ロバート・バーンズ・ウッドワード
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ロバート・バーンズ・ウッドワード(Robert Burns Woodward, 1917年4月10日ボストン – 1979年7月8日マサチューセッツ州ケンブリッジ)はアメリカの有機化学者。
アーサー・ウッドワード(イングランド系移民)とマーガレット(旧姓バーンズ、スコットランド系移民)の間に生まれた。早くから化学に関心を持ち、1933年にマサチューセッツ工科大学 (MIT) に入学したが勉強不足で翌年放校処分となった。しかし1935年に再度入学を認められ、1936年学位を取得、さらに翌年には博士号を授与された。その後ハーバード大学で研究を行った。
天然物の合成研究(抗生物質やキニーネ、コレステロール、コルチゾン、ストリキニーネ、リゼルグ酸、レセルピン、クロロフィル、コルヒチン、ビタミンB12の全合成)により、1965年にノーベル化学賞を授与された。
また同年、ロアルド・ホフマンとともに、有機化学反応の立体選択性を予測する法則(ウッドワード・ホフマン則)を導いた。ウッドワードは合成化学の経験に基づく彼のアイディアを、分子軌道の対称性に基づいて定式化した。彼はホフマンにアイディアを確認するための理論計算を依頼し、ホフマンは彼の考案した拡張ヒュッケル法で計算を行った。ホフマンはこの業績により1981年ノーベル化学賞を受賞したが、ウッドワードはすでに死去していたので再受賞はできなかった。
ハーバード大学とともに1963年、スイス・バーゼルに設立された「ウッドワード研究所」の所長を務めた。またMITおよびワイツマン研究所(イスラエル)の評議員でもあった。
ウッドワードはさらに有機合成化学の研究を続け、1971年にビタミンB12の合成法を発展させた。死去したときは抗生物質エリスロマイシン合成の研究中であった。
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