アンドリューNDR114
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アンドリューNDR114 は1999年に公開されたアメリカのSF映画。クリス・コロンバス監督作品。原題はアイザック・アジモフの原作通り「バイセンテニアル・マン (The Bicentennial Man)」であり、アンドリューNDR114というのは邦題である。日本での公開は2000年5月。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] あらすじ
近未来、郊外に住む四人家族、マーティン家の主リチャードは家事などをこなすノース・アム・ロボティックス社製の人型ロボット「NDR114」を購入した。長女のグレースは家電製品だと歯牙にもかけないが、リチャードは「アンドロイド」から(小説ではNDRから)アンドリューという名前を与え、人間として扱うと宣言する。ある日、次女アマンダの宝物である小さなガラスの馬をアンドリューが落として壊してしまう。アンドリューが、アマンダのために流木から見事な木彫りの馬を作ったのを見たリチャードは、ますます彼を創造的で個性的な存在と感じ、様々なことを教え学ばせる。
月日は流れ、リチャードも老い、アンドリューに想いを寄せていたアマンダも結婚し子供を儲けた。しかし、研鑽を積んでも人間に従属するロボットであるが故に変わらないアンドリュー。彼はいつしか"自由"に対して希望を抱き、旅に出る決意をするのだった。
自分と同じNDR型ロボットを探す旅は困難を極めた。数十年の放浪の末、アンドリューは遂に女性型NDRのガラテアと、その主人で人工臓器の研究者バーンズと出会う。アンドリューは研究資金と実験台として自身の体をバーンズに提供し、人間そっくりのボディを手に入れる。マーティン家に帰還した彼は、年老いたアマンダとかつての彼女そっくりの孫娘ポーシャと出会う。
やがてポーシャと愛し合う様になるアンドリューだが、彼がロボットである限り二人の結婚は認められない事を知り、「人間」として認められるための長い戦いを始めるのだった…。
[編集] スタッフ
- 監督 : クリス・コロンバス
- 製作 : ウォルフガング・ペーターゼン
- 原作 : アイザック・アジモフ『バイセンテニアル・マン』
- 脚本 : ニコラス・カザン
- 音楽 : ジェームズ・ホーナー
[編集] キャスト
- アンドリュー:ロビン・ウィリアムズ
- アマンダ・マーティン(リトル・ミス)/ポーシャ:エンベス・デイヴィッツ
- リチャード・マーティン:サム・ニール
- ルパート・バーンズ:オリヴァー・プラット
- リチャードの妻:ウェンディ・クルーソン
- リトル・ミス(幼少期):ハリー・ケイト・アイゼンバーグ
- ガラテア:キアステン・ウォレン
- マム:ウエンディ・クルーソン
- ミス(幼少期):リンゼ・レザーハム
[編集] 評価
話題性、興行収入などの面では比較にならないが、公開時期やその内容からスティーヴン・スピルバーグ監督のA.I.と比較されやすい。映像のスケールや大衆受けするキャストでは圧倒的にA.I.に有利だが、本作品もロボット三原則を提唱したアジモフ原作だけあって設定や登場人物の描写もしっかりしており、無駄に哲学性を前面に押し出さない人間ドラマに仕上がっているので、決して引けを取ってはいない。また、スタンリー・キューブリック自身がA.I.を製作していたら異なる意見が交わされていたであろう。いずれにせよ、結論は視聴者の嗜好に委ねられるところである。
[編集] 受賞
[編集] ジョージー賞(2000年度)
- 最優秀特殊メイク賞(グレッグ・カノン、ウェス・ウォフォード)
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- アイザック・アシモフ、ロバート・シルヴァーバーグ 著、中村 融 訳『アンドリューNDR114』東京創元社、2000年、ISBN 9784488604103。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: アメリカ合衆国の映画作品 | 1999年の映画 | SF映画 | アジモフのロボットシリーズ