中京競馬場
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中京競馬場(ちゅうきょうけいばじょう)は愛知県豊明市にある競馬場。中央競馬では毎年3月、5月 - 6月、12月の3開催、24日間に渡ってレースを開催する。かつては地方競馬(愛知県競馬組合主催)も行われたが2002年度から休止している。
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[編集] コース概要
芝コース・ダートコースともに中央競馬では唯一の平坦・小回り・左回りの3条件が揃ったコースである。このため、「中京でしか勝てない」「中京は大の得意である」という馬が少なからず存在し、こういった馬たちは中京巧者と呼ばれる。障害コースは第3コーナーから第2コーナーに向かう襷コースがあるほかは専用コースはなく、芝コースに仮設の生垣や竹柵を置いて(置き障害)レースを行う。一周距離は芝・ダートとも中央競馬の競馬場の中で福島競馬場と並び最短だがゴールまでの直線は中山競馬場よりわずかに長い。また、結構な確率でレコードが出ることも多い。
- 芝コース
- 1周1600・1619・1631m(内側の移動柵の位置によって3通り存在する)、直線314m、高低差2.9m
- 設定可能な距離:*1000m、1200m、*1700m、1800m、2000m、2500m、*2800m
- ダートコース
- 1周1418m、直線312m、高低差2.2m
- 1600万円以下、オープンの競走設定可能な距離:1000m、*1600m、1700m、2300m
- 障害コース
- 襷コースの長さ474m
- 設定可能な距離:2800m、3330m、3370m、*3600m
- *印の距離の競走は、2007年現在施行されていない。芝1000m、1700m、ダート1600mについては出走可能頭数が他のコース設定より減るためである。
開場当時は砂コースしか存在しなかった。砂コースは現在のダートコースとはやや異なるもので、当時の重賞競走の記録等でも「砂」と表記されている。1970年に芝コースが新設され、遅れて砂コースがダートコースに改修されている。
[編集] 名古屋競馬株式会社
中京競馬場の施設運営と管理は、名古屋競馬株式会社によって行われている。競馬法により東海地方に国営競馬(現在の中央競馬の前身)の開催レース場をという声に応えるため、1952年8月に設立された。翌1953年8月に競馬場が完成、農林省(現・農林水産省)と施設貸借契約を結び、第1回国営中京競馬を開催することになった。現在は競馬場の他に競馬場近接地にある駐車場の管理・運営を行っている。
なお名古屋競馬場を運営する愛知県競馬組合とは、別法人である。
また、中央競馬に馬主登録しており、主な持ち馬にグリーンサンダー(佐賀記念勝ち)などがいる。
[編集] アクセス
名鉄名古屋本線中京競馬場前駅から徒歩10分。2005年春季開催(5月~6月)のシリーズから、競馬場西口とを結ぶ屋根付き通路(「フローラルウォーク」)ができた。桶狭間の戦いで知られる桶狭間古戦場跡も近い。
[編集] 主な競走
- GI
- JpnIII
- 中京競馬場で行なわれる重賞には「中央競馬唯一の○○」という競走が多い。
- 高松宮記念は、代替開催[1]を除いて中央競馬主要4場以外でかつ裏開催で行なわれる唯一のGI競走である。
- 東海ステークスは中央競馬で行なわれる唯一のダートGII競走である。
- 中京記念は中央競馬の重賞では唯一、マスコミ(テレビ・ラジオ・新聞社・通信社)・鉄道会社以外の企業が協賛している競走である。この競走の優勝馬の馬主にはトヨタ自動車より自動車が副賞としてプレゼントされる。
- 中日新聞杯は2004年度より中央競馬唯一の父内国産馬(マル父)限定重賞となっている。
- 上記以外では中央競馬で唯一、障害レースの重賞・特別競走が行われない(代替開催や障害コースの無い札幌競馬場及び函館競馬場を除く)。これに見かねた多くの障害ファンがその代わり、5~6月に開催される間に1度だけ行われる平場の障害オープン戦を「桶狭間ジャンプステークス」と勝手に呼んでいる。
