名古屋競馬場
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名古屋競馬場(なごやけいばじょう)は愛知県名古屋市港区にある地方競馬の競馬場である。競馬場のかつての地名から愛称として土古競馬場(どんこけいばじょう)とも呼ばれている。
愛知県競馬組合(愛知県、名古屋市、豊明市からなる一部事務組合)によって競馬が開催されている。笠松競馬開催時は場外発売を行っている。なお、同組合はかつて中京競馬場でも「公営中京競馬」としてレースを開催していた(現在は休止)。笠松競馬開催時は場外発売を行う。D-Net・オッズパーク加盟競馬場。また、日本人女性騎手最多勝利数を更新中の宮下瞳騎手が所属している。
名古屋競馬場に所属する競走馬は、弥富市の弥富トレーニングセンターで調教される。
2005年から個人協賛競走が取り入れられた。これは現在廃止された上山競馬場、高崎競馬場の各競馬場に続くものである。
全国で初めて前日夜間発売をしている。(下記参照)
トータリゼータシステムは富士通フロンテックである。
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[編集] 沿革
[編集] コース
- 1周1100m、幅23m、右回りダートコース
- 直線距離194m(第4コーナーからゴールまで) ※現存する競馬場の中で日本一短い直線である
- 距離設定…800m、1300m、1400m、1600m、1800m、1900m、2500m(かつては2400mも存在した)
- 最大出走頭数(フルゲート)…12頭
かつては障害競走が行われていて、内馬場には1コーナーから3コーナーに向かうたすき状の障害コースの名残が見られる。
[編集] 利用料金
[編集] 入場料
名古屋競馬開催時は100円。(場外のみ発売時は無料)
- 直接コインを投入する方式である。
- 毎週火曜日は「レディースデー」のため、女性は入場料が無料になる。
- 通常、15時20分以降は無料で入場できる。
- 名古屋競馬オフィシャルサイトから無料入場券(クーポン券)をプリントアウトしたものを有人の入場門で渡すと無料で入場できる。(アクセス方法「ホーム」→「名古屋けいばガイド」→「無料入場券」)
[編集] 有料席
- グリーンホール(第2スタンド2階、全席自由)500円
- 特別観覧席(第2スタンド4階、全席指定)700円
※場外のみ発売時は300円(通常はグリーンホールのみ開放)
[編集] 発売する馬券の種類
○…発売 ×…発売なし
単勝 | 複勝 | 枠番連複 | 枠番連単 | 馬番連複 | 馬番連単 | ワイド | 3連複 | 3連単 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
※なお、2006年10月23日より「マルチ投票・フォーメーション投票」を導入した。
[編集] 主な重賞競走
[編集] ダートグレード競走
- 2005年、第5回ジャパンブリーディングファームズカップ
[編集] 東海地区SP重賞競走
- 東海ダービー (SP1)
- 東海菊花賞 (SP1)
- 新春ペガサスカップ (SP1)
- 駿蹄賞 (SP1)
- 名古屋記念 (SP1)
- 東海桜花賞 (SP1)
- 梅見月杯 (SP1)
- ゴールドウィング賞 (SP1)
- マイル争覇 (SP2) マイラーズカップ、京王杯スプリングカップの東海、近畿、北陸地区トライアル
- スプリングカップ (SP2) 青葉賞、京都新聞杯の東海、北陸、近畿地区トライアル
- 名港盃 (SP2) 毎日王冠、京都大賞典の北陸、東海、近畿地区トライアル
- 東海クイーンカップ(SP2) ローズステークス、紫苑ステークスの北陸、東海、近畿地区トライアル
- アラブ重賞競走(現在は行われていない)
- 名古屋杯(春) (SP1)
- 名古屋杯(冬) (SP1)
※ SP=スーパープレステージ(Super Prestige)の略
[編集] JRA2歳認定競走
- フレッシュゴールド(認定競走新馬(初出走)戦)(1着賞金2,000,000円)
- セレクトゴールド(認定競走未勝利戦)(1着賞金1,500,000円)
[編集] 場外馬券売場
- サンアール弥富(弥富トレーニングセンター内・愛知県弥富市)
- サンアール磯部(三重県志摩市)
- 中京競馬場
