ロミオの青い空
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『ロミオの青い空』(ロミオのあおいそら)は、フジテレビ系列「世界名作劇場」の枠にて放映されたテレビアニメである。放映期間は1995年1月15日から同年12月17日までの全33話、平均視聴率10.4%。又、2005年から2006年までにかけてNHKBS2「BS名作アニメ劇場」にて2度再放送された。
原作はリザ・テツナーの「黒い兄弟」(Die Schwarzen Brueder)。
世界名作劇場 | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第20作 | 七つの海のティコ | 1994年1月 ~1994年12月 |
第21作 | ロミオの青い空 | 1995年1月 ~1995年12月 |
第22作 | 名犬ラッシー | 1996年1月 ~1996年8月 |
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
スイスの小さな村、ソノーニョ村に少年ロミオ11歳が生活していた。 平和に暮らしていたロミオ一家にある日村にやってきた人身売買人、死神ルイニの魔の手が襲い掛かる。 ロミオの父ロベルトは、頑なに息子ロミオを売り渡す事を拒み続けるが、遂に病に倒れてしまう。 それを見たロミオは医者を呼んで父を救うため、自分の身を売る事を決意する。 こうして、ロミオは煙突掃除夫として、ミラノの街へ旅立つのであった。
旅の途中ロミオは同じく煙突掃除夫になるためミラノに向かう少年アルフレドと出会う。ミラノに着いた後しばらくアルフレドとは分かれ、煙突掃除夫としてつらい日々が続くが、アルフレドと再会を果たし、二人は親友となる。後に他の煙突掃除夫の仲間たちを集め、不良少年ジョバンニ率いる狼団に対抗するため、黒い兄弟という同盟を結成する。
物語全体のテーマとして、少年たちの生きる様と友情を描いた。
ただ、年間放送されたものの33話しか話数がないため、終盤は物語が唐突に終わった感があり、それを惜しむ声が多かった。
多少ステレオタイプな作品だという意見もあり、また視聴率こそ低かったものの、 今なお多くの熱狂的ファンがいる。
また2005年9月には、声優や監督、脚本家などの当時の製作関係者を交えた10周年記念イベント「10~dieci~」が開催され300人以上のファンが集まった。
[編集] 放送タイトル
- アルプス! 小さな村の大事件
- 運命のはじまり・炎の中の家族
- さよなら・ぼくの村
- 似顔絵の少年
- 酒場での一夜
- 舟が沈む!! 嵐の中の友情
- 天使の住む家
- 天使からの贈り物
- 月夜のラブレター
- 青空のスケッチブック
- 友だちになろう!
- 霧の街に消える
- 地下水道での再会
- 逃げるんだ!! 早く
- 火をともせ!! 11人の誓い
- ライバルはアルフレド!
- 聖バビラ教会の決闘
- 朝日にとどけ! 団結の歌
- おばあちゃんは魔法使い
- テオじいさんの人形劇
- アンジェレッタの秘密
- おばあさまに会えた!
- さよなら…ぼくの天使
- ねらわれた兄妹
- 再会! ビアンカとアルフレド
- 誇り高き魂
- 長い一日のはじまり
- 貴公子アルフレド
- 永遠のアルフレド
- 最後の誓い
- 本当の宝物
- 素敵なクリスマスイブ
- 空へ! 自由の翼にのって
[編集] 主題歌
- OP
- 空へ…(作詞:佐藤ありす 作曲:岩崎琢 編曲:若草恵 歌:笠原弘子)
- ED
- Si Si Ciao ~ロマナの丘で~(作詞:佐藤ありす 作曲:岩崎琢 編曲:若草恵 歌:笠原弘子)
[編集] 登場人物
- ロミオ(声優:折笠愛)
- 本編の主人公。正義感が強く一本気な少年。目を患った父親を救うために人買いの死神ルイニに自分を売り、煙突掃除夫としてミラノに連れて行かれる。好人物マルチェロ親方の元で働く事になるが、おかみさんのエッダや息子のアンゼルモからは散々に辛く当たられ、一時は盗みの濡れ衣を着せられて警察に追われる羽目にさえ陥る。警察への爆弾テロを察知して追われる身を顧みず署長やマルチェロを救ったこととアンジェレッタの証言により潔白を勝ち取った。その後、再会したアルフレドらと煙突掃除夫の少年による互助同盟グループ「黒い兄弟」を結成することになる。11歳。
- アルフレド・マルティーニ(声優:藤田淑子)
- ロミオがミラノへ行く途中、出会う少年。ミラノで煙突掃除夫として親方に売られた後、ロミオがアルフレドを探し当て、聖バビラ教会で再会する。知性と教養があり勇敢。ミラノではシトロン親方に引き取られてこき使われていた。皆に推されて「黒い兄弟」の初代リーダーとなる。12歳。
