宇宙の小石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
![]() |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
宇宙の小石(Pebble in the Sky)は、アイザック・アジモフのSF小説の題名。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 概要
アジモフの最初の長編作品で、ファウンデーションシリーズに繋がる小説群の1つ。『暗黒星雲のかなたへ』や『宇宙気流』と共に、ファウンデーション宇宙史の一部であるアジモフの銀河帝国シリーズを型作っている。
[編集] あらすじ
主人公:ジョゼフ・シュワーツは現代(1950年代後半)にアメリカの片田舎で余生を送る洋裁屋の隠居。実際には高等教育を受けてはいないが、新聞や様々な書物の濫読癖を持ち、好奇心旺盛なまま年寄りとなり、近所の物知りの老人としてしられていた。
その彼が散歩中、近くにあった核物理研究所のプルトニウム実験の余波を受け、次元の断層を通り、別の世界(実は未来の地球、アーヴァダンの推定では5万年後だが後のアジモフの小説群からの計算では8000年後)へ飛ばされる。
突然の環境の変化にあわて、言葉も通じない狼狽する彼をその世界の人間は痴呆として扱う。 そこで、ある農科学者が研究していた知能を増大する『シナプシファイアー』という装置の実験台にされ、とてつもない知能とある特殊能力(人の心を操る能力 *1)を得てしまう。が、そのおかげでたちまち彼らの言葉を理解できるようになった主人公は、そこが核戦争によって放射能に汚染された未来の地球であることを知る。
彼がたどり着いた時代では人類は銀河宇宙に進出し、広大な銀河帝国を形成してたが、放射能にまみれた辺境惑星として地球は蔑まれ、人類のルーツの惑星であった事は忘却の彼方に置き去られおり、地球側はそれを恨んでいる状況だった。
そんなおり、人類発祥の地が地球である事を証明するため、考古学者ベル・アーヴァダンが地球を訪れ、主人公と共に、全銀河系人類を殲滅する細菌兵器を持つ狂信集団と闘うドタバタ騒ぎに巻き込まれてしまう。
最終的に、主人公がその特異な新能力である人の心を操る力と知性とアーヴァダンの協力により、その狂信集団の野望を留め、地球の汚染された土壌の入れ替えを銀河皇帝に認めさせる。
また、元の時代より長寿を約束されている事で新たな人生をやり直そうと決意するところで物語は終わっている。
- 1:この能力はファウンデーションシリーズでもミュールの精神感応能力として登場してくる。