ラストイニング

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日本の漫画作品

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プロジェクト

ラストイニングは、原作・神尾龍、監修・加藤潔、作・中原裕の野球漫画。ビッグコミックスピリッツに連載している。

[編集] 概要

主人公を監督にする事により試合だけでない高校野球の裏側を描いた作品。練習方法等も非常に練り込まれており野球と言う物に対して極めて理論的な姿勢で挑んでいる。また埼玉県にある高校を舞台にしていると言う事もあり登場人物の名前は埼玉県にある市町村にちなんだものになっている。

[編集] あらすじ

インチキセールスマンとして生計を立てていた鳩ヶ谷圭輔。だが勤めていた会社が薬事法違反及び詐欺容疑で取り調べられ、その際上司に責任を被せられ一人留置所入りとなってしまった。その頃夏の甲子園予選で彩珠学院高校が初戦敗退という結果で短い夏を終える。彩学は36年前の甲子園で初出場初優勝をし、名門と呼ばれていた時期もある高校だった。だがその野球部も今では弱小の名を欲しいままにし、結果学園の経営も悪化の一途を辿っていた。
彩学の経営監査を任せられている美里ゆり子はその原因となった野球部を不良債権として取り潰す事を主張する。だが校長であり、かつての全国制覇チームの主将でもあった狭山滋明は理事長に掛け合い「来年の夏甲子園に出場する」事が出来れば野球部の存続を認める事を約束してもらう。そしてその為に狭山が目を付けたのが、13年前彩学のキャプテンだった鳩ヶ谷だった。鳩ヶ谷は13年前の甲子園予選準決勝にて、「大切なのは勝ち負けよりも高校生らしいひたむきさ」を持論とする審判鶴ヶ島の故意の誤審に腹を立て思い切り殴りつけてしまった過去があった。
その鳩ヶ谷に対し狭山は彩学の監督を依頼する。職を失い、彼女にも有り金全てを持ち逃げられ全てを失った鳩ヶ谷は監督を引き受ける事を決意する。さっそく鳩ヶ谷は彩学ナインをD・C・M（イヌ・ネコ・サル）の3タイプに分類し、独特の指導を始める…。

[編集] 主な登場人物

[編集] 私立彩珠学園高校

36年前、甲子園大会に初出場で初優勝をしたという偉業を成し遂げた経歴のある学校。だが近年は毎回予選も初戦敗退という程落ちぶれてしまっていた。略称は彩学（サイガク）。名前の由来は、埼玉県のキャッチフレーズ『彩の国』。

[編集] 野球部関係者

鳩ヶ谷圭輔（はとがやけいすけ）: この物語の主人公。通称ポッポ。身長180cm体重73kg。; ルーズな服装とボサボサの無精髭がトレードマークだが正装するとそれなりにいい男。インチキセールスマンとして生計を立てていたが上司にハメられ一人警察に捕まってしまう。だがかつての恩師、狭山が身元引き受け及び保釈金を出してくれた事で釈放される事となった。その後彩学の監督を引き受け、一見理解しがたい様な練習法や独自の野球理論、また法の合間を縫った補強手段などで彩学野球部を鍛え上げる。かつてハンデ師の桃谷十三の弟子だった経歴がある。選手達からの信頼は厚く、狭山や毛呂山、蕨や美里等の野球部関係者からも一目置かれている。; 座右の銘は「人生勝ち続けなければ意味がない」。; 現役時代のポジションは捕手。名前の由来は埼玉県にある鳩ヶ谷市。好きな芸能人はオセロの白。

狭山滋明（さやましげあき）: 彩珠学院高校の校長で、36年前の優勝チームの主将であり13年前のチームの監督でもあった。鳩ヶ谷には全面的に信頼を寄せている。13年前の鳩ヶ谷の審判殴打事件において常識の前に屈してしまった事を今でも悔いている。多方面に多くのコネがあるらしい。; 名前の由来は埼玉県の狭山市。

毛呂山豊（もろやまゆたか）: 鳩ヶ谷が来る以前の彩学監督。身長168cm体重65kg。; 状況の読みなどが浅く監督としては決して有能とは言い難い。鳩ヶ谷赴任後は部長として鳩ヶ谷を精力的にサポートする。律儀なほど素直な性格で非常に人が良く、感動的な話などを聞くとすぐに涙目になる。だが鳩ヶ谷が監督を辞めそうになった時に、監督に復帰できるかもとほくそ笑むなど腹黒い一面も。; 座右の銘は「仲善き事は美しき哉」。; 名前の由来は埼玉県の毛呂山町。好きな芸能人は特になし（本当は及川奈央）。

