千葉港
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千葉港(ちばこう)は千葉県の市川市・船橋市・習志野市・千葉市・市原市・袖ケ浦市にわたる港湾。特定重要港湾に指定されている。港湾管理者は千葉県。貨物取扱量は全国第2位(1億6956万トン、平成15年度)、貿易額は全国第8位(3兆0318億円、同)、コンテナ取り扱い実績は全国第17位(42,650TEU、同)。
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[編集] 概要
千葉港は、東京湾奥部にあり、北は市川市より南は袖ケ浦市まで海岸線の総延長約133kmと、京葉工業地域のほぼ全域にまたがる工業港である。港の面積は24,800haで日本一を誇り、日本三大貿易港の一つに数えられる。
港は、最北の市川市から時計回りに、A葛南西部地区、B葛南中央地区、C葛南東部地区、D千葉北部地区、E千葉中央地区、F千葉南部地区、G八幡地区、H五井地区、I妹崎地区、J北袖ケ浦地区、K南袖ケ浦地区の11地区に分かれている。
千葉中央地区の蘇我地域には、JFEスチールがあり、一種の企業城下町となっている。
千葉港の主要な取扱貨物は、原油、石油製品、LNG(液化天然ガス)、鋼材、重油、鉄鉱石などであり、重化学工業の産業機能集積港となっている。臨海部の埋め立てと企業誘致によって拡大してきたことから企業専用施設が多く、現在でも港湾取扱貨物の9割以上は企業専用岸壁で取り扱われている。
1日に1~2便ではあるが千葉ポートサービスにより遊覧船が運航されている。
[編集] 港湾規模
- 入港船舶(平成15年度)
- 隻数 66,327隻(外航船:4,410隻、内航船:61,917隻)
- 総トン数 133,836,495総トン(外航船:87,389,854総トン、内航船:46,446,641総トン)
- 海上出入貨物(平成15年度)
- 取扱貨物量 169,559,452トン(外貿59.6%、内貿40.3%)
- 外貿 101,123,849トン
- 輸出 7,519,152トン
- 主要な輸出産品の内訳は、完成自動車(29.8%、以下全て平成15年度)、鋼材(25.5%)、化学薬品 (21.8%) 、石油製品 (6.6%) 、金属くず (6.4%) 、その他化学工業品 (3.2%) 、鉄鋼 (2.5%) など(その他は14.0%)。
- 輸入 93,604,697トン
- 主要な輸出産品の内訳は、原油(37.4%、以下全て平成15年度)、LNG (23.6%) 、石油製品 (12.8%) 、鉄鉱石 (8.2%) 、石炭 (5.5%) 、LPG (3.3%) 、非金属鉱物 (1.2%) など(その他は7.9%)。
- 内貿 68,435,603トン
- 移出 36,823,698トン
- 移入 31,611,905トン
- コンテナ貨物(平成15年度)
- 輸出 23,668TEU
- 輸入 18,982TEU
- 合計 42,650TEU
(「TEU」とは、"Twenty feet Equivalent Unit"の略語で、20フィート型コンテナ換算での積載可能個数を意味する。)
- 貿易額(平成15年度)
- 輸出 851,492,047千円
- 輸入 2,180,300,601千円
- 合計 3,031,792,648千円
[編集] 歴史
- 昭和26年5月 千葉県庁土木部に千葉港湾建設事務所(現・県土整備部千葉地域整備センター千葉港湾事務所)を設置
- 昭和28年3月 千葉県が船橋港の管理者となる
- 昭和28年9月 横浜税関千葉税関支署を設置
- 昭和29年7月 関税法上の開港に指定
- 昭和40年 特定重要港湾に指定
- 昭和41年 運輸省第二港湾建設局千葉港工事事務所(現・国土交通省関東地方整備局千葉港湾事務所)を設置
- 平成6年6月 千葉中央地区でコンテナターミナルを供用開始
[編集] 港湾環境保全
環境省から発表されたデーターによると公共用水域の底質環境基準を超えるダイオキシン類が検出された。千葉港市原地区において、15,000pg-TEQ/gの高濃度汚染があったことが「島根県のダイオキシン類対策事業に係る費用負担計画」で事例として公開されている。このことに関し、統計数理研究所、千葉県環境研究センター、国立環境研究所そして東京都環境科学研究所の研究者達が「環境汚染に対する未確認発生源の寄与率の推定」という論文を発表している。