ロンドン大火
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ロンドン大火(-たいか、The Great Fire of London)は1666年にロンドンで起こった大火のこと。これによって中世都市ロンドンは焼失し、建築家レンによる建築規制(木造建築の禁止など)、セント・ポール大聖堂をはじめ教会堂の復興が行われた。
9月1日、パン屋のかまどから燃え広がった火災は4日間にわたって燃え続け、ロンドン市内の家屋のおよそ85%(13,200戸)が焼失した。死者は意外に少なかったが、市民は燃え広がる火を前になすすべもなかった。大火以前のロンドン市内ではほとんどが木造家屋であり、街路も狭かったためである。
これを教訓に、建築家クリストファー・レンは大火後、直ちに壮大な都市計画を構想したが、大地主の反対にあい実現しなかった。しかし、レンの尽力によって1667年「再建法」が制定された。家屋は全て煉瓦造または石造とされ、木造建築は禁止、また道路の幅員についても規定された。さらに、世界初の火災保険もロンドンで生まれている(1681年)。ロンドンの復興には、ノルウェーの木材が輸入された。
ロンドンの都市を大きく変えたこの大火は、世界の三大大火の一つと言われる(ちなみに後の2つはローマ大火(64年)、江戸の明暦の大火(1657年)あるいはハンブルグ大火(1842年)、シカゴ大火(1871年)、サンフランシスコ大震災に伴う大火(1906年)などが挙げられる)。
地下鉄Monument駅近くにはロンドン大火記念碑が建てられている。