エレクトリックベース
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エレクトリックベースは低音部の弦楽器(撥弦楽器)のひとつ。エレキベース、電気ベース、あるいは単にベースとも呼ばれる。弦の本数は基本的に4本。弦が5本や6本以上のものなどは多弦ベースと呼ばれる。
なお、この項では、「エレクトリックベース」は、エレクトリックベースギター(electric bass guitar)を指すものとする。「エレクトリックベース」は本来は電気的に増幅しない(アコースティックな)ベースに対しての語であるべきだが、エレクトリックベースギターが発売された当初は他に電気的に増幅することを前提として設計されたベースがなかったため、慣例としてこの語が「エレクトリックベースギター」を指すようにもなった。(本項で後述する)
発音方式、ボディ形状タイプ及び増幅方式はエレクトリックギターに準ずる。
コンサートなどでは立って演奏する事が多く、その場合はストラップで肩から吊り下げて使う。
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[編集] 概要
その音域やチューニング、演奏上のパートの役割、演奏効果等から見るとコントラバスの代用と考えられるが、構造や発明された当時の発想等から見るとむしろギターの1オクターブ低い楽器と考えられる。例えばフレットの採用である。極初期のエレキベースの製品名にプレシジョンベースというものがあるが、「プレシジョン」とは「正確」という意味である。この名前はそれ以前のコントラバスなどにはフレットがなく、訓練された演奏者にしか正確な音程は出せなかったのが、フレットをつけたベースによって弦のチューニングさえ合っていれば誰でも正確な音程が簡単に出せる、ということからつけられた。ちなみに、コントラバスなどフレットのない楽器でハイポジションでの音程を正確に出すにはかなりの修練が必要になる。
エレクトリックベースの登場を必要としたジャズ、ブルース、ポップス等の音楽においては、それ以前のクラシック音楽などとは違ってコントラバスをフィンガー・ピッキング(ピチカート)で演奏することが主となっていたため、エレクトリックベースもピチカート的な奏法、あるいはギターの奏法であるピック奏法を前提とすることとなった。したがってエレクトリックベースではボウイングによる演奏は考慮されず、実際に楽器の構造上ほぼ不可能である。
以上のような事柄からエレキベースはギター属の楽器だと考えられるが、まだ諸説入り乱れた状態である。これは楽器としての歴史が比較的浅いこともあり完成形に達したとは断定しにくい状況であるためだが、この状況は同時にまだ発達・進化する可能性があるということも示しており、現に日々新しいアイデアによって作られたエレキベースが作られつづけている事からもそれはうかがえる。
コントラバスとの違いでもう一つ大きな部分は倍音構成である。コントラバスでは基音の音量が大きいがエレキベースでは第2次倍音がより大きく聞こえる。そのためエレキベースはコントラバスよりも1オクターブ高い楽器だと勘違いされる事が多いが、実際には大口径のスピーカーを用いたアンプを用い低周波拡声の環境を整えると基音もはっきり聞こえる。
[編集] 構造上の形式
- フレッテッド
- フレットレス
- 1弦ベース
- 2弦ベース
- 3弦ベース
- 4弦ベース
- 5弦ベース
- 6弦ベース
- 7弦ベース
- 8弦ベース
- 10弦ベース
- 12弦ベース
- アコースティック・ベース(フォークギター・スタイル)
- セミアコースティック・ベース
- その他(スティック、ワーギター、その他)
[編集] 奏法
- ピック奏法
- フィンガー・ピッキング
- ワンフィンガー・ピッキング
- ツーフィンガー・ピッキング
- スリーフィンガー・ピッキング
- スラップ奏法(チョッパー)
- タッピング奏法
- グリッサンド
[編集] 習得方法
- フォーム
- ピッキング
- 左手フィンガリング
- フレージング
- 理論
- 音感習得