ゴーン』名。生前のマイルス・デイヴィス、デイヴィッド・サンボーン、ジョナサン・バトラー他多数の有名ミュージシャン出演。
- 1995年 アルバム"Tales"発表。
- 2000年 ベスト・アルバム"Best Of '82-'96"発表。
- 2001年 アルバム"M2"発表。日本盤は『M2~パワー・アンド・グレイス』名、ボーナス・トラックあり。
- 2001年 第44回グラミー賞「最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞」を獲得。
- 2002年 アルバム"the Ozell Tapes"発表。
- 2005年 アルバム"Silver Rain "発表。
- 2005年 ブルーノート東京に出演。
- 2005年 東京JAZZ2005に出演。
- 2006年 東京JAZZ2006に出演。