光吉俊二
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光吉 俊二(みつよし しゅんじ、1965年 - )は、日本の情報工学者、彫刻家や武道家。多摩美術大学美術学部彫刻科卒業。徳島大学工学部大学院博士後期課程修了。博士(工学)元スタンフォード大学バイオロボティクス研究所客員研究員であり、京都精華大学客員研究員、株式会社AGI代表取締役である。
工学における専門は、感性制御技術・音声感情認識技術。特に、1999年に韻律からの音声感情認識を確立し、ベンチャー企業として商品化までを携帯向けサービスとして行っていた。これらの感性制御技術において工学技術としての感性と感情の研究の重要性を説く(論文投稿、国際会議発表、出版、企業プレゼンなど)が、感性情報に対する芸術と工学の平行線議論の限界を感じ、自ら工学的な論理思考と表現力を習得するため徳島大学で博士過程へ進み博士(工学)をこの分野では初めて取得する。
音声と心と感情の共振・共鳴といった心理的事象を脳と情動とホルモン・生体物質に基づいて工学的に解明をするための研究推進・啓蒙が活動の中心となっている。主要な研究成果である音声感情認識は、株式会社AGIの感性制御技術である「ST」の基盤となっているとともに、日本SGI社との提携にもとづいてNICT・NEC・トヨタ・NTT・KDDIなどとの共同研究やビジネス展開が実施されておりNECが開発した「言花」のキーテクノロジーとしても利用されている。
なお、芸術(主に彫刻)の分野では、彫刻素材からの研究開発をすることにより、ポリマーコンクリートを用いた先駆的な作品の発表を行うことで、重力に逆らった構造を持つ彫刻表現を確立した。代表作は、桜田門の法務省赤レンガ庁舎の正門・外装デザイン制作とJR九州の羽犬塚駅前彫刻、独立行政法人・NICT関西先端研究センターモニュメント、JR大宮駅東口通りモニュメントなどである。また、映画『日本沈没』((松竹版)1999年)などへのCGによる映画制作への参画も行っていた。
格闘技の分野では、古流(柔術空手)からの発展として、ノールール・フルコンタクト・マーシャルアーツ(実戦格闘術)を提案(1995~)したが、2006年現在は引退し極真館空手の相談役を務めている。