美里ゆり子（みさとゆりこ）: 彩珠学院の経営監査室マネージャー。初期は野球部を不良債権と見なし何とか潰そうと目論んでいたが、聖母学園戦以降はその実力を認め逆に甲子園に出場出来る様に全面的にサポートする立場となる。聖母学園監督の桐生は実の父。子供の頃から野球に打ち込んでいた父を見て育った為野球についての知識は常人より遙かに多い。だが桐生は家庭を全く顧みなかったため忌み嫌い母方の姓を名乗っている。普段は冷静沈着な性格だが試合中バントが成功すると歓声を上げたり、鶴ヶ島に対して勝利の意義について熱弁を振るったりと実は結構熱い性格と思われる。; 名前の由来は埼玉県の美里町。

[編集] 部員

日高直哉（ひだかなおや）: 右投右打の投手。三年。身長178cm体重78kg。DCMのタイプ分けはネコ。; 非常に我が強く、最初は左投げの練習をさせられるなどしたため、鳩ヶ谷を監督として認めず対立していた。だが指導を受けていく内に次第に監督として認め始め「甲子園に行くにはポッポが必要」と感じる様になる。選手としては非常に優秀で名門の春日野大栄（モデルは春日部共栄高校）からスカウトされた事もある。サークルチェンジやフォークボールを習得しようとするなど、自分から努力することも。打者としても大宮に並ぶ右の長距離砲として貴重な存在ではあるが、チームプレイが苦手なため、1人で1点を取る存在として1番打者（鳩ヶ谷いわく0番打者）で起用されることも多い。母親からは直ちゃんと呼ばれているが本人はこれを嫌がっている。　; 名前の由来は埼玉県の日高市。憧れの野球選手は井川慶。好きな芸能人は長澤まさみ。

八潮創太（やしおそうた）: 右投右打の捕手。二年。身長173cm体重65kg。DCMのタイプ分けはサル。; DCMのクラス分けでM（Monkey）とされた事からも解る様に常に周りの空気を読み何をやるにも工夫をする人物。自分が興味を持った事には納得するまで追求するためたまに鳩ヶ谷にウザがられている。打撃はそこそこ上手く小技も利く為主に2番打者として起用される。人の言う事は良く聞くが言いたい事もはっきり言うタイプ。; 名前の由来は埼玉県の八潮市。憧れの野球選手はイバン・ロドリゲス。好きな芸能人は松嶋菜々子。

大宮剛士（おおみやたけし）: 右投左打の外野手（右翼手）。二年。身長183cm体重90kg。DCMのタイプ分けは特上イヌ。; 旧姓児島（こじま）。鳩ヶ谷がその打力に目を付け草野球チームから引き抜いてきた。かつては名門の岡山商学館やオール岡山等に所属していたが、親が借金苦で夜逃げしたために高校を辞め嵐山工務店で働いていた。だが高校野球を続けるためにOB会長の大宮の家に養子縁組する事となった（特別な事由がない限り転校生はすぐには出場できないため）。野球の実力は非常に高く、長打から単打まで状況に応じたバッティングが出来るが、考え込む性格で自分のイメージとスイングのズレが気になり悩み出すと、スランプに陥りやすい。夢はプロ入り、そしてメジャー挑戦。実は巨乳好き。; 名前の由来は埼玉県にあった大宮市（現さいたま市）と岡山県にある児島市。憧れの野球選手はバリー・ボンズ。好きな芸能人は井上和香。

滑川順平（なめかわじゅんぺい）: 右投右打の三塁手。三年。身長175cm体重72kg。DCMのタイプ分けはイヌ。; 野球部のキャプテン。非常に真面目で熱血漢な性格。命令には忠実に従う典型的なイヌだが野球の実力は高い。チームの雰囲気が悪くならない様に常に気を配っている。実家は肉屋。; 名前の由来は埼玉県の滑川町。憧れの野球選手は川相昌弘。好きな芸能人は松浦亜弥。

