ユダ (北斗の拳)
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ユダは、漫画『北斗の拳』に登場する、架空の人物。
[編集] 声の出演
[編集] 人物
南斗六聖拳「妖星」の男。拳速に優れ、その衝撃波からの斬撃に長じる南斗紅鶴拳の使い手。その拳名の由来は返り血で身を紅く染める鶴の姿と言われる。重臣には副官のダガールと腹心であるコマクがいる。
美と知略を誇るナルシストで、裏切りの宿命を背負う。核戦争後、「拳王」ラオウの台頭が始まると、配下の南斗二十三派を引き連れて彼の傘下へ走り、これが南斗六聖拳分裂の引き金となった。
ラオウがケンシロウとの壮絶な相打ちの後、消息が途絶えると帝国支配も目論むが、常に脳裏にあるのは自身の美に対する賞賛のみ。異常なまでの美への妄執から、修業時代より華麗な南斗水鳥拳を用いるレイに対し、激しい逆恨みをしていた。それ故、ラオウに敗れて余命幾ばくかになったレイに復讐心から対決する。
しかし、レイの奥義に再び心を奪われて不覚を取り、その死を迎える時に、それらが愛情、羨望の裏返しであったことを告白した。レイを切り刻んだ南斗紅鶴拳奥義『伝衝烈波』(原作には奥義名は記されず)は、ケンシロウが北斗神拳奥義『水影心』でコピーし、シュウや修羅との戦いで威力を発揮した(ただし、テレビ版では、マミヤの村での戦いにおいてラオウがケンシロウに対して使用した)。
その性格や言動、振舞い、そしてケンシロウやラオウではなくレイに倒されていることから、南斗六聖拳の拳士の中では実力的に劣るとの評価も多々ある。しかしながら攻撃面においては、自己の配下である南斗二十三派の一人と目される副官のダガールを簡単に倒し、レイとの戦いでも、得手とするの策略を絡めてレイを防戦一方に陥れ、かつ威力のある拳を放ちダメージを与えている。また防御面でも、必殺の威力を持つであろうレイの拳を受けながらも傷を負うだけで死亡していないことや、あるいは本出展外ではあるが「ラオウ外伝-天の覇王-」でのラオウとの対戦において、ラオウの拳を受けても死なずに生き残っており(この時ラオウは秘孔を外して技を繰り出しているが、常人であればラオウの打撃を受けただけで十分死に至るであろう)、このことからもダメージに対する耐久力も水準以上で、南斗の将の一人として、その知略(時に奸計とも評されるが)とともに実力は十分に備えていたと思われる。
星に対するこだわりが強いのか、作中では自ら背負う「妖星」や対戦したレイの「義星」に関するトークが多い。妖星については、裏切りの星と呼ばれることを否定し、最も美しく輝く星・天をも動かす美と知略の星と呼んでいる。さらにレイの義星を、ピエロの星と呼んでいる。
名前の由来は、イエス・キリストの12使徒の一人でありながら彼を銀貨30枚で弾圧者に売り渡し、西洋では未だに裏切り者の代名詞とされる男「イスカリオテのユダ」である。
又、当時のボーイ・ジョージに外見が酷似しており、彼を参考にしたと思われる。