- 笠松競馬場
- シアター恵那(岐阜県恵那市)
- 大井競馬場 内「ふるさとコーナー」 ※南関東競馬開催日のみ発売。
[編集] 払戻についての注意
- 笠松競馬関連施設で購入した馬券の払い戻しは、笠松競馬場、シアター恵那、名古屋競馬場(第2スタンド1階専用窓口および外向発売所)で可能。 ※名古屋競馬場外向発売所での払い戻しは、名古屋競馬開催日のみ実施。
- ふるさとコーナーで購入した馬券の払い戻しは、ふるさとコーナー関連施設(大井競馬場内)でのみ可能。
[編集] 前日夜間発売
シリーズ初日を除いて、2日目から最終日までの名古屋競馬の全レースを外向発売所にて前日の17時30分から21時00分まで発売。
- マークカード記入の際は前日発売欄を塗りつぶす必要がある。
- 他場のレースは発売しない。
- 的中馬券の払い戻しもできる。
- 予想紙が必要な場合は、競馬場の向かいにあるコンビニエンスストア「サンクス名古屋競馬場前店」にて購入できる。(外向発売所の隣にある専門紙販売所はすでに閉まっているため)
[編集] その他
- キャッチフレーズとして「推理とロマンの名古屋けいば」が有名である。
- マスコットキャラクターは、3頭の馬に名古屋の名物エビフライを合わせたものである。(グループ名と3頭それぞれに名前がある)
- 【グループ名】758(なごや)ドリームゲッターズ
- 【各馬の名前】ゼッケン7番…かけるくん、ゼッケン5番…あたるくん、ゼッケン8番…ゆめちゃん
なお、競馬場内には3頭がいろいろな行動をしているイラストが掲げられている。例として、一升瓶を片手にお酒を飲んでいるあたるくんやコンピュータに向かって何やら研究中のかけるくんなど。
- コースの関係から外枠の馬が人気薄でも来ることがある。そのため以前から枠番連勝複式(枠複)の7-8はよく売れる。
- かつては天才といわれ、今では伝説の人となっている坂本敏美騎手が所属していた。(「あまり強くない馬でも坂本が乗れば勝った」と今でもファンの間では語り継がれている)
- 以前はすべてフルゲート12頭で競走を実施していたが、経営悪化によるコスト削減のため重賞競走や交流競走、新馬戦競走などを除き10頭で行われている。
- 馬がパドック(下見所)周回中に予想紙記者による解説が行われている。
- 中央競馬との交流競走(ダートグレード競走を除く)のレース名は「名古屋チャレンジカップ ○○○賞」である。(○○○には果物の名前などが入る。例としてパパイヤ賞やグレープ賞など)
- 予想紙は競馬エースと競馬東海の2紙で、価格はいずれも500円である。(以前は穴予想で有名だったケイシンという名前の予想紙もあった)
- 実況は、弘報館の畑野謙二、河村憲広が中心となって行っている。
- 2005年6月6日~8月13日と2006年7月10日~7月14日に薄暮レース(トワイライト競馬)が行われた。なお、2006年は名古屋競馬場の全レース終了後に大井競馬場のレースをリレー発売した。
- 2005年11月3日にJBC競走を記念して、名古屋競馬4つ目となるファンファーレ「VICTORY」が披露された。余談だが、当日はJBCスプリント・JBCクラシック両レースで生演奏が行われる予定であった。スプリントの方は無事に演奏されたが、クラシックでは録音で別のファンファーレ(SP用のファンファーレ)が流された。最初は演奏されたものの、船橋競馬場所属のナイキアディライト号(当時牡馬5歳/石崎駿騎手騎乗)が枠入りを拒否し続けたことから、全馬もう一度枠入りからやり直しとなった。10分以上発走が遅れたこともあり、演奏するはずのマーチングバンドが戻ってしまいこのような事態となってしまった。また当日はテレビ放送も行われたが、16時30分までということもあり、クラシックのレース途中で打ち切りとなってしまった。なお、ファンファーレ「VICTORY」は、この日以降ダートグレード用として使用されている。
- 2005年12月23日に行われる予定であった第5回名古屋グランプリは、降雪のため実施されなかった。なお、ダートグレード競走で順延して行われなかったのは初めてのことである。
- 2006年10月23日に今井貴大(たかひろ)騎手が、日本の競馬界(中央競馬・地方競馬問わず)初となる平成生まれのジョッキーとして話題になった。
- 2006年11月2日に山本茜騎手が、女性として初めてJBC競走に騎乗した。(川崎競馬場で行われたJBCマイル(第6回JBCスプリント)に)