- ビアンカ・マルティーニ(声優:岡村明美)
- 叔父と叔母に当たる人物がビアンカの兄、アルフレドが持つマルティーニ家を証明する勲章を欲するために監禁していた。後にアルフレドはロミオや黒い兄弟たちの協力を得て、ビアンカを救出。イタリア国王に真実を証明した。後にロミオと結婚し一子をもうけ、その子に兄と同じ名を名づける。
- アンジェレッタ・モントバーニ(声優:川村万梨阿)
- ロッシ親方が祖母に当たるイザベラ・モントバーニ伯爵夫人より預かった養女。アンゼルモの義理の妹になる。病弱で屋根裏に住んでおり、普段はその存在は秘密にされていた。
- アニタ(声優:丹下桜)
- ロミオの幼馴染み。ロミオにキスを求めるなど無邪気に将来を約束するが、最終回では出てこなかった。
- ダンテ(声優:柊美冬)
- ミラノへ向かう途中でロミオと会う。同じくルイニに買われた少年。坊主頭で大きめの帽子を深々と被っている。自らを「ダンテ様」と呼んでおどけたりする黒い兄弟のムードメーカー。
- ミカエル(声優:石川寛美)
- 黒い兄弟の最年少メンバー。優しいが気が弱く泣き虫のために、足手まとい扱いをうけやすい少年。ロミオから弟分として可愛がられる。
- アントニオ(声優:高乃麗)
- 黒い兄弟のメンバー。先にミラノへ煙突掃除の出稼ぎに行った弟が病死している。
- アウグスト(声優:岡野浩介)
- 黒い兄弟のメンバー。
- ベナリーボ(声優:岩永哲哉)
- 黒い兄弟のメンバー。
- バルトロ(声優:田野恵)
- 黒い兄弟のメンバー。
- ジュリアーノ(声優:大塚瑞恵)
- 黒い兄弟のメンバー。
- エンリコ(声優:丸尾知子)
- 黒い兄弟のメンバー。
- パウリーノ(声優:田野恵)
- 黒い兄弟のメンバー。
- ジョバンニ(声優:檜山修之)
- オオカミ団のリーダー。ケンカに強く駆け引きもできる。父親をアルフレドと同じ病気で亡くしている。最後はロミオとアルフレドの実力を認めた。
- ニキータ(声優:石津彩)
- オオカミ団に属する勝ち気な性格の少女。アルフレドを気にかけていた。新聞社で仕事を手伝っており文字を読むことができる。
- リナルド(声優:中原茂)
- オオカミ団の実質ナンバー2。別名:赤毛のリナルド。顔半分が前髪で隠れている美少年。身のこなしが軽い。
- タキオーニ(声優:太田真一郎)
- オオカミ団一の巨漢。ロミオと一対一で、決闘した相手。「素手のみで戦う」というルールを破ってナイフを使いジョバンニによって止められ、試合無効となる。気が短く、すぐに簡単な罠に引っ掛かる。
- リオ(声優:丸尾知子)
- オオカミ団のメンバー。別名:ねずみのリオ。小柄でそばかす顔の少年。タキオーニと組んで行動することが多い。
- ファウスティーノ(声優:くじら)
- オオカミ団のメンバー。太り気味の少年。動きが鈍い。頭の回転も鈍い。
- カセラ教授(声優:有本欽隆)
- ロミオとアルフレドの才能に気付く。医師としての知識もありアルフレドの体調を気にかけた。
- マツェオ親方(声優:西村知道)
- ダンテの親方。お調子者でお人好し。マルチェロからアンジェレッタの秘密について口止めされていたがロミオたちに喋ってしまう。
- シトロン親方(声優:佐藤正治)
- アルフレドの親方。底意地が悪く、アルフレドがカセラ教授から借りてきた本を暖炉に投げ込む。酒ばかり飲んでろくに仕事もせず、アルフレドをひたすら酷使したことで彼を死に追いやる原因ともなった。
- マルチェロ・ロッシ(声優:安西正弘)
- ミラノでロミオを85リラで買い取り雇った煙突掃除の親方。酒好きで恐妻家。奇縁からアンジェレッタの養父となる。人は好いが、女房エッダの尻に敷かれ息子アンゼルモの嘘も鵜呑みにして当初はロミオにもきつく当たる。警察署爆破テロの際に自分を庇ったロミオを見て真実を悟り、以後はロミオに優しく接した。
- エッダ・ロッシ(声優:羽鳥靖子)
- マルチェロの妻。相当な肥満体型の中年女性で金に汚く口うるさい。アンゼルモとアンジェレッタを溺愛している。が、アンジェレッタについては心底からの愛情というよりも「金づる」としての有難みの方が上回っていたようだ。
- アンゼルモ・ロッシ(声優:柏倉つとむ)
- マルチェロとエッダの実子。嘘つきで親の前では猫かぶりで、ことあるごとにロミオを虐めていた。伯爵家の血筋であると嘘をつきオオカミ団に出入りしていたが、それがバレてしまい、さらに裏では仲間の悪口を言っていたことまで明るみにされ、追い出される。最終回ではロミオに対抗意識が芽生えたらしく、突っぱねて最後まで和解しなかった。
- ミミ・ロッシ(声優:麻生美代子)