上福岡徹（かみふくおかとおる）: 右投右打の外野手。三年。身長180cm体重85kg。DCMのタイプ分けはイヌ。; 元々は左翼手のレギュラーだったが些細な事から鳩ヶ谷に不信感を抱き練習の手を抜く様になる。そして春の大会でのレギュラーを入間に奪われた事によりいよいよ練習に全く参加しなくなった。その間にインターネットに鳩ヶ谷の悪評を書き込む。だが親友の栗橋の説得を受け野球部復帰を決意。選手や保護者達の前で鳩ヶ谷に謝罪し全員一致で復帰が決まった。これまで高校通算で11本のホームランを放っている。実家は病院で将来はその後を継ぐらしい。タイプ的にはネコ気取りのイヌ。; 名前の由来は埼玉県にあった上福岡市（現ふじみ野市）。憧れの野球選手は清原和博。好きな芸能人は釈由美子。

川口智彦（かわぐちともひこ）: 左投左打の一塁手。三年。身長185cm体重80kg。DCMのタイプ分けはイヌ。; ゴルフボールを使った練習をしそこそこ長打が打てる様になったため、打者を返す目的で主に五番として起用される。またスティーブの加入前は日高の控え投手としても登用され、投球練習も行っていた。球威はないが牽制球だけは異常に上手い。; 名前の由来は埼玉県の川口市。憧れの野球選手は下柳剛。好きな芸能人は安倍なつみ。

大井克豊（おおいかつとよ）: 右投右打の二塁手。三年。身長170cm（ウソ）体重65kg。DCMのタイプ分けはイヌ。; 名前の由来は埼玉県にあった大井町（現ふじみ野市）。憧れの選手は松井稼頭央。好きな芸能人は安田美沙子。

蓮沼哲也（はすぬまてつや）: 右投右打の遊撃手。三年。身長171cm体重62kg。DCMのタイプ分けはイヌ。; 元気がありすぎるので捕球の時もつい前に出すぎてしまう癖がある。; 名前の由来は埼玉県にある地名。憧れの選手は西岡剛。好きな芸能人は小倉優子。

入間博之（いるまひろゆき）: 左投左打の外野手（左翼手）。二年。身長171cm体重60kg。DCMのタイプ分けはイヌ。; 試合では何とか出塁しようとゴロ狙いのバッティングを心がけている。そこを鳩ヶ谷に目を付けられレギュラーの座を射止めた。; 名前の由来は埼玉県の入間市。憧れの選手は福留孝介。好きな芸能人は上戸彩。

岩槻雅司（いわつきまさし）: 右投右打の外野手（中堅手）。二年。身長168cm体重68kg。DCMのタイプ分けはイヌ。; 肩は良いのだが不器用でいつも同じ距離しか投げられないのが玉に瑕。; 名前の由来は埼玉県にあった岩槻市（現さいたま市）。憧れの選手は金城龍彦。好きな芸能人は黒木瞳。

栗橋友司（くりはしゆうじ）: 右投右打の外野手。三年。身長175cm体重70kg。DCMのタイプ分けはイヌ。; 上福岡とは中学時代からのつきあいで親友。野球部を辞めかけていた上福岡を説得した。レギュラーでは無いものの裏方として頑張っている。; 名前の由来は埼玉県の栗橋町。憧れの選手はイチロー。好きな芸能人は仲間由紀恵。

スティーブ・ストローター: 左投左打の投手。一年。身長195cm体重75cm。DCMのタイプ分けは不明。; 留学生枠を利用して野球部へ入部。球速は遅いが長い指でかつ非常に独特なフォームで投げる為にボールが微妙な変化をする。かなりのアニメオタクで「ドカベン」、「タッチ」、「巨人の星」、「侍ジャイアンツ」、「機動戦士ガンダム」等に詳しい。; 名前の由来は元阪神タイガースの選手スティーブ・ストローター。憧れの野球選手は水原勇気。好きな芸能人は椎名へきる、水樹奈々、能登麻美子etc……。

三芳（みよし）: 一年。名前の由来は埼玉県の三芳町。
新座（にいざ）一年。: 名前の由来は埼玉県の新座市。
北本（きたもと）: 一年。名前の由来は埼玉県の北本市。; 新入部員。鳩ヶ谷の指示した走り込みをクリアした為入部が許可された。

