国際刑事裁判所ローマ規程
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国際刑事裁判所ローマ規程(こくさいけいじさいばんしょろーまきてい, The Rome Statute for the International Criminal Court)は、国際刑事裁判所(International Criminal Court, ICC)の構成、管轄犯罪、手続きなどを規定する国際条約である。正式には国際刑事裁判所に関するローマ規程, 通称ローマ規程(The Rome Statute)という。1998年7月17日、ローマにおける国際刑事裁判所の設立に関する国際連合全権外交使節会議(United Nations Diplomatic Conference of Plenipotentiaries on the Establishment of an International Criminal Court, 通称ローマ会議)で120カ国の賛成を受けて採択され、署名期限の2000年12月31日までに139カ国の署名を得る。4年後の2002年7月1日、発効に必要な60カ国以上の批准を受けて発効した。ICC条約(ICC Treaty)、ICC規程(ICC Statute)とも呼ばれる。
目次 |
[編集] 成立
[編集] 加盟
- 署名 - 139カ国
- 批准 - 100カ国以上
[編集] 日本
- 条約第1号「国際刑事裁判所に関するローマ規程の締結について承認を求めるの件」 - (2007年2月27日国会提出)[1]
- 閣法第48号「国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案」 (2007年2月27日国会提出)[2]
[編集] 管轄
[編集] 管轄権行使の前提条件
次の場合には、国際刑事裁判所は上記の犯罪について管轄権を行使できる。
- 犯罪行為地国が締約国である場合
- 被疑者国籍国が締約国である場合
- 犯罪行為地国または被疑者国籍国である非締約国が、国際刑事裁判所の管轄権を受諾する宣言を行った場合
- 国連憲章第7章に基づいて行動する安全保障理事会が事態を国際刑事裁判所に付託した場合
[編集] 管轄権行使の方法
以下の3通りの方法により、訴訟が提起される。
上記1および3の場合は、前述の管轄権行使の前提条件のうち1-3のいずれかの条件を満たしていなければならない。
[編集] 関連規則・文書等
[編集] 手続きと証拠の規則
国際刑事裁判所規程に関する手続きと証拠の規則(Rules of Procedure and Evidence)
『国際刑事裁判所規程に関する手続きと証拠の規則』(以下、「手続き規則」)は、2000年7月12日の国際刑事裁判所に関する準備委員会(Preparatory Commission, 略称:PrepCom)の最終会合で採択され、そのまま2002年に発足した締約国会議で継承された。この手続き規則は、ローマ規程の実施に関する手続きと証拠の扱いに関する規則を詳細に網羅するものではあるが、条約でも協定でもない。この規則は、準備委員会あるいは締約国会議内で採択される決議と同等であると考えられる。
[編集] 犯罪の諸要素
犯罪の諸要素(Elements of Crimes)
『犯罪の諸要素』の最終草案は、2000年6月12日から6月30日の間に開かれた国際刑事裁判所準備委員会(Preparatory Commission, 略称:PrepCom)の第五回会合で採択され、その後、第一回締約国会議の会期中、2002年9月9日に正式に採択された。この文書は、ローマ規程第5条に定められる集団殺害犯罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪のそれぞれの管轄犯罪を該当する条項ごとに分け、それぞれの要素の確定を容易にする参照用の文書である。この文書はローマ規程に定められる管轄犯罪についてその要素の詳細を網羅するものではあるが、条約でも協定でもなく、締約国会議内で採択される決議と同等であると考えられる。
[編集] 裁判所規則
裁判所規則(Regulations of the Court)
- 『裁判所規則』は、2004年5月17日から5月28日の間、ハーグの国際刑事裁判所内で開かれた18名の判事による第五回全体会議で審議され、2004年5月26日に正式に採択された。この規則は、ローマ規程第52条に基づいて策定されたもので、その内容はローマ規程および手続き規則に準じる。尚、この規則は2005年3月9日の第六回会議で一部改正されている。
- 2005年の改正文書『Amendments to the regulations of the Court』によると、改正されたのは、規則29条、66条、92条、95条、103条の5項目。原文は仏語でしか入手できないので詳細は不明だが、各改正文の題名から次のことが判っている。尚、改正は同日付けで発効している。
- 29条:規則違反に関する条項
- 66条:本規則の改正に関する手続きを定めた条項
- 92条:抑留記録の守秘性に関する条項
- 95条:懲罰処置に関する条項
- 103条:抑留者の健康と安全の保全に関する条項
[編集] 最近の批准(2003年以降)
総数:104カ国(国際刑事裁判所を求めるNGO連合(CICC)調べ)
- 2003年01月31日、アルバニアがICCの88番目の締約国に(署名は1998年7月18日)
- 2003年02月10日、アフガニスタンがICCの89番目の締約国に(規程は未署名)
- 2003年05月12日、リトアニアがICCの90番目の締約国に(署名は1998年12月10日)
- 2003年07月14日、ギニアがICCの91番目の締約国に(署名は2000年9月8日)
- 2003年09月05日、グルジアがICCの92番目の締約国に(署名は1998年7月18日)
- 2004年04月16日、ブルキナファソがICCの93番目の締約国に(署名は1998年11月30日)
- 2004年05月03日、コンゴ共和国がICCの94番目の締約国に(署名は1998年7月17日)
- 2004年09月21日、ブルンジがICCの95番目の締約国に(署名は1999年1月13日)
- 2004年09月22日、リベリアがICCの96番目の締約国に(署名は1998年7月17日)
- 2004年09月24日、ガイアナがICCの97番目の締約国に(署名は2000年12月28日)
- 2005年03月15日、ケニアがICCの98番目の締約国に(署名は1999年8月11日)
- 2005年05月12日、ドミニカ共和国がICCの99番目の締約国に(署名は2000年9月8日)
- 2005年10月28日、メキシコがICCの100番目の締約国に(署名は2000年9月7日)
- 2006年08月18日、コモロ諸島がICCの101番目の締約国に(署名は2000年9月22日)
- 2006年08月22日、セントクリストファー・ネイビスがICCの102番目の締約国に(規程は未署名)
- 2006年10月23日、モンテネグロ[3]がICCの103番目の締約国に(規程は未署名)
- 2006年11月01日、チャドがICCの104番目の締約国に(署名は1999年10月20日)
[編集] 脚注・参照
- ^ 衆議院・議案審議経過情報 - 「国際刑事裁判所に関するローマ規程の締結について承認を求めるの件」
- ^ 衆議院・議案審議経過情報 - 「国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案」
- ^ 【解説】モンテネグロ共和国は連合国家セルビアモンテネグロとして2001年9月6日に批准していたが、2006年6月3日に連合を解消し、2006年6月28日に独立国として国連に加盟。192番目の国連加盟国となっていた。条約締結などの継承権はセルビア側にあるのでモンテネグロはローマ規程に署名していないことになった為、改めて加入手続きをとった(出典:国連事務局)。