ローランド
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 431-1304 静岡県浜松市北区細江町中川2036-1 |
電話番号 | 053-523-0230 |
設立 | 1972年4月18日 |
業種 | その他製品 |
代表者 | 田中英一 |
資本金 | 92億7,400万円(2006年3月31日現在) |
売上高 | 連結:892億7,400万円(2006年3月期) |
従業員数 | 連結:2,291名(2006年3月31日現在) |
決算期 | 毎年3月31日 |
関係する人物 | 梯郁太郎 |
外部リンク | http://www.roland.co.jp/ |
ローランド株式会社 (Roland Corporation) は日本の大手電子楽器メーカー。1972年に創業者梯郁太郎が大阪市にて設立。2005年に本社を静岡県浜松市に移転。
目次 |
[編集] 概要
初期には、電気楽器(エレキギター、エレキベース)の演奏時に音色を加工する機器「エフェクター」や演奏用スピーカーアンプ、音響ミキサーの製造を行っており、中でも1975年発売のギターアンプのJC-120は多くのスタジオで見かけるほどの定番となり30年以上も販売が続くロングセラーとなった。1973年からはシンセサイザー、電子ピアノなどの製造も手がけるようになり、以降、電子楽器・音響機器メーカーとして躍進することとなる。1970年代後半には富士弦楽器(現・フジゲン)との合弁で「富士ローランド」を設立し、ギターシンセサイザーの製造を開始した。
アナログ・シンセサイザーのJupiter-8(1981年発売)はローランドの国際的評価を高め、世界中のヒット曲で使用され、その派手なサウンドは当時のポップミュージックの雰囲気を作り上げる要素の1つとなった。また、1980年代に発売されたTR-808やTR-909はその独特の音がダンスミュージックの定番リズム音源として使われ、現在においてもこれらの音は、特にテクノやハウスといった分野の多くのCDで聞くことができる。
また、ローランドは、1977年にシーケンサー・マイクロコンポーザーMC−8を発売して以来、コンピュータと電子楽器の連携に注力している企業であり、ヤマハ、シーケンシャル・サーキット等と共にMIDI規格を提唱した。同規格が制定された後、DTMのさきがけとなる製品(MT-32等)を開発、鍵盤を持たないシンセサイザーである音源モジュールなどの機器を使用し、生演奏ではなくコンピュータにデータを入力することで楽器を演奏するという形態を一般家庭に広めた。1990年代にはDTM向けに特化した音源モジュールとしてGS音源SCシリーズを発売し、DTM音源のデファクトスタンダードを確立した。
時代がデジタル主流になると、プロやハイアマチュア向けに拡張ボードで波形を供給できる音源モジュールJVシリーズ、XVシリーズを発表。これらも音楽製作現場でのスタンダードとして利用された。また、レコーディング機器として、ハードディスクに演奏を記憶して楽曲作成ができるVS-880を発表。以降、ハードディスク・レコーダーの市場が急速に出来上がるきっかけを作ったといえる。現在では関係会社のボスも、ギタリスト向け仕様のハードディスク/メモリーレコーダーを開発し、人気を博している。
最新のV-Synthは、アナログ・シンセサイザー以来ほとんど同じだった音作りの方法から脱却し、新たな音を創造する楽器としてリリースされている。また、1990年代中頃より映像関連機器への進出が見られ、その中には楽器的な解釈で映像を操るCG-8のような、ユニークな製品も存在する。V-LINKという音楽と映像との融合を目的としたローランド独自の規格も存在し、同社製の多くの楽器に搭載されている。
これら音楽機材などの開発・製造のほかに、米ケークウォーク社製品の輸入代行、音楽教室の経営、音楽振興財団の運営も行っている。
社名は中世ヨーロッパの叙事詩であるローランの歌の主人公、ローランからとられている [要出典]。なお英語版の Roland Corporation ではこの情報は否定されており、創業者の梯郁太郎はローランドの名前を電話帳から取ったという [要出典]。郁太郎は最初から輸出を考えたブランド名として、どの国の言葉で発音してもよく聞こえるような名前を探していたということである。しかし皮肉なことに、L と R を区別しない日本人にとっては「Roland」の R 音を正しく発音するのは至難の業であった。
[編集] ブランド
ローランドは、製品分野別にブランドを設ける「マルチブランド」展開をしている。以下に主なブランドを示す。
- BOSS
- ギター、ベース用のエフェクターやアンプなどのブランド。
- EDIROL
- コンピュータミュージック、映像関連製品のブランド。edit + Roland の合成語。
- RSS
- 3次元音響処理技術のブランド。Roland Sound Spaceの頭文字。
- ロジャース
- デジタルクラシックオルガンのブランド。
[編集] 沿革
- 1972年4月18日 - 資本金3,300万円で大阪府大阪市に設立。
- 1973年 - 国内初のシンセサイザーSH-1000発売。
- 1977年 - 世界初のギターシンセサイザーGR-500発売。
- 1984年 - 大阪市北区梅田に音楽教室を開設。
- 1985年 - 東京都渋谷区に音楽教室を開設。
- 1988年 - 大阪証券取引所第2部に上場。
- 1993年 - 本社を大阪市北区に移転。
- 1996年 - ISO9002を取得。
- 1998年 - 東京証券取引所第2部に上場。
- 1999年 - 東証・大証第1部に上場。ISO14001を取得。