大宮詩織（おおみやしおり）: マネージャー。二年。身長160cm。; OB会長大宮の実娘。顔は正反対だが性格はそっくり。養子縁組してきた剛士が気になっている。; 名前の由来は埼玉県にあった大宮市（現さいたま市）。

[編集] OB会・父母会

大宮（おおみや）: OB会会長。スポーツ用品店長。; 詩織と剛士の父親（剛士は養子）。恰幅の良い中年で非常に気が強く、自分が気に入らない事には何でも食ってかかる。だが剛士に高校野球をさせる為に養子にするなど、男気もある。最初は日高と同じように鳩ヶ谷を認めていなかったが次第に協力的になって行く。現役時代は「彩学の江川」と呼ばれていたらしく、今でもなかなかのコントロールを誇りカーブも投げられる。; 名前の由来は埼玉県にあった大宮市（現さいたま市）。

浦和（うらわ）: OB会メンバー。; 眼鏡と無精髭がトレードマーク。独身。大宮と違い鳩ヶ谷の指導に比較的最初から理解を示していた。ジョンという名前の犬を飼っている。; 名前の由来は埼玉県にあった浦和市（現さいたま市）。

[編集] その他

桐生（きりゅう）: 聖母学苑野球部監督。; 過去3度の甲子園出場経験を持つ。元女子校であった聖母学苑に新設された野球部の監督として迎えられる。徹底したデータ収集と、冷徹な思考により選手を管理するクールな監督。美里の父。野球に勝つためにはあらゆることを犠牲にできる男であり、敵と認めた者に対しては徹底的にマークし、情報を集める。; 名前の由来は群馬県桐生市か。

明石慎之助（あかししんのすけ）: 聖母学苑野球部エース。; かつてオール兵庫で活躍した軽薄で軟派なエース。プライドも高く、気分屋で好不調はあるが、実力は甲子園レベル。春のセンバツに出場した聖母学苑の主力として活躍したが、故障した肘を黙っていたため、準々決勝で打ち込まれ、聖母敗退の原因となる。そのペナルティおよび故障の治療のため、球拾いからの再スタートを命じられる。; 名前の由来は兵庫県明石市。

蕨耕一（わらびこういち）: 高校野球記事を書くフリーライター。あだ名は「わらぴょん」。; かなりの太目でいつも何かを食べてはいるが、フットワークの良いフリーライター。新星のように現れた鳩ヶ谷について興味を持ち、彩珠学院野球部に出入りする。役に立つことをすれば、鳩ヶ谷の過去について独占取材できる、との約束に基づいて、練習試合の対戦相手など様々な便宜を図る。その甲斐あって、鳩ヶ谷と桃谷の過去に触れることに…; 名前の由来は埼玉県蕨市。

比企夏子（ひきなつこ）: 銀河スポーツ営業。通称は「なっちゃん」。; 野球部に出入りするスポーツ用品メーカーの営業担当。部員の個性にあった用具を調達するなどで、部員の受けは良い。鳩ヶ谷の指導法や生き方にただならぬ興味を抱いている。ただし、営業職という性格上、他校の野球部にも当然ながら出入りしており、美里は他校のスパイであると疑っている。; 名前の由来は埼玉県比企郡。

鶴ヶ島（つるがしま）: 埼玉県高校野球連盟事務局審判部顧問。; かつて鳩ヶ谷が殴った主審。「高校野球は教育の一環であり、勝負よりも正々堂々さ、ひたむきさを追求すべき」という思想の持ち主。そのため技巧に凝ったプレイや、野球留学で他県から優秀な生徒を集めたりする風潮を嫌悪している。普段から潔癖なうるさ型であり、事務局員からは厄介者扱いされている。; 名前の由来は埼玉県鶴ヶ島市。

桃谷十三（ももだにじゅうぞう）: ハンデ師。; 鳩ヶ谷の師匠。高校野球賭博のためのハンデキャップを設定するハンデ師で、過去のあらゆる対戦を網羅したデータと、独自の分析力を元に、正確なハンデをはじき出す。鳩ヶ谷に天性の才能を見出し、「捕手三箇条」をはじめ、さまざまな野球のノウハウを教える。しかし、鳩ヶ谷がヤクザとの間に起こした不祥事により指を詰め、以後は焼鳥屋として生計を立てている。; 名前の由来は大阪府の大阪環状線桃谷駅。