リーグ戦
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リーグ戦とは、参加者が総当りで、一回もしくはそれ以上対戦して勝者および順位を決定する方法。その参加者(もしくは参加団体)の集団をリーグ(連盟)と呼ぶ。
なお、本来リーグ(league)という言葉は「連合」・「同盟」といった意味合いであり、総当たりという意味はこの言葉自体には含まれていない。したがって、日本で一般的に捉えられている総当たり戦という意味を英語表記する場合はRound robin tournamentという表現になる。「league match」という語も存在するが、これは単純に日本語に直訳すると「リーグ戦」であるが、複数の意味が一つの語に併用される日本語とは異なり、「league match」の場合は、連盟の公式戦・公認試合(regulation match 或いは official match)の総称、又は、公認・非公認に拘らない単に連盟内の試合という意味で用いられ、総当たり戦には限定されない語になる。本項目の解説は日本語として多用されるリーグ戦、つまり総当たり戦として扱っているが、本来は連盟内の加盟チームで行なわれる試合は、総当たり方式であってもトーナメント方式であっても、全てリーグ戦に当たる。
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[編集] リーグ戦の実際
リーグ戦(総当たり戦)は、参加者が総当りで同じ回数づつ対戦するため、トーナメント方式より強弱の実情が正しい反映を期待できる点に特徴がある。例えばプロスポーツリーグでは、チームの資金力、選手層の厚さなどがほぼそのまま結果に反映されることが多い。その逆に、決着にあたって多くの対戦が要求されるデメリットもある。
成績は一般に勝ち星の数が優先されるが、勝率を優先するものや、引き分けの評価方法に差異があるもの、勝ち・引き分け・負けに異なる重み付けを行うもの(例えば3・1・0)もある。
また、総当り回数が同星になってしまった場合の対処として、団体戦であれば個々の勝ち星の総数、点数をいれるゲームであれば得失点差・総得点などを判定の対象として利用することもある。
優勝者、もしくは優勝チームはリーグチャンピオン(League Champion)と呼ばれる。
A | B | C | D | E | F | 勝数 | 負数 | 引分 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Aチーム | * | 2-10 | 3-9 | 7-5 | 9-3 | 10-1(1) | 31 | 28 | 1 | 3 |
Bチーム | 10-2 | * | 6-6 | 6-6 | 12-0 | 9-3 | 43 | 17 | 0 | 1 |
Cチーム | 9-3 | 6-6 | * | 8-4 | 8-3(1) | 7-5 | 38 | 22 | 1 | 2 |
Dチーム | 5-7 | 6-6 | 4-8 | * | 10-1 | 9-3 | 34 | 26 | 0 | 4 |
Eチーム | 3-9 | 0-12 | 3-8(1) | 1-10 | * | 7-5 | 14 | 45 | 1 | 6 |
Fチーム | 1-10(1) | 3-9 | 5-7 | 3-9 | 5-7 | * | 17 | 42 | 1 | 5 |
また、トーナメント方式でもなく総当たり戦でもない方式(全チームと対戦しないが勝率・勝敗数・勝ち点などのいずれかで順位を決める方法)を採用している競技団体もあり、それらについてはスイス式トーナメント方式を参照の事。
[編集] 各競技のリーグ
主なものを以下に紹介するが、紹介例が全てでも、主流という意味でもない。方法も概要の説明でしかなく、ここで詳細を説明する事は当項目の趣旨と外れる為、個々の項目を参照の事。
[編集] プロサッカー
主要な大会形式の1つであり、この場合はホーム・アンド・アウェーの2回の総当り対戦が基本となる。ただし中には1回の総当りで前期後期に区切って、後からプレーオフを行うリーグも存在する。
- 日本プロサッカーリーグ(日本)
- ジャパンフットボールリーグ、日本フットボールリーグ(日本)
- FAプレミアリーグ(イングランド)
- セリエA(イタリア)
- リーグ・アン(フランス)
- エールディビジ(オランダ)
- リーガエスパニョーラ(スペイン)
- ドイチュ・フッスバール・ブンデスリーガ(ドイツ)
[編集] プロ野球
通常4~6程度のチーム同士が30試合程度の対戦を行い、そのリーグの勝者を決定する。その後、異なるリーグの勝者同士で対戦し、最終的な優勝チームを決める。プレーオフや敗者復活戦を含む場合もある。
[編集] その他のスポーツ
- NBA (アメリカ バスケットボール)
- NFL (アメリカ アメリカンフットボール)
- NHL (アメリカ・カナダ アイスホッケー)
- アジアリーグ (日本・韓国・中国 アイスホッケー)
- 日本プロバスケットボールリーグ (日本 バスケットボール)
[編集] 囲碁
[編集] 将棋
[編集] 順位の決め方など
[編集] 勝ち点
勝ち点は主にフットボール(サッカー・ラグビー・アメリカンフットボール)で利用されている。
また、日本国内では大学野球のリーグ戦でも多用されている。
[編集] サッカーでの例
1回戦総当り方式で一般的に用いられる方法は、勝ち3点・引分け1点・負け0点であるが、勝ちが2点のところや、負けても参加賞として1点が与えられるところなど方式には色々ある。
