モスラ
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『モスラ』は、(昭和36年)1961年に公開された、東宝製作の怪獣映画。およびそれに登場した架空の怪獣の名前。日本最初のワイド・スクリーンの怪獣映画である。怪獣としてのモスラについてはモスラ (架空の怪獣)を参照。
1997年にリメイク版が制作・上映されたが、1961年の映画とは物語的に関係がない。翌1998年には、1961年の内容を忠実に再現したサウンドドラマが制作された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要・特色
1960年安保闘争の翌年の作品で、当初世界同時公開が予定されていたこともあり(実際は短縮されて翌年公開)、ロリシカ(原作ではロシリカ)として描かれた米国との関係や、サンフランシスコ講和条約で日本が独立を回復したはずであるにもかかわらず、外国人の犯罪捜査や出入国管理が相変わらず在日米軍主導で行なわれていること、モスラがわざわざ横田基地を通ることなど、当時の日本の政治状況を反映した描写が目立つ。
本作で初めて登場した怪獣モスラは、その後も多くの作品で活躍し、ゴジラ、ラドンと並び東宝三大怪獣と称される。
ザ・ピーナッツが歌い、後々の作品にも歌い継がれている「モスラの歌」は、インドネシア語に基づくもの。大意はモスラの加護を乞い、平和を祈る内容である。
また、主人公の名前福田善一郎は、原作者3人の名前を組み合わせたもの。
[編集] あらすじ
嵐による難破でロリシカ国の水爆実験海域に入り込んでしまった日本の漁船員たちには、不思議なことに放射能障害が見られなかった。
その謎を探るべく、実験場となった南海の孤島、インファント島に赴いた調査隊のロリシカ側代表ネルソンは、島で見つけた双子の妖精、小美人を捕らえ、見世物にし始めた。彼女たちを救いに島の守り神である大怪獣モスラがやってきつつあることも知らずに……。
調査隊に参加していた新聞記者の福田、言語学者の中條、カメラマンの花村の3人は小美人が捕らわれたことを知り、ネルソンに抗議を申し入れるが鼻であしらわれる。せめて小美人たちを慰めようと優しく話しかけた福田たちはテレパシーにより小美人からモスラの脅威を知らされ、改めてネルソンに彼女たちをインファント島に戻すよう説得するが拒絶されてしまう。
やがて日本に上陸したモスラは小美人を求め、街を破壊しはじめる……。
[編集] スタッフ
- 製作:田中友幸
- 監督:本多猪四郎
- 原作:中村真一郎、福永武彦、堀田善衛 『発光妖精とモスラ』ISBN 4480803297 (『週刊朝日』別冊掲載)
- 脚色:関沢新一
- 撮影:小泉一
- 美術:北猛夫、阿倍輝明
- 特技監督:円谷英二
- 特技撮影:有川貞昌
- 特技美術:渡辺明
- 音楽:古関裕而
[編集] キャスト
- 福田善一郎(日東新聞記者):フランキー堺
- 中條信一(言語学者):小泉博
- 花村ミチ(カメラマン):香川京子
- クラーク・ネルソン:ジェリー伊藤
- 小美人:ザ・ピーナッツ(伊藤エミ、伊藤ユミ)
- 原田博士:上原謙
- 天野貞勝(日東新聞社編集長):志村喬
- 防衛軍指揮官:伊藤久哉
- ヘリコプター操縦士:佐原健二
- 核総合センター院長:平田昭彦
- 防衛長官:河津清三郎
- ラーフ博士:オーベル・ワイアット
- 第二玄洋丸船長:小杉義男
- ロリシカ大使:ハロルド・コンウェイ
- はやかぜ艦長:三島耕
- ネルソンの部下:オスマン・ユセフ
- 第三ダム係員:広瀬正一
[編集] 挿入歌
[編集] モスラの歌
- 作詞:由起こうじ
- 作曲:古関裕而
- 編曲:古関裕而
- 歌:ザ・ピーナッツ(伊藤エミ、伊藤ユミ)
作詞の由起こうじは田中友幸、本多猪四郎、関沢新一の共同ペンネームである。 また、歌詞の原稿は作曲者の古関裕而記念館に展示してある。
[編集] インファントの娘
- 作詞:池すすむ
- 作曲:池すすむ
- 編曲:古関裕而
- 歌:ザ・ピーナッツ(伊藤エミ、伊藤ユミ)
[編集] ドラマCD
再現戯曲シリーズ1として、1961年版映画の原作に忠実に、また音楽・効果音はその当時のままで、1998年に制作された。
ストーリーは、日東新聞社・社会部デスクの福田善一郎が記者生活最後の日に自分の体験談を若手記者に聞かせる形式で描かれている。
CDには1961年版映画には無いシーンも含まれるが、小美人の台詞だけは映画と完全に同じである。
[編集] キャスト
- 福田善一郎(スッポンの善):関智一
- クラーク・ネルソン:山寺宏一
- 中条信一博士:野沢那智
- 小美人:今井由香、長沢美樹
- 花村ミチ(カメラウーマン):柳原みわ
- 天野貞勝(デスク):加藤精三
- 原田博士:岡部政明
- ダニー:遠近孝一
- ラーフ(探検隊々長):河口宏
- 若手記者1:小西克幸
- 若手記者2:諏訪部順一
- 女記者:茂呂田かおる
- 船長(第二玄洋丸):花田光
- 船員(第二玄洋丸):肥後誠
[編集] 外部リンク
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