- マルチェロの母親。久し振りに息子一家に会いに来てエッダやアンゼルモを散々に振り回した豪快なお婆さん。マルチェロも未だに頭が上がらない。実の孫であるアンゼルモの狡猾な本性を鋭く見抜き、むしろ素直なロミオを気に入り可愛がる。
- イザベラ・モントバーニ伯爵夫人(声優:山口奈々)
- アンジェレッタの祖母に当たる。平民の女性と結ばれた息子が亡くなった後も許すことができず、屋敷に出入りしていたロッシ親方に孫であるアンジェレッタを預けていた。冷淡な性格から「氷の伯爵夫人」の異名を取る。ロミオたちの協力でようやくアンジェレッタはイザベラと会うことに成功、イザベラも永いわだかまりを捨てて彼女を療養のために引き取ることに。
- マリア(声優:沼波輝枝)
- ロミオの祖母。老いてなお矍鑠(かくしゃく)とした元気な女性。
- ジェシカ(声優:藤井佳代子)
- ロミオの母。前の夫(ロミオの実父)を戦争で亡くし、ロミオが2歳のときにロベルトと再婚する。厳しくも優しい女性。
- ロベルト(声優:大林隆之介)※大林龍之介とクレジット
- ロミオの義父。ロミオを実の子同様に愛し、ルイニの申し出を断固として拒絶したほどだった。ルイニが起こした火事が原因で、目を患ってしまう。
- カルロとピエトロ(声優:嶋方淳子、南杏子)
- ロミオの弟(双子)。ロベルトとジェシカの子。
- アントニオ・ルイニ(声優:小村哲生)
- 別名:死神と呼ばれている男。煙突掃除夫をする子供を捜し、お眼鏡にかなえばどんな手段を持ってしても、その子供を手に入れようとするあくどい性格で、ロミオの家の畑を焼く。
- ピッコロ
- ロミオの友達で、共にミラノに渡ったオコジョ。終盤は出番がほとんど無くなったが最終回ではピッコロの子孫が描かれている。(オコジョは夏毛が茶色なので、ピッコロ自身の説もある)
[編集] スタッフ
- 製作:本橋浩一
- 製作管理:本橋寿一
- 原作:リザ・テツナー(福武文庫『黒い兄弟』より)
- 企画:佐藤昭司、清水賢治(フジテレビ)
- 脚本:島田満
- 音楽:若草恵
- キャラクターデザイン:佐藤好春
- 美術設定:伊藤主計
- 美術監督:川口正明
- 音響監督:藤野貞義
- 撮影監督:森田俊昭、森下成一
- 撮影:トランスアーツ、スタジオトゥインクル
- 色彩設計:小山明子、大城千恵子、小酒井久代
- 編集:名取信一、目黒広志、寺野剛
- ネガ編集:上遠野英俊
- 製作デスク:佐藤賢一
- プロデューサー:余語昭夫、鈴木吉弘(フジテレビ)、鈴木専哉(フジテレビ)
- 監督:楠葉宏三
- 製作:フジテレビ、日本アニメーション
[編集] 原作
- リザ・テツナー作『黒い兄弟(くろいきょうだい)』上・下巻(あすなろ書房)
- 原作では主人公の名前はジョルジュ。アニメで描かれたアンジェレッタやアルフレドの秘密の話は一切なく、最終的にジョルジュたちはミラノから命からがら逃げ出すなど、後半はアニメとは全く違うストーリーである。アニメが友情物語であったのに対し、原作は少年売買や労働の苛酷さを描いた作品になっている。
フジテレビ 日曜19:30の枠 | ||
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前番組 | ロミオの青い空 | 次番組 |
七つの海のティコ | 名犬ラッシー |
世界名作劇場 | |
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カルピスまんが劇場: | どろろと百鬼丸 - ムーミン - アンデルセン物語 - 山ねずみロッキーチャック - アルプスの少女ハイジ |
カルピスこども劇場: | フランダースの犬 - 母をたずねて三千里 - あらいぐまラスカル |
カルピスファミリー劇場: | ペリーヌ物語 |
世界名作劇場: | 赤毛のアン - トム・ソーヤーの冒険 - 家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ - 南の虹のルーシー - アルプス物語 わたしのアンネット - 牧場の少女カトリ |
ハウス食品世界名作劇場: | 小公女セーラ - 愛少女ポリアンナ物語 - 愛の若草物語 - 小公子セディ - ピーターパンの冒険 - 私のあしながおじさん - トラップ一家物語 - 大草原の小さな天使 ブッシュベイビー - 若草物語 ナンとジョー先生 |
世界名作劇場: | 七つの海のティコ - ロミオの青い空- 名犬ラッシー - 家なき子レミ |
ハウス食品世界名作劇場(BSフジ): | レ・ミゼラブル 少女コゼット |
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