- 公式(一般):勝数×3 + 引分け数
[編集] ラグビーでの例
ジャパンラグビートップリーグでは、勝ち4点・引分け2点・負け0点だが、7点差以内の負けならば敗戦チームに1点、4トライ以上を獲得したチームには勝敗に関係なく1点が与えられる。
[編集] 大学野球での例
日本国内における大学野球のリーグ戦では、最もポピュラーな方式として多用されている。但しその運用方法の詳細は前述例とは大きく異なる。
同じカードを2回戦もしくは3回戦行い、先に2勝したチーム(2勝した時点で同一カードの対戦を終了する。)に勝点1を与える方法が多く採用されている。この方法ではチームによっては試合数にばらつきがあるなど、一見して不公平な方法に思えるが、これは日本国内における大学野球において、その創成期に最も人気・実力ともに高かった東京六大学野球リーグが採った方式であり、『六大学リーグ戦は2校間の個々の対抗戦が集まったもの。』(対戦相手校に勝ち越すことに意味があり、試合数などチームデータや個人データは二の次)という精神に則ったもの。したがってこの方式においての順位は、対抗戦として何校に勝ち越したのかを意味する勝ち点の比較で決定される。日本国内の現存する全ての大学野球リーグが東京六大学野球リーグより後発で、且つ創成期においては東京六大学野球があらゆるスポーツの中で人気面で絶頂期を迎えた時期があったことから、それにあやかる意味で大半のリーグがこの方法に倣ったことから、全体のスポーツの中での採用例としては少数派だが国内の大学野球リーグ戦では最も採用例が多い方式として定着した。
因みに、勝ち点のみの比較だと勝ち点が同じチームがでやすいので、その解決方法として同勝ち点の場合は勝率の比較で優劣を決定する方法も併用されている。また、勝ち点も勝率も同じ場合は、優勝チームや下部リーグがある場合の最下位チーム決定に関してはプレイオフとして決定戦を行い、その他の順位に関しては、
- 前シーズンの順位を参照して優劣を決定する。
- 同順位とする。
- 当該校間カードでのそのシーズンの対戦成績により優劣を決定する。
のいずれかが採られる。(どの方法を採るかは所属連盟の規約に因り任意。)
また、同勝ち点の場合で優勝チームの決定に関してのみは、その勝率に因らずに一律優勝決定戦を行なう例も過去にはあった。
なお、この方式では引き分け試合は例え何試合発生しても、一方のチームが勝ち点獲得条件を満たすまで何試合でも同一カードの対戦が続き、勝率の計算でも引き分け試合はカウントしないのが通例であるが、リーグによっては運営の都合から、亜流として、同一カードの対戦数を予め限定し、もし引き分け発生によって勝ち点獲得の条件を満たせない場合は、両チーム勝ち点なしとして処理をしている。
[編集] 得失点差
得失点差は主に勝ち点とセットで使われ、勝ち点が同じ場合に用いられる。勝ち点、得失点差も同じ場合は、総得点で順位を決めることが多い。
- 公式:総得点 - 総失点
[編集] 勝率
勝率は主に野球、バスケットボールで利用される。勝数を勝数と負数の合計で割って計算する方式と、引分けを0.5勝とした勝数を全体の試合で割って計算する方式の2種類があるが、一般的には前者が利用される。
- 公式(一般):勝数÷(勝数 + 負数)
[編集] ゲーム差
ゲーム差は主に勝率とセットで使われ、上位チームと下位チームの差を表す数のこと。ゲーム差は大きいほどそのチームから離れていて、小さいほどそのチームに追いついていることがわかる。
表記は首位チームとの差の場合と、順位が1つ上のチームとの差の場合の2種類がある。
- 公式:{(上位チームの勝数 - 下位チームの勝数)+(下位チームの敗数 - 上位チームの敗数)}÷2
日本のプロ野球で順位表を放送・掲載する場合のゲーム差の表示はそれぞれのマスコミによって対応が異なる。
- 首位から見たゲーム差を表示する放送・新聞・雑誌 日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京、朝日新聞、日刊スポーツ、スポーツ報知、週刊ベースボール
- 1つ前の順位のチームとのゲーム差を表示する放送・新聞 NHKと上記以外の各新聞
- ※以前はテレビ東京とフジテレビも1つ前の順位のチームとのゲーム差を表していたが、現在は首位から見たゲーム差に改めた。
[編集] セット率
セット率は主にバレーボールで利用される。取ったセット数/取られたセット数(取られたセットが0の場合は「MAX」などと表記し、数値としては無限大として扱う)で計算される。卓球の団体のリーグ戦でも人数、セット数、ポイント数を比較して順位を決定することがある。全大会を通してかどうかわからないが、2006年日本で行われたバスケットボール世界選手権でも勝敗数が並んだ国同士の得点率=得点/得失点の合計(ただし当該国同士のみ利用)で決勝トーナメントに行く順位を決めていた。
[編集] 勝敗差
勝敗差は特に順位決めに使われてはいないが、順位表で勝ち点や勝率と合わせて載せる事がある。
+を貯金、-を借金ということもある。
- 例:+2→貯金2 -2─借金2
- 公式:勝数-負数
[編集] マジックナンバー
マジックナンバーは他の全てのチームの自力優勝がなくなった場合に点灯する、自力優勝に必要な勝利数である。マジックナンバーは大きいほど優勝から遠く、小さいほど優勝に近づいている事が分かる。
点灯させているチームが勝つか、下位チームのいずれかが負けると1つ減るが、点灯させているチームが負け続けると、再び下位チームに自力優勝の可能性が出てきて消灯する可能性もある。
詳細はマジックナンバー (プロ野球)を参照する