- 2006年11月27日に角田輝也調教師が、名古屋競馬第5レースホットレディ号(当時牝馬3歳/吉田稔騎手騎乗)にて年間勝利数188勝の日本新記録を樹立した。(その後204勝まで勝利数を伸ばした)
- 2006年12月18日に吉田稔騎手が、名古屋競馬第1レースサクラプレミアム号(当時牡馬3歳)にて地方競馬通算2000勝を達成した。なお、この馬は角田輝也調教師の管理馬だった。また、名古屋競馬所属では1983年に坂本敏美騎手が達成して以来2人目の快挙である。
- 2007年1月5日に全国の女性騎手による「レディースジョッキーズシリーズ・名古屋ラウンド(ファイナルラウンド)」が、当日の第8レースと第10レースに行われ、山本茜騎手が見事に両レースを勝利してシリーズ(他に荒尾競馬場と高知競馬場で各2レースずつ施行)の総合優勝を決めた。
- 2007年2月5日の名古屋競馬第5レースに出走したブラックハーロック号(当時牡馬7歳/安部弘一厩舎所属)が、高知競馬場で大変有名になったハルウララ号の113連敗を抜く114連敗を記録した。(結果は10頭中10着だった)
- 2007年3月7日に山本茜騎手が、名古屋競馬第8レースローレルダンス号(当時牝馬5歳/迫田清美厩舎所属)にて地方競馬通算100勝を達成した。なお、この記録は女性騎手において歴代1位のデビューしてからの最短日数(1年4か月と19日)での記録である。(これまでの記録は、水沢競馬場所属だった高橋優子騎手が1969年4月20日に初騎乗して記録した2年4か月と16日が最短)余談ではあるが、このレースの3連勝単式は504通り中379番人気の2,372,900円で名古屋競馬の史上最高の払戻金であった。(的中票数は64,306票中わずか2票(200円)であった)
- 2007年4月より、「TRIPLE DREAMS」として今までの名古屋・笠松の両競馬場に、金沢競馬場も加えた相互発売体制になった。(基本として月曜日は金沢競馬のレースを名古屋・笠松にて場外発売して、火・水・木曜日は名古屋・笠松競馬のレースを金沢にて場外発売する)
- 2007年6月より、他地区の夜間(ナイター)にて行われるダートグレード競走の日を中心にリレーナイターを実施予定。(当日、名古屋・笠松競馬のレース終了後に大井競馬や川崎競馬などのレースを発売する)
- 不定期で、三重テレビにて、重賞レースを生中継することがある。(理由は、名古屋にも電波が届いており、視聴者が多いことが考えられる。)
- 正月期間を除く毎年1月と2月のシリーズの初日は日曜日である。(冬季期間中、本場開催を行わない金沢競馬場での売上が見込めるとの理由から。余談だが、日曜日に限らず平日でも名古屋競馬開催時の場外売上は笠松競馬場よりも金沢競馬場の方が上である)
- 全国でも珍しい滞在型交流を実施している。(冬季期間中、金沢競馬場所属の競走馬が所属変更することなく名古屋・笠松両競馬場の馬房に滞在してレースに出走する。馬だけでなく調教師などの関係者も滞在をする。また、騎手も毎年10名前後滞在してレースに参加する)
- 外向発売所の上に交番(小碓(おうす)交番)がある。
[編集] アクセス
[編集] 公共交通機関
- あおなみ線名古屋競馬場前駅下車徒歩3分。
名古屋競馬場前駅着の往復乗車券の復券を競馬場内総合案内所に提示すると、特別観覧席またはグリーンホールの入場券がもらえる。 - 地下鉄名港線東海通駅から市バス河合小橋・多加良浦・中川車庫前・サンビーチ日光川行き、競馬場正門下車徒歩1分。
- 地下鉄名港線六番町駅から市バス河合小橋行き、競馬場正門下車徒歩1分。
- 地下鉄東山線高畑駅市バス港区役所(左回り)行き、競馬場正門下車徒歩1分。
- 名鉄神宮前駅・市バス神宮東門停から河合小橋・多加良浦・中川車庫前行き、競馬場正門下車徒歩1分。
[編集] 無料バス
無料バスは開催日のみ運行。(名鉄バスにて運行)
- 名鉄名古屋本線神宮前駅から専用バス、名古屋競馬場下車徒歩1分。
- 名古屋市営地下鉄名港線東海通駅から専用バス、名古屋競馬場下車徒歩1分。
[編集] 車
無料駐車場完備(714台)。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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