- 2001年 - ビクター・テクニクス・ミュージック株式会社を子会社化。(後に吸収合併)
- 2005年 - 本社を静岡県浜松市に移転。
[編集] 主要製品
[編集] アナログシンセサイザー
- GR-300
- Promars
- SH-09
- SH-1
- SH-2
- SH-2000
- SH-3A
- SH-7
- SH-101
- MC-202
- TB-303
- TR-505
- TR-606
- TR-808
- TR-909
- System100
- System700
- Jupiter-4
- Jupiter-6
- Jupiter-8
- Juno-6
- Juno-60
- Juno-106
- Juno-106S
- JX-3P
- JX-8P
- JX-10
[編集] デジタルシンセサイザー
- Dシリーズ
- D-5
- D-10
- D-20
- D-50
- D-70
- D-110
- Uシリーズ
- U-20
- U-110
- U-220
- JDシリーズ
- JD-800
- JD-990
- JPシリーズ
- JP-8000
- JP-8080
- JVシリーズ
- JV-30
- JV-35
- JV-80
- JV-880
- JV-1000
- JV-1080
- JV-2080
- XPシリーズ
- XP-80
- XP-60
- XP-50
- XP-30
- XP-10
- XVシリーズ
- XV-88
- XV-5050
- XV-5080/3080
- XV-2020
- Roland Fantomシリーズ
- Fantom
- Fantom-S
- Fantom-X/ XR
- JUNO-D
- JUNO-G
- V-Synth/V-Synth XT
- VariOS
- Groovebox
他多数
[編集] ピアノ、オルガン
- ローランドピアノ・デジタル(電子ピアノ)
- 電子オルガン
- ミュージック・アトリエ
- 家庭用電子オルガン
- コンボ・オルガン
- VK-8,VK-88,VK-8M(モジュールタイプ)
- ロジャースオルガン
- デジタルクラシックオルガン。教会などに導入されている。
- ミュージック・アトリエ
[編集] 打楽器、アコーディオン
- Vドラム(電子ドラム)
- Vアコーディオン(電子アコーディオン)
[編集] シーケンサー
- マイクロ・コンポーザー
- MC-8
- MC-4
- MC-500
- MC-50
- MC-50mkII
- MC-80
- MC-80EX
[編集] DTM関連機器
- ミュージ君
- ミュージ郎
- Roland SCシリーズ(サウンド・キャンバス)
- EDIROL SDシリーズ(スタジオ・キャンバス)
ミュージック・プロダクション・システム
- MV-30「STUDIO M」
[編集] 音楽教室
1984年より「ローランド・ミュージックスクール」を運営。2001年にビクター・テクニクス・ミュージック株式会社を買収し「ローランドRMS音楽教室」へ改称、国内音楽教室業界において第3位の規模となる。[1]
- 以下に示す国内8ヶ所でローランド直営センタースクールを運営している。
- 上記の他、国内各地に特約店が運営する音楽教室がある。
[編集] センター教室
- RMS音楽教室北海道センター(札幌市中央区)
- RMS音楽教室渋谷センター(東京都渋谷区)
- RMS音楽教室佐鳴台センター(浜松市中区)
- RMS音楽教室東海センター(名古屋市中区)
- RMS音楽教室京都センター(京都市中京区)
- RMS音楽教室梅田センター(大阪市北区)
- RMS音楽教室広島センター(広島市中区)
- RMS音楽教室福岡センター(福岡市中央区)
[編集] 開講科目
- RMS幼児科(リトミック)
- ピアノ科
- オルガン科
- コンピューター・ミュージック科
- ヤングミュージシャン科
- ドラムコース
[編集] RMS音楽教室主催イベント
- RMSオルガン・ミュージックフェスティバル
- 電子オルガンのコンクール。参加資格はRMS会員のみ。
- RMSファンタスティック・ピアノコンクール
- ポピュラー曲中心のピアノコンクール。参加はRMS会員の他、一般も可能。
[編集] ローランド・プロデュースショップ
ローランドがプロデュースする、楽器店内の専門コーナー。専門スタッフを配置し、ユーザーサポートの役割も担っている。
- PLANET[1]
- ローランド電子ドラム、シンセサイザー、コンピュータ関連機器を専門に展示・販売するコーナー
- Roland Foresta[2]
- ローランドのデジタルピアノを専門に展示・販売するコーナー
[編集] 主要工場・研究所
[編集] グループ会社
- ボス株式会社[3](浜松市中区)
- ローランド イーディー株式会社(長野県松本市)
- 映像編集機器などを製造。旧社名富士ローランド。
- ローランドエンジニアリング株式会社(浜松市北区)[4]
- ローランドグループ各社が持つ固有技術を用いたOEM製品の開発、製造、および販売。
- ローランド ディー. ジー. 株式会社(浜松市北区)
- パソコン用プロッタやラピッドプロトタイピング用の簡易3次元加工機などの製造。
- アトリエビジョン株式会社(東京都千代田区)
- 音楽素材、映像素材ライブラリーの制作。
海外ではヨーロッパ各国・アメリカ・中国・マレーシアなど14ヵ国および台湾に生産・販売・物流の子会社を持つ。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 脚注
- ^ 出典:2001年7月31日、ローランドニュースリリース
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