ライフセービング
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ライフセービング(en:lifesaving)とは、海水浴場や湖沼などで溺れかかった人を海岸や湖岸まで連れ戻し、必要に応じてマウストゥマウスの人工呼吸や心臓マッサージなどの救命処置といった、一般水難救助を組織的かつ合理的に行うする奉仕活動である。
職業としてライフセービングを行う人を、イギリス英語圏ではおもにライフセーバー、アメリカ英語圏ではおもにライフガードと言う。
また、その技術を競うことから派生したスポーツとしてのライフセービングも盛んである。
国際機関は国際ライフセービング連盟(本部ベルギー)。日本での代表機関はNPO日本ライフセービング協会(東京)。
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[編集] 歴史
- ライフセービングはイギリスで発祥し、長い海岸線を持つ植民地オーストラリアで独自の発展を遂げ、それが各国に導入され、現在にいたる。
- 1774年 - ロンドンでロイヤルヒューマン協会が設立される。
- 1891年 - ロイヤルヒューマン協会のウィリアム・ヘンリー「スイマーズライフセービング協会」(のち「ライフセービング協会」に改称)にを設立。
- 1894年 - 英国植民地オーストラリアに「ライフセービング協会」の支部がニューサウスウェールズ州置かれる。
- 1904年 - 「ライフセービング協会」、「ロイヤル」の称号を賜る (Royal Life Saving Society)。オーストラリアビクトリア州に支部が置かれる。
- 1905年 - オーストラリアクイーンズランド州に支部が置かれる。
- 1908年 - オーストラリアのマンリービーチで「サーフカーニバル」が開かれる
- 1909年 - プロのライフガードの制度が導入される(豪)
- 1915年 - このころオーストラリアにデューク・カハナモクによってサーフィンが伝わる。これがライフセービングに利用され始める。
- 1915年 - ニューサウスウェールズ州で「ニューサウスウェールズ・サーフ・ライフセービング大会」が開催される。
- 1920年 - ビーチスプリントが競技の一つになる。ベルトレースが競技の一つとなる。
- 1930年ごろ - サーフスキーが導入され始める
- 1946年 - ロングボードが競技種目の一つになる。
- 1947年 - クイーンズランド州で「同大会」開催。ビーチフラッグスが競技の一つになる。サーフスキーが競技の一つになる。
- 1951年 - ウェスタンオーストラリア州で「同大会」開催
- 1953年 - 心肺蘇生法を導入したマニュアルが作られる。
- 1959年 - オーストラリアに「オーストラリア・ロイヤルライフセービング協会」が発足。
- 1960年ごろ - ファイバーグラスによるロングボード「マリブ」が開発され急速に普及する。
- 1966年 - アイアンマンレースが競技の一つとされる。
- 1970年 - ロングボードが「パドルボード」に変更される
- 1974年 - タップリンリレーが競技の一つとなる
- 1975年 - 鎌倉材木座海岸で第1回ライフガード大会が開催される。
- 1985年 - プロ競技会が開催され始める
- 1986年 - 「ロングボード」種目が削除
[編集] 競技
- アイアンマンレース
- 「鉄人レース」の名のとおり、最も過酷な競技であるとともに、盛り上がる競技である。パドルボード、スイム、サーフスキーを一人でこなすのである。なお、3競技の順番がくじ引きで決められて、一定ではない。
- タップリンリレー
- 「タップリン」は考案者の名前に由来。アイアンマンレースと同じパドルボード、スイム、サーフスキーをそれぞれ3人で受け持ちリレーを行う。アイアンマンレースについで人気のある競技。
- サーフスキーレース
- サーフスキーによるレースで、250m沖のブイを迂回して戻ってくることで競う、スタート地点とゴールが水際であることが他の競技と違う。
- レスキューチューブレース
- ライフセーバーがの救助に使用するレスキューチューブでの救助技術を争う競技。4人1チームで、1人が被救助者として沖に待機し、1人が救助者として救助する。残る2人はそれのサポートをする。その迅速さを競う。
- レスキューボード・レスキューレース
- ライフセービングで使用される救助機材の一つ、レスキューボードでの救助技術の競う競技。2人1組で、1人が120m沖まで泳ぎ、それをもう一人が救助に向かう。スタート地点は浜だが、ゴールは指定された波打ち際である。
- ビーチフラッグス
- ライフセービングの競技で最も知られている競技である。競技者は目標とは反対側にうつ伏せにに号令とともに20m先のホースチューブを取り合う。取り損ねたものから脱落する。
- ビーチスプリント
- 砂浜90mを疾走する競技。砂浜と特殊な環境が瞬発力より、慣れがものをいう競技といわれる。
- ラン・スイム・ラン
- 文字通り、走って、泳いでまた走る。ライフセーバーの鍛錬の一つであるが、競技においては、海岸200mを走り、120m沖のブイ間で泳ぎさらに7連ブイのある142mと迂回して浜に戻りまた200m走りゴールする。苛酷の競技の一つである。
- ビーチリレー
- ビーチスプリントと同じコースを4人でリレーするもの。
- 2kmビーチラン
- 海岸に建てられた500m間隔の旗を4往復する長距離種目。
- パドルボードレース
- トータル800mもコースをパドルボードで競う。
このような競技会にはライフセービングが人命救助に発祥を持つ競技ということから、日本ライフセービング協会は「海水浴場等で、監視および事故予防、救助に従事したもの」(つまり正式なライフセーバー・ライフガード)にしか参加資格を与えていない。
[編集] 奉仕活動としてのライフセービング
[編集] 監視活動
ライフセービングの第1の任務は海浜・湖沼・プールなどにおける、監視活動である。海水浴場においては、その環境、天候によって遊泳区域を決定したり、遊泳については「安全」「注意」「禁止」などの判断をする。また。時々刻々と変わる状況を放送などの手段で遊泳客に周知させる。これによって水難事故の予防を図る。
[編集] 救助活動および応急措置
予防に努めても、事故が起きた場合は、いち早く遭難者を救助を行う。遭難者を救助後は心肺蘇生法やファーストエイド(応急措置)など、一連の一次救命処置を取り遭難者の生命、身体の保護を図る。さらに救急車を呼び、病院への搬送を手引きする。心配蘇生は救急車への引継ぎが行われるまで継続するのが原則である。また、人命に関わらないような怪我の手当ても活動の一つである。
[編集] 啓蒙活動
ライフセービングに従事していない、一般の人々に対しても心肺蘇生法や応急措置の方法を身に付けてもらたり、また海浜や湖沼などの自然環境の知識を知ってもらい、自ら安全を図り危険行為をしないよう要請するのも、事故予防の効果的であり、それを行うのもライフセービングの活動の一環である。
[編集] 環境保護
ライフセービングは元来、海浜や湖沼での水難救助から発祥したものである。したがって、現在でもこれら自然環境へのつながりは深い。そのため、海水浴場などでのゴミなどを集め、清掃活動を行うのも派生的な活動の一つとして定着している。また。上記の啓蒙活動においても環境保護は重要なテーマである。
[編集] ライフセービングに使用する機材
[編集] レスキューチューブ
[編集] レスキューボード
[編集] マリブ
[編集] サーフスキー
[編集] 関連項目
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