- ^ 2002年に新潟競馬場でスプリンターズステークスが代替開催された例がある。
- 特別競走
[編集] 地方競馬での開催
中央競馬の中京競馬開催が始まった同年(1953年)の10月8日から開催を始めたが、2002年以降は休止している。
かつては地方競馬で唯一、芝コースのレースが実施されていたため(現在は盛岡競馬場でも行われている)、中京開催を行っていた頃は中央の芝でも活躍した馬が多い。
芝の地方競馬招待を勝ったリュウアラナス、オールカマーを勝ったジュサブロー、テレビ愛知オープンを勝ったトミシノポルンガなど。また中央に移籍して活躍したステートジャガー、ヒカリデュールも地方時代に芝の重賞を勝っており、逆に中央から移籍してきた馬では日本ダービーで一番人気に推された経験もあるロングシンホニーが重賞勝ちしている。騎手の安藤勝己も中京の芝コースには乗り慣れていた。さらに名古屋市政100周年記念という中央地方全国交流競走を行ったこともある。
地方競馬開催は休止されているが名古屋競馬・笠松競馬開催時は場外発売を行っている。
[編集] ファンファーレ
基本的には川口真のファンファーレを使用しているが高松宮記念(GI)の場合は京都・阪神で使用されるGI用ファンファーレとなる。
なお、1991年に阪神競馬場、1994年に京都競馬場が改修工事を行った際、中京競馬と小倉競馬(主に2月~3月)が同時開催の場合は主場扱いの中京競馬で京都・阪神のファンファーレが使用された。
名鉄杯(重賞ではなく1000万条件戦)では通常使われるファンファーレではなく、冠スポンサーである名鉄電車の「ミュージックホーン」をアレンジしたものが採用されている。
[編集] その他
- 2006年より12月に開催されているオープン特別戦・尾張ステークスは、尾張を「終わり」になぞらえて、中京競馬場のその年の最終競走として施行されている(2005年までは尾張特別だった。なお、1500万条件戦として尾張ステークスが施行されていた時期もある。ただし、この時代は最終レースではなく、メインレース(第11競走)として施行されていた。また、さらに以前(ウインターステークス(現在の東海ステークスの前身)が第3回中京競馬8日目のメインレースとして施行されていた頃で、当時は有馬記念の一週前)は、尾張特別は9Rもしくは10Rだった)。
- 競馬新聞の過去の成績欄での競馬場の略称は「名」である。これは、中京の「中」だと中山の「中」、「京」だと京都(及び東京)の「京」と重複してしまうため、中京競馬場に近い名古屋の「名」としたのである。
- ただし地方競馬の名古屋競馬で中央との交流戦が組まれるようになり、「名」も重複する場合が発生したため、活字サイズを縮小して「中京」「中山」と記す場合も多い。また、名古屋競馬は「名古」と表記する場合もある。中央との交流戦が活発化する以前は、名古屋競馬・中央中京競馬とも「名」で記されて重複していたが、馬の所属である程度判断できた(公営中京競馬は「中」で表記される場合もあった)。
- かつては競馬場に厩舎地区があった。京都競馬場や阪神競馬場の収容能力が限界となったために設置されたもので、後に栗東トレーニングセンターの設置により栗東に移転した。ここに厩舎を構えた調教師の中でも星川泉士は1958年第18回のタイセイホープ、1959年第19回のウイルデイールで皐月賞連覇をなし遂げている。
- 過去に一度だけ宝塚記念が1980年に行われたことがある。このときは芝の2400mで行われた。
- 東海地震に関する注意情報が発表された場合には開催を中止し、勝馬投票券の発売と払戻を停止することになっている(ウインズ名古屋と石和も同様の措置が採られる)。
- ビュッフェ・パノラマステーションに名鉄7000系車輌が使われている。
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